ロードHC1歳馬特集の最終回は、中堅どころの種牡馬産駒のご紹介です。
こういう馬たちから当たりを引ければ、お仲間内でもちょっと鼻が高いところです。
その分ハズレたときは、見事なまでのハズレっぷりに終わるのですが…。
リストの見方
まだこれから鍛練を積む1歳馬なので、1頭1頭詳細な血統背景ではなく、最初に全馬スピードサイクル判定による分類を行います。
・スピードサイクルOK →馬体も良ければ推奨
・スピードサイクルぎりOK
・スピードサイクルぎりBAD
・スピードサイクルBAD
・判定不能
の5つに分けます。
OKとBADはそのまま(走る走らない)の意味ですが、ぎりOKとぎりBADは
→その馬の誕生日が母のスピードサイクル境界日ギリギリに位置するので、OKがBADだった、あるいはBADがOKだったという可能性あり
の意味です。
よってどちらかといえば「ぎりOK」の方がコケて失敗する(ショックでかい)可能性が高く、逆に「ぎりBAD」が実はOKで思わぬ幸運をつかめることもあるでしょう。
馬体が良い、牧場評価高いなどの推し材料があれば、積極的に「ぎりBAD」までは狙っていけるかもしれません。
ぎりBADについては、こちらでも「狙えるぎりBADかそうでないか」を積極的にコメントしていきます。
またスピードサイクルOK判定の馬に限って、その馬の適性がわかる優先祖先と基礎体力値をご紹介します。
ロードHC1歳馬 東西中堅種牡馬産駒 判定結果
【スピードサイクルOK判定の馬】
25 レディサファイアの17(牡・黒鹿毛)
父 ダノンバラード
【優先祖先】 Seattle Slew(1974)
【基礎体力】 47(平均は50)
【適 性】 ダートの中距離
高柳瑞樹厩舎 予定
本馬は父ダノンバラードのゼロ活性馬という珍しい牡馬で、これが牝馬なら繁殖であのG1馬と同じ面白い配合を試すことができたはずです。
本馬の誕生日 17年4月24日
ダノンバラードの誕生日 08年2月19日
ということで、種付け時の父は9歳と3か月以上経過していますので、父からは全く遺伝情報を継いでいないゼロ活性の成立です。
母はクラブの看板馬であるロードカナロアと年仔(姉)にあたるきょうだいですが、サイクルは継承していると見られます(真偽のほどは後述。なおカナロアは判定上ぎりBAD4日判定ということに)。
本馬はカナロアの甥っ子なんですね。
優先祖先はその母のどこをさかのぼるかといえば、母父シンボリクリスエスの母父(ややこしい)Gold Meridian(1982)がMAX活性なので、種付けした父親が劣性期であるときはすべてこのラインが優先になります。
また本馬に限ってはSeattle Slew以上に先祖を追う作業が必要ですが、7代以上前は遺伝的影響がないことと、どこまでいっても素性はさほど変わらない(ダート馬オンリー)ということで、わかりやすく5代前のSeattle Slewということにしておきます。
本馬は黒鹿毛なのですが、なにしろ5代前Seattle Slewに至るまで(なんならその父Bold Reasoningや大祖先・Bold Rulerも)一度も黒鹿毛が外れたことのない「黒一族」ですから、本馬の毛色も自ずと黒鹿毛になるしかなかったのでしょう。
優先祖先が正しいことを後押しする証拠のひとつですね。
きょうだいが全くと言っていいほど走っていませんが、1頭はBAD判定、1頭はぎりOK判定、唯一現役のOK判定馬ロードコランダム(牡4・父ハーツクライ)は新馬こそ2着スタートも、今は地方競馬所属。
兄コランダムは判定でいう「ぐ×」(偶数歳にサイクルから外れる)馬で、本馬は逆の「き○」(奇数歳にサイクル内に入る)馬なので、このどちらも走らなければ、今後は母の判定自体を再考しなければなりません。
そうやって1、2年かけて正しい情報を蓄積していくしかないのが、繁殖サイクルというものです。
なおもし本馬が牝馬なら面白い配合があると言ったのは、先日ルヴァンスレーヴの紹介記事でも書いたとおり、同様の「Turn‐to系の3代同族配合」が可能だということです。
【スピードサイクルぎりOK判定の馬】
21 クインズラッシュの17(牡・父キンシャサノキセキ・8日)
22 パルテノンの17(牡・父キンシャサノキセキ・母1日)
22番のパルテノンの17は、自身はOKも母がぎりBAD判定1日ということです。
競走成績からはちょっと推しにくい母ですが、さて…。
【スピードサイクルぎりBAD判定の馬】
23 ティアーモの17(牡・父エイシンフラッシュ・2日)
27 アンビータブルの17(牝・父ヴィクトワールピサ・母1日)
32 ショウナンアオバの17(牡・父ヴァンセンヌ・母2日)
ここも母がぎりBAD判定にかかっている馬が2頭います。
27番母アンビータブルはロードHC所属で2勝しており、ものは悪くないと思いますが、せっかくの初仔&OK判定である兄のロードヴォラーレ(父オルフェーヴル)がセン馬→地方転出(大井)になっており、気性に難しいところはあるようで。
32番母ショウナンアオバは自身未勝利ですが、3番仔のトンボイ(牝3・父アドマイヤマックス)が中央でポンポンと2つ勝っており、正直こちらの方が狙い目はあるのかも。
Nasty and Bold(ナスルーラ直系・1975)やGilded Time(ダマスカス系・1990)など代々風変わりな血脈が配され、サンデー系は何を持ってきてもアウトブリードになりそうなのが強み。
といっても毎年のお相手がAマックスやトーセンホマレボシ(16年産駒)、ヴァンセンヌでは渋すぎるけど。
惜しいかなファミリー全体がちょっと虚弱体質気味で、姉のトンボイは母の優性期生まれ&空胎後産駒なので十分カバーできています(数値は50)が、本馬は31と不安だらけ。
いい母馬なんですけどねぇ。
【スピードサイクルBAD判定の馬】
24 ジツリキオーシャンの17
26 アウトシャインの17
28 タッチアスの17
30 マイウィルの17
31 アムネリスの17
【どうしても判定不能な馬】
29 スウィープデビルの17(かぎりなくBAD)
以上でロードHCさんの1歳馬速報は終了です。
やっぱりカナロア産駒には力が入っていますし、実際いい仔も多かった気がします。
参考になれば幸いです。
次回は菊花賞2018特集をお送りします。
どうぞお楽しみに。