【社台系は注意】MAX〜ゼロ活性の父8頭2026 最高だけど不思議な挙動をする父たち 2.2

※これは2月2日YouTube動画の台本原稿です。

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こんにちは、ドルメロチャンネルです。
さて今回は、今年の1歳世代がMAX活性という最高の時期に入った種牡馬を8頭ご紹介いたします。

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最初にMAX活性とは何かについて簡単に説明しておくと、
冒頭で私は、MAX活性とはその種牡馬にとって最高の時期だとお話ししましたが、実はそれは半分正しくて半分は間違った認識です。

以下簡単に説明すると、活性という数字はテシオ理論における「太陽のサイクル」からきた数字です。

サラブレッドは8年を1回とした太陽のサイクルをもち、前半の4年間は弱い活性、後半の4年間が強い活性であるとされます。父から子に対する形の遺伝はこの強い活性期、すなわち優性期にのみ見られるもので、MAX活性はその遺伝力が最大、サイクルで言うと8年目、満8歳のことを差します。

ところがこのMAX活性の年において、ひとつだけ注意すべきことがあります。
それは父のMAX活性の期間はそういつまでも続かないということです。

MAXの中でも一番活性が強い時期…8年目を少し過ぎたあたり…これを下降準備期間と呼びますが、なぜそんな名前が付いているかというと、ズバリMAX活性を過ぎると馬の活性値は突然ゼロまで落ち込んでしまうとされているからです。

これはテシオ理論の中でも七不思議の一つと言っていい動きで、このおかしな挙動のせいで私たちはその産駒が本当に父のMAXなのかどうかをいちいち調べる必要があります。

でないと、父似の産駒を選んだはずでも実際にはバリバリの母似産駒を手にしてしまう危険があるからです。

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これを実際の例でお話ししましょう。

これは軽種馬協会で繋養されているソットサスの場合ですが、彼は外国産馬なので正確な種付け日はわかりません。

よって便宜的に予定日通りの4月24日種付けで生まれた馬だと仮定すると、ソットサスの本当のMAX活性は24年4月24日あたりからスタートし、そこから28日間MAXを保ち、翌5月23日あたりにはMAXが終わり、活性値はゼロまで落ちる…という動きをします。

よって4月までに種付けされた馬は概ねMAX活性を遺伝した父似の馬であり、5月末あたりに種付けされた馬からは母似を疑った方がいいということになります。

ただしこの境界日のあたりについてはどんな挙動を示すか正確にはわかりませんので、触らない方が無難です。あくまで自己責任でお願いいたします。

ソットサスに関しては初年度産駒がクラブにやってくるのは来年ですから、まだこの世代の産駒は日本に数えるほどしかいない外国産馬扱いですよね。気になる方は産駒の誕生日を手がかりに、馬体の特徴(父の形を継いでいるか)なども調べてみると面白いかもしれません。

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今回の動画内ではこの8頭について、いつ頃からの種付けがゼロなのかをお伝えします。

ご覧になってわかるとおり、今年はMAXの頭数上位に社台系の種牡馬がズラッと並んでいます。ちょっと珍しい年かもしれません。それだけクラブ募集馬、セール上場馬への影響が大きいということですから、気になる産駒の種付け日はしっかり確認しておくのがいいでしょう。

今回も産駒の登録数順にご紹介します。
まずは8位のワールドプレミアからスタートです。

(5)(5秒ジングル)

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第8位は、ワールドプレミア。
種付け数は33頭、登録率は54.5%です。

ワールドプレミアのMAX活性は3月1日頃スタート、3月30日頃からはゼロ活性です。

正直登録は18頭どまりでクラブに入るかどうかは微妙ですが、なにせ暮れに2歳のG1勝ち馬を輩出した話題の父ですから、ちょっと解説したいということでランクに入れました。

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これが噂のロブチェンの血統表です。

父のワールドプレミアも優性なのですが、ロブチェンの場合は母父のGiant’s Causewayの方が活性値が上ですから、実はロブチェンは母似の産駒です。とは言っても別にガッカリすることはなく、遺伝上はちゃんと父の形を後世に伝える術も残されています。

このワールドプレミアという種牡馬、実は私も24年の春、配合にお勧めしました。
私が毎年種牡馬を選ぶポイントとしているのは、一に父が遺伝させる形、二にスピードの種(クロス)の有無、三に距離適性といった感じです。

ご存じの通り彼にはワールドエースという全兄がいました。兄は種牡馬としてはあまり成功しませんでしたが、月のサイクル上は兄が表でこの弟は裏でした。兄の方がスピード面では長けていたわけです。しかし私の目にはむしろ弟の方が種牡馬として魅力的に映った。

種牡馬にとって月のサイクルはそう重要ではありません。むしろ弟プレミアがより長い距離を走れた=馬体のどこにも無理な構造がない、サンデー系のよい形とT型遺伝子をきちんと継いでいる事が肝要で、この年はWプレミアでゼロとMAXをてんびんにかける策がベストだと判断しました。

このロブチェンがノーザンF生産馬と聞いて、さすがというよりちょっと怖いと思ったのは私だけでしょうか。この年のワールドプレミアに目を付けG1馬を出してくる底力、うーん、やっぱり恐ろしいです。

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第7位は、ダンシングプリンス。
種付け数は67頭、登録率は62.7%です。

ダンシングプリンスのMAX活性は6月3日頃スタート、7月2日頃からゼロ活性です。

ということは、この年のダンシングプリンス産駒にゼロ活性はほぼいないことになります。

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父似の配合例は、社台F産のサウンドオブフリーダムの25です。
ダンシングプリンスの元々の形は、スターバレリーナ牝系の奥深くNureyevあたりから来ています。

しかし現代ではもう遺伝が届かない深さに退いたので、父似の産駒は大方父自身かMAX祖父のパドトロワに似ると思っていいでしょう。

立ち気味の繋ぎでダッシュ力に優れ、前さばき等にやや硬さは残るものの、Nureyev系の特徴として日本なら芝でもダートでも走る子が出ると思います。

父がサンデーのクロスをすでに2本持っているのでそれを回避しながら、本馬のように弊害のないノーザンダンサーで軽く味付けしてある配合が良さそうです。

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第6位は、ファストフォース。
種付け数は79頭、登録率は69.6%です。

ファストフォースのMAX活性は6月17日頃スタート、7月16日頃からゼロ活性です。

ということで、このファストフォース産駒もこの世代はほぼゼロ活性がいない。
全部父似の産駒だということになります。

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父似の配合例は、三嶋牧場産のアルケミストの25です。

私は正直彼がここまで数を集められる種牡馬だとは思っていませんでした。しかし実際には登録率は高いし、配合上もきちんとキンカメ系の正統な後継候補である。
こういう種牡馬が成績を残してくれたら、きっとキンカメ系の未来も明るくなると思います。

サンデーフリーではあるものの、他のクロスの種が多いのでやや相手を選ぶ種牡馬ではあります。しかし本馬のようにダイワメジャー牝馬との配合だと、スカーレットブーケがノーザンテーストのゼロ活性牝馬なので弊害がありません。

加えて本馬は父側のデインヒルがゼロでDanzigの弊害もないので、ダビスタ風だと「なかなか凝った配合ですね」とでも言うのかな。

父は芝の6Fレコードホルダーでしたが、本来は最後の高松宮記念でみせたような、あの不良馬場をこなせるのがキンカメ系の真骨頂。よって産駒もビックリするほど重をこなし、また白砂のダートも合っていると思います。

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第5位は、クリソベリル。
種付け数は109頭、登録率は56.9%です。

クリソベリルのMAX活性は3月5日頃スタート、4月3日頃からゼロ活性です。

ということは、この世代のクリソベリル産駒に関してはMAXゼロ両方が存在します。3月でMAXが終わっているので思いのほかゼロ活性も多いはずです。

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父似の配合例は、ノーザンF産のミセスワタナベの25です。

クリソベリルもまた良血のかたまり、すなわちクロス要因が多い馬で、社台系の中でもとくに相手を選ぶタイプですね。サンデー系はさておきキンカメ系の牝馬とも配合されるので、Kingmamboやミスプロ、あとはSadler’s Wellsのクロスもよく目にします。

ダートが主戦場なので、クロスで動きが渋くなってもある程度許容されるかもしれませんが、ルヴァンスレーヴ同様、本来持っているはずの遺伝ポテンシャルを活かせなかったらそれはそれでもったいない話。

こちらは種付け料も相当高いですから、デキ不出来に余計ガッカリするケースが多いだろうなとは思います。それでも狙いどころはわかるので、人気オチするならどんどん指名したい種牡馬ではあるんですけどね。

(14)(5秒ジングル)

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さて動画後半の前に、その他の少数産駒がいるマイナーMAX活性種牡馬を少しご紹介しておきます。

この中だとユニコーンライオンは産駒ほとんどがゼロ活性、逆にリアルインパクトはほぼすべてがMAX活性だろうと推測されます。オーヴァルエースとレッドルゼルはケースバイケースで調査が必要ですね。

オーヴァルエースとユニコーンライオンは以前私も配合に推したことがありますが、果たしてこうしたマイナー系が今年のクラブやセールで見つかるかどうか、ちょっと注目しておきたいです。

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ではランキングに戻りまして、第4位はアドマイヤマーズ。
種付け数は125頭、登録率は52%です。

アドマイヤマーズのMAX活性は4月17日頃スタート、5月16日頃からゼロ活性です。

調べた感じでは、主なゼロ活性の産駒はユニオンにいた母アスタラグローリアの25、恐らくこれだけではないかと思います。あとはほぼMAX活性つまりは強い父似の世代になります。

この父は相変わらず登録率の低さが気になりますね。彼はもうこういうキャラだと考えるしかなく、人気は認めても配合のギャンブル的要素は高くなりますね。

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父似の配合例は、ノーザンF産のキャリサガの25です。

アドマイヤマーズ自身は、母系の奥深くシングスピールに影響を受けている欧州系の母似産駒ですが、直系のサンデー系もまた全て優性のため、浅い父似の配合だとダイワメジャー、サンデーといった良質な日本向きの形を遺伝します。

よって本来なら私はこういう欧州系の繁殖とがっぷり四つに組ませた配合が見たくて、結果どこまで欧州系に適性が寄るのかその行方を見たいのですが、意外に産駒がみな軽い動きをしてしまうのは、そういう直系祖先の影響もあるかもしれません。

それと以前、アドマイヤマーズがミオスタチン遺伝子上はT/T型の馬だと聞きビックリしたのですが、こうして何世代か産駒を見た上でもまだちょっと信じがたいんですよね。OP馬はみなすごくスピードに乗りやすいし、距離延びてそんなにいいとも思えないんですが…

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第3位は、ダノンキングリー。
種付け数は122頭、登録率は56.6%です。
ダノンキングリーのMAX活性は4月14日頃スタート、5月13日頃からゼロ活性です。

アドマイヤマーズとほぼ変わらない期間ですが、こちらはゼロ活性産駒もまあまあいます。
そしてやっぱり登録率が低めで、スタッドイン当初は数もあまり多く付けていませんでしたが、最近は頭数がグンと増加したからようやく元気になったのかな?

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父似の配合例は、三嶋牧場産のフォンタネリーチェの25です。

兄のダノンレジェンドもそうなんですが、父ダノンキングリーの取り柄は何と言ってもこのマイグッドネスの父Storm Catの形が出ること、これに尽きます。

だから変に浅い父似でディープ側が出て馬体の線が細いと嘆くよりも、Dキングリー&Dレジェンドの高活性期を待って、世界に通用するStorm Catの形で勝負したい。これが配合の王道だと思います。

兄と弟の年齢がもう少しズレていると、毎年代わる代わるStorm Catが狙えて便利なんですが、ディープインパクトのために多数持ち込まれたStorm Cat牝馬の恩恵が、将来まさかこんなところに出るとは、当時誰も考えなかったでしょうね。

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第2位は、オルフェーヴル。
種付け数は122頭、登録率は58.2%です。
オルフェーヴルのMAX活性は5月27日頃スタート、6月25日頃からゼロ活性です。

ということで、このオルフェーヴル産駒もこの世代はほぼゼロ活性がいない。
すべて父似の産駒だということになります。

それにしても息の長い種牡馬です。競争の激しい社台スタリオンでこうして2回目のMAX活性期を、健康体で、堂々と迎えたことにまずは賞賛を送りたいところです。

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父似の配合例は、白老F産のサンタエヴィータの25です。

こうしてよくよく血統を見ると、オルフェはサンデー系の中でもひときわ異彩を放つ子孫です。

父に名うての気むずかし屋ステイゴールド、母父にTourbillon系のメジロマックイーンを配しながら、優先祖先にはかつての社台を支えた英雄ノーザンテーストを選んだという奇妙きてれつな配合。

フランス適性こそこのあたりに由来したのかもしれませんが、このうち何が欠けてもあの暴君にはなり得なかっただろうという危ういバランス関係です。

よって父似の配合に安定性など微塵もないのは明らかで、間違いなく一発性の高い種牡馬。
しかし時に産駒がその天井をあまりにも見事に突き破って世界に羽ばたいていくので、ひとたび当たりを所有するともう脳が焼かれてしまう。

クラブ関係ではありませんが、この世代では例のリョーケンFさんが何頭もオルフェを配合しており、その中毒性の高さを証明しています。

キャリア晩年ということも加味して父は全くクラブ向きではありませんが、まだ何か隠しているものがありそうで思わず産駒紹介を見てしまう。現在もなお得体の知れない父ではあります。

(22)
そして第1位は、サートゥルナーリア。
種付け数は157頭、登録率は69.4%です。
サートゥルナーリアのMAX活性は4月10日頃スタート、5月9日頃からゼロ活性です。

遅めのゼロ活性期ではありますが、有名どころにもまあまあゼロ活性産駒がいます。
大魔神牝系のヴィブロスをはじめ、アヴェンチュラ、タッチングスピーチ、グルヴェイグなど、クラブに出れば人気の母が軒並みゼロですから、そこは決断力が必要になりそうです。

(23)
父似の配合例は、ノーザンF産のグランアレグリアの25です。

息子サートゥルナーリアをはじめとするシーザリオ一族はサンデークロスの心配がありませんので、社台における配合相手としては一番安心して見ていられる部類の種牡馬です。

ただ父似産駒の形の行く先はきょうだい間で対照的で、兄エピファネイアや外様のリオンディーズ産駒は基本Sadler’s Wellsの方へ向かうのに対して、弟サートゥルナーリアだけが唯一直系のロードカナロア、キンカメ系へと遡ります。これが兄弟間に決定的な適性の差を感じる理由であり、中でも適性距離が一番の違いでしょうか。

まあ切れ味が武器ではない、小回りを意外とこなす、などの点ではきょうだいとも共通しており、さすが非サンデーの内国産馬だなと思いますが、では例えばこのグランアレグリア産駒はどんな子なのかと問われれば…そこは父似産駒ですから…母の現役時とは似ても似つかぬ重厚な適性に出そうで、そのあたりをどこまで許容できるかが出資の判断基準になるでしょう。

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MAX活性とゼロ活性の父8頭解説動画、いかがだったでしょうか。

ゼロという概念をこの動画で初めて聞いた、という会員さんは多数いると思いますが、
いっぽう産駒に父の面影があるのかないのか、そこが出資の決め手だという会員さんは少ないのかもしれません。

でもやっぱり父に全然似てない母似の子なら、この父の種でなくても良かったじゃないか、そう考えたくなる気持ちもわかります。

今年は特に社台系の生産馬にゼロ該当馬が多いので、ぜひこの動画を参考にしていただき、納得した上でいい馬を選んでください。

今回の動画はここまでです。
ご視聴ありがとうございました。

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