人気の4歳勢より6歳以降のベテランに妙味あり
7歳、8歳といった高齢馬でも適性があれば十分勝負になるハンデ戦。
過去の成績をひもとくと、最近G2やG1では成績が冴えないけれど、ここまでメンバーレベルが落ちればハンデ58キロでも走っちゃう、そんな「昔の名前で出ています」馬がチラホラ馬券に絡んでいる。
今年ならステファノスあたりがクサいが、さてどうなのか…。
軽ハンデ・左回りと確かに条件そろった感はあるが…
▼新潟大賞典2018 基礎体力表
カレンラストショー 84
ロッカフラベイビー 78
★トーセンマタコイヤ 75
★スズカデヴィアス 72
★ステファノス 66
ケントオー 59
レーヴミストラル 56〜
ナイトオブナイツ 56
ノットフォーマル 56
ステイインシアトル 53
ナスノセイカン 50
ハクサンルドルフ 50
アウトライアーズ 47〜
ハッピーユニバンス 47
トリオンフ 44
★ラインルーフ 44
マイスタイル 34
シャイニープリンス 22
※★印は母系から1回以上満点の体力を受け継いでいる馬
指数トップは、2月にOP入りしたばかりの6歳馬、カレンラストショー(父タニノギムレット・橋口厩舎)。
1年ちょっと前はまだ500万下を走っており、こういう馬は体力はあるけれどスピードに恵まれず条件戦で消えていくケースが多い。
しかしここ半年くらい彼の充実ぶりはすごく、近走はのちの重賞勝ち馬にも肉薄、案外やれていい感じになってきた。
確かにちょっと種付け時期は遅く(5月上旬)、母の良い発情期の中でも後半部に位置する(3月26日から5月26日まで)ので、本当にいいスピードを受け継いだかは疑問がある。
よって新潟特有の時計勝負までこなせるか、上位浮上のカギはそこら辺にありそうだ。
優先祖先は父タニノギムレットで、その母タニノクリスタル(1988)の影響を受けている。
タニノクリスタルはアネモネS(当時京都千四)を勝った活躍馬で、3歳秋にはサファイヤS(当時中京二千)でも3着するなど、距離に融通が利くタイプだった。
前走の中山金杯がまったくの不得意科目だった、トーセンマタコイヤ(父ディープ・加藤征弘厩舎)が指数2番手。
この馬はさらに年を重ねてもう7歳に。
ただしカレンLがキャリア28戦を消化している一方で、マタコイヤはいまだ16戦あまり。
途中長い休みを何度も挟みながらようやくホンモノになった馬で、伸びしろはむしろこっちの方がありそう。
母ミュージカルウェイは2月23日から4月23日までが良い発情期の牝馬で、ひとつ下の全妹であるG1馬・ミッキークイーンはこの間の、しかも初期(3月8日頃)に種付けされている。
しかしその1年前の牝馬の発情パターンは逆になるので、兄マタコイヤ(2月28日頃種付け)はあまりいいスピードを継いでいない可能性が高い。
また兄マタコイヤの優先祖先がMAX活性のディープからその父サンデー(青鹿毛)となるのに対して、1年下の妹ミッキーのディープは最低活性のため、母父Gold Awayを経てBlue Prince(1966・英国・鹿毛)という芝12ハロン以上で活躍したステイヤーの影響を受けている。
マタコイヤはサンデーが優性なので、二千よりは千八くらいで勝負したいクチだが、カレンよりはその分時計の速いレースにも適応可能だろう。
大穴ではありませんが実力馬の復活に賭けるなら
指数では56〜という扱いになるレーヴミストラル(父キンカメ・高野友和厩舎)も、まだまだ見限れない1頭。
2016年の日経新春杯ではのちのG1馬シュヴァルグランを破るなど、ハンデ戦のG3なら断然の実績を誇る。
母レーヴドスカーの産駒はG2やトライアルで強い勝ち方をするも、本番のG1ではちょっとコケたとか骨折で不出走とか、残念な結果に終わる仔が多い。
それはやはり持っているG1級のスピードに対して、体力値が並み以下しかない弊害だろうし、本馬Rミストラルにも同じことがいえる。
母の発情は4月8日から6月8日までが良い時期で、兄妹で唯一G1を獲ったRディソールや、青葉賞勝ちのアプレザンRはしっかりこの時期に種付けされている。
Rミストラルもギリギリ合格(最終盤)といえるが、スピード面で兄や姉のレベルにはないかもしれない。
ミストラルの優先祖先は4代前のGreen Dancer(1972)で、そこからさらに3代さかのぼったVali(1954)というフランス産牝馬の影響を受けている。
Valiの父Sunny Boy(1944)は、ケルゴイレイ賞(三千)など究極のマラソンレースにも勝ったザ・ステイヤーで、これがRミストラルの適性距離の源となっている。