ちょっと注目しているマイナー種牡馬の近親にあたります
今回ご紹介するランブリングアレー(牝3・父ディープインパクト・友道康夫厩舎)は、自分が注目している種牡馬・スピルバーグの近親にあたる仔で、このプリンセスオリビアの母系はどれも「芝でこそ」という一族に見える。
昨年末の白藤賞で、これも大物の呼び声高い牝馬ラヴズオンリーユー(牝3・父ディープインパクト・矢作厩舎)とぶつかり、そこではさすがに後塵を拝したものの、以来寒い時期は休養に充ててじっくり馬体の充電を図ってきた。
ランブリングアレーの適性からして、今後は桜花賞ではなくオークス路線一本で進むものと思われるが、今週のフラワーCでもあまり人気がない様子なので、覚えておかれると後々きっといいことがあると思う。
この母系はよくディープを付ける一族だ
【 母系繁殖サイクル一覧 】
Barra 1950
Goofed 60.3.29 3.12〜5.12
Dumfries 73.2.18 き○ 2.4〜4.4
Diamond Spring 77.1.27 ぐ○ 1.10〜3.10
Dance Image 90.3.16 き× 3.2〜5.2
プリンセスオリビア 95.2.20 き○ 2.6〜4.6
Flower Alley 02.5.7 き○
ブルーミングアレー 07.3.24 ぐ× 3.7〜5.7
フロレットアレー(社台) 12.5.9 き×
トルネードアレイ(社台) 14.2.17 き○
ランブリングアレー(社台) 16.3.24 き○
スピルバーグはランブリングアレーの母母プリンセスオリビアの仔なので本馬の叔父にあたる(もちろんトーセンラーもいっしょ)。
母ブルーミングアレーは3歳時にフローラSで3着、オークスでも7着と健闘し、復帰後にはトントンと500万下からOPまで登り詰めた素質馬。
なにしろ2歳の条件戦時代に負けた相手がアパパネ!にエイシンフラッシュ!ときて、3歳時にはレインボーダリア(女王杯勝ち)やダイワファルコン(福島記念2連覇)にアッサリ勝っちゃってる馬なので、相当の実力があったはず。
にしては産駒のデキはここまで今ひとつで、繁殖サイクル表をご覧いただくと、サイクルが100%合致している(と思われる)「き○ぐ×」の産駒はランブリングアレーが初めてになる。(全兄トルネードアレイはぎりOK10日扱い)
全きょうだいでも優先祖先は毎年変わる
さて今回のお題の優先祖先の扱いについてだが、ランブリングアレーと比較するのはどちらも全きょうだいのフロレットアレー(牝・2012)とトルネードアレイ(牡・2014)。
▼父 ディープインパクトの活性値推移
・2011年(種付け時。以下同様) 活性値1(ミニマム期)
・2013年 活性値3
・2015年 活性値5
▼母 ブルーミングアレーに含まれる種牡馬の活性値
母父 シンボリクリスエス(1999) 活性値7
3代父 Lycius(1988) 活性値6
4代父 Sadler’s Wells(1981) 活性値8(MAX)
以上のことから、母の産駒については
(1) ほとんどが母似となる
(2) 優先祖先はSadler’s Wellsの祖先のどこか
(3) Sadler’s Wellsをさかのぼる以上、日本では切れとは無縁の先行タイプ
になる可能性が高い。
ただ初仔の姉フロレットアレー(8−1=7)もすぐ上の兄トルネードアレイ(8−3=5)も、厳密にいえば優先祖先は違うが、遺伝要素というものは5代以上(場合によっては6代)はさかのぼる必要がないので、2頭はともにSadler’s Wellsの母・Fairy Bridge(またはその父Bold Reason)あたりが優先ということになる。
これに対してランブリングアレーの年は父ディープインパクトの活性値が5あるので、8−5=3(世代)母系をさかのぼった3代母Dance Image(1990)が優先となる。(ちなみにDance Imageの優先祖先もFairy Bridgeでよいので…)
あれ?結果的にはだいたい同じタイプの祖先になっちゃいましたね〜。
こういうこともよくあります。
ランブリングアレーのもうひとつの武器・MAX活性
▼母・ブルーミングアレー自身の活性値推移
・2011年 活性値4
・2013年 活性値6
・2015年 活性値8(MAX)
母は引退が早かったので、ランブリングアレーを宿した2015年が1回目のMAX活性期にあたる。
フロレットアレーは初仔、トルネードアレイも空胎後の種付けなので、もともと基礎体力的にはこのきょうだいは恵まれている方だといえるが、やはりMAX活性の恩恵はそれ以上に大きく、ランブリングアレーの基礎体力は
2.0+0.75+1.0+1.0=4.75 → ★59
★がないと単なる平均よりちょい上の体力評価でしかないが、★にはスピードを補うという意味もあり、優先がSadler’s Wells系というハンデを乗り越えることも可能かもしれない。
いずれにしろ、ランブリングアレーはここまでまったく無理をしていない馬なので、このまま3歳春でしょぼくれてしまうことはないだろうし、大事に使えば古馬になって花開く系統であることは母も証明している。
【 結論 】
・ランブリングアレーは決して中山千八が得意とは言えないが、ここで賞金を積めればオークスでは母同様堅実に走る可能性大
欧州系の祖先だし、広いコース向きだし、速い脚がないし…と今の時点では三重苦にも見えるが、そんな中でもし天気でも悪化して賞金を積み増せば、府中では一票を投じてもいい存在に早変わりするだろう。
キャロットクラブの診断で取り上げられた
コントラチェックも出走しますね。
診断通りの走りを見せているので、フラワーCでも注目しています。(キャロットクラブの会員ですが、出資馬ではありません)
わにさん、コメントありがとうございます。
そういえばいつの話だったかな、と思いつつコントラチェックの回を見返すと、どうも私は少し勘違いをしているようでして…。
いま改めてコントラチェックの優先祖先を探ると、MAX活性期ホーリングの母であるDance Machine(1982)で正しいのではないかと思います。
ただDance Machineは芝10ハロンのリステッドで走っているので、コントラチェックには今後も距離的な不安はないですし、適性が大きく変わる結果にはなりませんが、当時の試行錯誤の跡がまざまざと残っていて恥ずかしいです。
それはさておき、ここにコメントしてくださる方はみな「勝ち組」クラブ馬主さんらしく、ほんとうにうらやましい限り。
ランブリングアレーもクラブ馬(社台)だったので取り上げましたが、同じクラブの馬が走るレースはやはり気になるんでしょうね。
今後ともどうぞよろしく。