牝馬重賞3連勝のミスパンテールとカワキタエンカの共通する祖先
体力的には指数53と、特段優れているわけでもないミスパンテール(牝4・父ダイワメジャー・昆貢厩舎)が、ご存じのように冬の牝馬重賞を3連勝し、春のマイル女王戴冠に王手をかけている。
本当ならそろそろ疲れの蓄積が心配される頃ではあるが、2か月に1回のローテがしっかり守られていたので、ここで突然のガス欠という心配はなかろう。
反面、ガソリンより心配なのが、今度は中1か月となるローテ間隔そのもの。
牝馬は2か月のサイクルでいい時期と走れない時期を繰り返すといわれる。
4月好走後の5月本番、しかも繁殖期まっただ中。
牝馬にはいろいろとアクシデントが起きて不思議ない。
そんなミスパンテールの優先祖先は、幻のダービー馬、持ち込みのマルゼンスキー(1974)。
何を隠そう、ここで人気必至のカワキタエンカ(牝4・父ディープ・浜田厩舎)と同じなのである。
今回はこのダート馬を、ぜひおぼえておきましょう
▼福島牝馬S2018 基礎体力表
サルサディオーネ 84
カワキタエンカ 81
ロッカフラベイビー 78
シャララ 72
ワンブレスアウェイ 69
トーセンビクトリー 56
ノットフォーマル 56
レイホーロマンス 53
ゲッカコウ 50〜(平均)
ブラックオニキス 44
デルマサリーチャン 34〜
ベアインマインド 34〜
デンコウアンジュ 31
キンショーユキヒメ 28
エンジェルフェイス 25
中山牝馬Sでいい思いをしたカワキタエンカは、今度は受けて立つ立場に。
各馬早め早め進出の福島コースでは、あんなにスイスイと逃げることはできないかもしれないが、幸い体力だけはモリモリ余っており、今回もゴール前まで粘ってくれる予感がする。
さて基礎体力では今回もそのカワキタエンカ1強かと思いきや、ビックリさせてくれたのが、サルサディオーネ(牝4・父ゴールドアリュール・羽月厩舎)。
優先祖先は父ゴールドアリュールなのだが、父は3代前のジャッジアンジェルーチより活性が小さいいわば「仮の優先祖先(本来は劣性)」で、こういうときは代わりに母系が遺伝する。
よってディオーネは、東京プリンセス賞などを勝った母サルサクイーン(父リンドシェーバー・地方川崎)の形質を受け継いでいる。
残念ながら、彼女が芝をこなす素地はあまりなく、次に地方の牝馬限定ダート戦などに出てきたら、そりゃもう大きく狙いたい。
2番手以下はちょっとくせ者揃い
指数で実質その次2番手に位置するロッカフラベイビー(牝6・父キンカメ・鹿戸厩舎)もすでに熟女。
優先祖先は母父ジャングルポケットで、もちろんトニービンの影響が強い。
成績を見てもそのへんは理解できるが、もうひとつ彼女は典型的な「夏オンナ」であり、調子さえよければ札幌の洋芝あたりも全く苦にしないが、いかんせん今はまだ春。
若い頃からいい馬だと言われていたが、OPに上がってちょっと苦労しているので、ここらあたりが踏ん張りどころ。
福島の千八は忙しい気もしておさえまで。
その下が、かつて菜七子ちゃんも騎乗して話題になったシャララ(牝5・父メイショウサムソン・上原厩舎)。
近走堅実とはいえ、いかんせんまだ1千万下も勝ってない格下。
今回はちょっとご遠慮願おう。
すると次にまたまた現れるのが、ワンブレスアウェイ(牝5・父ステイゴールド・古賀厩舎)。
どうしたかなぁ、こんな馬ではない気もするが、紹介しなくなって走られるのが一番悔しいので、どうせ人気ないからまた買います。
福島、千八、牝馬限定、ここで変わらないと、あともうどこで買ったらいいのか…。
最後、どこがどうなっても確実に追い込んでくれるレイホーロマンス(牝5・父ハービンジャー・橋田厩舎)をおさえに。
マル地だけど優先祖先は父ハービンジャー、でも母父のサンデーの方が実際は活性が強いから、母スズカローランの形質を受け継いでいる。
母は名鉄杯など中央4勝した芝馬で、娘とは脚質がちがう(逃げ先行)が、極端な競馬しかできなかった点はそっくり。
母も30戦以上戦った女丈夫。娘のピークはまだこの先と見る。