【今年は豊作】クラブ向け1歳世代 新種牡馬解説2026 イクイだけじゃない高レベル世代 1.21

※これは1月21日YouTube動画の台本原稿です。

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こんにちは、ドルメロチャンネルです。
さて今回は、毎年恒例となりましたクラブ会員さん向け今年の1歳世代新種牡馬を10頭+2頭、詳しく解説していきます。

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こうして毎年世代別に産駒を分析している者からすれば、今年の新種牡馬はまさに当たり年の世代といっていいラインナップです。

それは種馬の人気面やネームバリューだけでなく、純粋な頭数の面でも人気の先輩たちにかなり肉薄しているレベルだと思われるからです。

クラブの募集馬の中にこれだけ新種牡馬が入り込んできそうな年はそうないですし、だからこそ今年は新種牡馬を知らないと、ご自分の選択範囲がかなり狭まってしまうおそれがある。

いつもなら新顔はよくわからないから避けていたかもしれませんが、そのリーズナブルさと高い評判に、思わず手を出さずにはいられなくなるかもしれない。

だから今年の募集では、必ず1回は新種牡馬の産駒に目を向けて欲しいと思います。
必ずしもあのスター産駒でなくてもいいから、私がお勧めする渋めの種牡馬でも、ぜひ産駒の実物を見てください。みんな同じだけ父の活性値が上がり、父の良いところを持っているはずですから。

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今年も血統表解説は、こんな感じでお届けします。
とくに大事なポイントは3つ。

ひとつは登録率です。
これは私が独自に集計した数字で、実際に血統登録された頭数を種付け数で割った数字で、受胎率とはまた違います。本当に競走馬として世に出てくる馬たちの割合になりますので、育成の段階で脱落が多い種牡馬などもこの数字が低くなります。馬は何といっても健康と頑強さが一番です。

ふたつめは、クロス祖先の候補です。
チャンネルではいつも実際にクロスしている祖先を赤く囲っていますが、今回の動画では産駒の中で5代までによくクロスしそうな主要祖先の候補を、あらかじめここにありますよという注意喚起で赤く囲っています。
加えて中に色が付いている祖先は弊害が残る祖先、色が抜けている祖先は弊害のないゼロ活性などの祖先です。

いつもとは赤の意味が違いますが、あなたの候補馬にこれらのクロスが存在するか、弊害はあるのかをしっかり確かめてほしいと思います。

3つめは、優先祖先です。
通常種牡馬は、優性期つまり活性値が高くて遺伝力がある時期だけ父似の産駒を出すわけですが、そのときに馬の形の遺伝がどこからやってきそうかという予想を青く囲って示しています。

自分の直系の父とは全く別の系統から形の遺伝がやってくることもありますので、そこをよく確かめてください。

またこのゴールデンバローズのように、この世代たくさんの産駒が生まれながら実は父が劣性期で遺伝に関与していないというケースがあります。そういう場合は頭に「劣」の字を付けて、かつ馬名を紫にして注意喚起しています。

この世代のゴールデンバローズ産駒は「母似」つまりお母さんの形に依存するので、あとは母系の特徴をよく見るようにしてください。

種牡馬の紹介は、種付け数の多い順に10頭を発表します。
それでは第10位の馬からスタートです。

(4)(5秒ジングル)

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第10位は、グレナディアガーズ。
種付け数は123頭、登録率は65%です。

本馬はフランケル産駒、華の18年組の1頭ですね。
海外の同期生アダイヤー、ハリケーンランが英国とアイルランドのダービーを制するなど、とくにクラシックでの活躍が目立った年で、日本ではこのグレナディアガーズが朝日杯を勝ちました。

その2年前に私はある動画内で「フランケルの18年産駒は大成功すると思う」という予測を出しました。
その理由が、祖父Galileoから2代続いたミニマム期配合によるコンプレックスの低下です。
18年産駒だけが血の呪縛から解き放たれ、欧州だけでなくここ日本でも爆発した、私はそう考えています。

それが本当なら再び28年の産駒に大注目したいところですが、その前の優性期、父似グレナディア産駒もきっといいところがあるはずです。

形の源は古くから日本にも適性のあるラーイの系統だから、芝でもダートでもOKでクラブ馬としては格好の適性。サンデー牝馬との弊害がないですし、アウトブリードでもスンナリ走ってくるのではないでしょうか。私もこの春、配合候補に入れている1頭です。

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第9位は、ピクシーナイト。
種付け数は125頭、登録率は69.6%です。

サンデーの後継の中でも距離をこなすディープ系とは対照的に、スプリントに特化した期待のモーリス系新種牡馬です。

血統上も間違いなく父モーリスの後継として形を継いでいますし、3歳でスプリントG1に手が届いた早熟性、530キロを超えていた雄大な馬格、ひときわ高い登録率…なるほど現代の種牡馬としては魅力たっぷりの存在です。

気になる点としては、日本だと配合上どうしてもクロスの対象馬が多いこと、そしてモーリス産駒全般、父自身もそう気性の良い馬ではなかったので、果たしてピクシーナイト産駒の頭脳面はどうなのかという危惧を持っています。

もちろんアウトブリードを推奨しますが、LyphardやHaloのクロス程度で済みそうなら、思い切った決断も可能でしょうか。

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第8位は、ヨシダ。
種付け数は131頭、登録率は55.7%です。

本馬は2020年米国でいったん種牡馬になった後、日本に帰国という形でダーレーで繋養が始まり、この世代が日本での初年度ということになります。

ですから残念ながら今は劣性期の真っ最中で、ヨシダ産駒は母の血統をよく見て出資を考えていただきたいと思います。今後優性期に入るともうちょっと配合妙味が出てくるのですが、やや登録率が低いのもネックになりそうですね。

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第7位は、シャープアステカ。
種付け数は146頭、登録率は69.2%です。

本馬も残念ながら劣性期なので産駒の評価は母系次第なのですが、それを割り引いても非常に面白い種牡馬だと思います。

まず優先祖先の予測先がさまざまで、かつ弊害のないクロス候補が多い。
サンデー系の繁殖を本馬でいったんサンドし、ノーザンダンサーやミスプロのクロスである程度スピードを固定しながら、次の大物種牡馬を待つみたいな配合戦略が面白そう。

私も実際に、昨年の種付け候補に推薦した経緯があります。

もしこの劣性世代で産駒を狙うなら、ミスプロの弊害なしクロスが成立していてかつStorm Catが悪さをしていない馬、そしてダートっぽい母との組み合わせなら堅実なクラブ馬になるかもしれないですね。昨年は種付け数が半減していますが、本当の勝負はその26年産からだと思います。

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第6位は、オナーコード。
種付け数は152頭、登録率は46.7%です。

彼は1回目の優性期をアメリカで過ごし、すでに本国ではG1馬も輩出した実績があります。
2回目の優性期がちょうど日本で始まり、導入時期としてはバッチリなのですが、どうも産駒の登録率が悪くてちょっと心配な水準にあります。

昨年も134頭に種付けできているので生産者さんはそう気にしてないのかもしれませんが、産駒の健康状態には注意したいところです。

とはいえ日本で予想される需要の高さは大変なもので、本馬は父A.P.Indyのラストクロップでしたから、父似産駒ならシアトルスルーの形を直接遺伝できる機会に恵まれますし、サンデー系牝馬の相手にはもってこい。

もっと強い父似産駒だと母系奥深くにいるラーイの形も出てきますが、そこまでたどり着く産駒はほとんどいないはずです。

以前生産者さんとの会話に導入直後のオナーコードが話題に挙がり「彼(オナーコード)は現役時代、後ろからすごい脚で追い込む馬だったから、本当に彼が持っているスピードがどうなのかは懐疑的で、自分は先行馬の方が好みだから付けないかも」という話をされていました。

なるほど、そういう見方もあるのかと勉強になりましたが、イメージ的に軽快さを意識できないということでしょうか。ひょっとすると一発の大物を出すタイプかもしれません。

(10)(5秒ジングル)

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第5位の発表の前に、もうすぐトップ10圏内だった2頭の重要な種牡馬も簡単にご紹介しておきます。

第11位は、テーオーケインズ。
種付け数は97頭、登録率は64.9%です。

このテーオーケインズに関しては、現役後半から私がずっと種牡馬入りを待ち望んでいた馬の1頭で、一昨年、昨年と2年連続で迷いなく種付けをしていただきました。

彼の何がすごいかというと、大ベテラン、シニスターミニスターの正統後継でありながら、サンデーサイレンスとミスプロのクロスによる弊害が両方ともゼロだから、ほぼどんな繁殖にも付けられて、距離適性からいってもダートの大きなところを狙える。まさに一石四、五鳥?の種牡馬だからです。

血の飽和期を迎えた日本でこんな優秀な種牡馬は今後出てこないでしょうから、1年でも優性期をムダにしたくなくて、2年連続の種付けを敢行したわけです。

種付け料もポテンシャルを考えたらあり得ないくらいリーズナブルですし、もしクラブに安価に入っていたら、何はともあれ一度は産駒の動画を見てほしいと思います。

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第12位は、ジュンライトボルト。
種付け数は94頭、登録率は55.3%です。

テーオーケインズ同様本馬も大変な狙い目の新種牡馬で、私もおととし別のオーナーに種付けをしていただきました。

やはりサンデークロスの弊害がないところが一緒で、こちらはキンカメ系の形を継いでいますので、地方南関等の白砂ダートに対応させたいなら、テーオーケインズよりもこちらがお勧めです。

私の配合では無事産駒が生まれてくれましたが、登録率が少し低いのでそのあたりの評価が今後の課題でしょうか。

ただ今年も早々にホッコータルマエが満口になっていますし、地方競馬の盛り上がりによってキンカメ直系種牡馬がぐんと息を吹き返してきた感がありますので、堅実な需要はあるはず。父のように芝でもダートでも大きなところが狙える面白い1頭です。

(13)(5秒ジングル)

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ではランキング後半に戻りまして、第5位は、タイトルホルダー。
種付け数は159頭、登録率は61.6%です。

個性派の逃げ馬として活躍し凱旋門賞にも挑戦してくれましたが、血統的には貴重なドゥラメンテの後継候補であり、その産駒の傾向が注目されています。

遺伝的にも一瞬はドゥラメンテの形を出す可能性はあるのですが、本馬は間違いなく母のメーヴェ似であることから、本質的な適性としては母父の英国ダービー馬Motivatorの影響が強そうだということは覚えておきたい点です。

よってドゥラメンテのような細マッチョ系ではなく、どっしりとした幅のある馬体をもち、繋ぎにも余裕がある馬を選ぶのが良さそうですね。やや時計のかかる馬場は鬼のように強いはずです。

一方でサンデーをはじめとする生きたクロス候補が多いことから、やや相手を選びそうな種牡馬ではありますが、父の良さを消さない欧州系牝馬との配合がうまく叶えば、再び父の夢を追ってくれる産駒が誕生するかもしれませんね。

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第4位は、シュネルマイスター。
種付け数は164頭、登録率は68.3%です。

10位のグレナディアガーズとは同期で同クラブ出身。ということはサンデーRのこの世代は外国産馬が大当たりだったんですね。本馬のほうがより距離の融通が利く馬で、また間違いなく父Kingmanの後継でもあり、2頭間の適性には大きな違いがありそうです。

もっと強い父似産駒だと優先祖先はフランスのHighest Honorまで達するかもしれませんが、それはごく一部に限られ、大部分は欧州の歴代王道サイヤーの形に影響を受けています。

Kingmanは欧州系としては非常に軽い動きの産駒を出し、世界中の芝コースに対応できるのが強みですから、私としてはサンデー系繁殖の相手には本馬がほぼ最適解。

だからなのか登録率68%が示すとおり健康体が多く、配合によっては10Fもこなせそうというマルチぶり。ノーザンが力を入れるのもわかります。

父Kingmanが形の種牡馬である以上、息子シュネルマイスターもアウトブリード配合×月のサイクルの表なら問題なくスピードに乗るでしょうし、この父が350万円とは…うーん、こうしてみると、穴らしい穴が見当たらないな。

このあと本命の「あの彼」が出てきますが、ある意味こちらのシュネルの方がクラブではお勧めしやすいかも。そのくらいのポテンシャルはありますね。

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第3位は、カフェファラオ。
種付け数は191頭、登録率は69.1%です。

今年ダート適性馬の本命たり得る種牡馬が、このカフェファラオでしょう。
米スーパー三冠馬のアメリカンファラオを父に持ち、昨年まで2年連続の速攻BookFullで、こちらに検討の余地も与えてくれなかったほどの人気ぶりでした。

さすがに本家アメファラがシャトルで来日した今年はまだ満口になっていないようですが、そのリーズナブルさはホント抗いがたい誘惑です。

早熟性と軽いダートに振り切った適性、このわかりやすさが配合のイメージを鮮明にかき立てるのでしょう。ああすればこうなるだろうという計算が立ちやすい。だから産駒も適性の幅は狭いでしょうが、府中や京都でコツコツ稼げるクラブ馬としてはちょうどよい存在でしょうね。

ではそれ以上となると、配合に何を足せばいいのか。

残念ながらカフェは父アメファラの中性期産駒でしかないため、簡単には父アメファラを遺伝できませんし適度なゼロクロスも見込めない。距離もちょっとマイル寄りだし、私は白砂の馬場も本質的にあまり良くない気がしている。

となると、春のダート三冠ロードには不適格濃厚?のカフェ産駒にどこまで夢を見られるか、そこを冷静に見極めたいところですね。

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第2位は、イクイノックス。
種付け数は204頭、登録率は69.1%です。

押しも押されもせぬ今年1歳世代の本命ですが、まずは200頭を超える種付けを無事こなし、登録率が驚異の69%に昇った時点で、正直初年度としての役割は十分果たした、私はそう考えています。

そのくらい無事に数多くの産駒を健康に送り出す作業の難しさといったら他に比べようがなく、私の興味は「イクイノックスでどこまでサンデークロスは許されるのか」「OP勝ち馬の配合から何を読み取らなければならないか」という次の領域に完全に移った感じです。

もちろんこの世代もサンデークロスは排除したい私ですし、数々のサンデークロス持ち馬が古馬になってからの挙動や世代間競走の結果を待って、改めてサンデークロスの現在地みたいな動画もまとめようと思っています。

しかし今はまだ少し早い気がして、冷静にそのあたりを見つめている次第です。

思わぬスロースタートもあるかもしれませんが、2歳の秋以降テシオ理論を通じて私に何を語ってくれるのか、イクイノックス産駒の今後が楽しみです。

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そして堂々の第1位が、パレスマリス。
種付け数は驚異の262頭、登録率も驚きの67.9%です。

この父こそまさにこの世代の豪の強者であり、半年以上種付けを支え続けたダーレー関係者の方々に心から賞賛を送りたいと思います。

これは本当にすごい数字。種付けに一切の無駄打ちがない証。丈夫なんですね〜。
7、8歳の馬ならまだわかるんですが、御年14歳の種付けでしょ? 考えられませんわ。
他の種牡馬の2世代分の産駒がどっと押し寄せるわけでね。

しかもこの世代はちゃんと優性期にあたり、自分の遺伝子を残すこともできる。
下手な鉄砲なんとやらではない、パレスマリスの本気がうかがえるはずなんです。

ただしひとつ注意しておくとすれば、
代表産駒のジャンタルマンタルは母似で、Al Nasr(仏芝)が優先
ノーブルロジャーも母似で、More Than Readyあたりが優先
そしてインユアパレスも母似で、ブライアンズタイムが優先と、

今日本でブレークしているパレスマリス産駒は、全部父じゃなくて母似であることを知っておかなくてはならない。

パレスマリスの本気度はわかるけど、彼の本質的な遺伝因子は決してまだ日本でハマったわけじゃないってこと。

こうして血統を見れば、確かに芝でもダートでもやれそうな適性はクラブ馬としては長所になるんだけど、その多様な適性がピンボケのように映って、彼の一番の武器が何なのか、いまいち焦点が定まらない印象を与えるかもしれない。

穴馬としてなら大変面白い存在だけど、これだけ頭数が多いとその評価もシビアになりがちだから、とにかく多くの中からよ〜く探して選びましょう。

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クラブ向け1歳世代の新種牡馬解説動画2026 いかがだったでしょうか。

今年もこの動画からいよいよ一口クラブ活動が始まります。
せっかく新種牡馬が豊作の年ですから、私たちも挑戦を続けてまた新たな感動を得られたら幸せだなと思います。どうかひるむことなく、このニューフェイスたちにご注目ください。

今回の動画はここまでです。
ご視聴ありがとうございました。

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