▼日経賞2019 菊花賞2着も長距離にバッチリ適性があるわけではないエタリオウ

春の天皇賞をなんとかせねば「古馬の春」浮上の目はない

昨今、春競馬の一番美味しいところをドバイ、豪州、香港に根こそぎかっさらわれた感がある日本の競馬シーン。

それもこれも、春の天皇賞で古馬の距離適性というものが一度分断されるせいかもしれない(二千→三二→二二)。

三千二百という距離自体は豪州にも欧州にもカテゴリーがあり、とくに豪のメルボルンカップは国自体がお祭り騒ぎになるほどの盛り上がりだから、成功の可否は一にも二にもマーケティングとプロモーション次第なんだと思う。

天皇陛下からお名をお借りする以上、今のままでは農水省もマズいと思うのだが、これに手を付けるほど優秀で思慮深いリーダー(理事長含め)がいるとも思われず…まだまだ前途多難である。

強い4歳世代の菊花賞2着馬エタリオウ(牡4・父ステイゴールド・友道康夫厩舎)がクラシックを戦い終え、いよいよ念願のタイトル獲りに向けて始動する。

西の阪神大賞典が距離不適?のはずのシャケトラ(牡6・父マンハッタンカフェ・角居厩舎)の独壇場で終わった以上、今年は東の日経賞組こそ天皇賞春の本線となる気がするが、はたして…。

エタリオウの真の距離適性は?

▼エタリオウ(牡4・2015.2.13生・青鹿毛)

父 ステイゴールド 活性値4(中性)

母父 Cactus Ridge 活性値4
3代父 Broad Brush 活性値8(MAX)
4代父 Private Account 活性値3

母のホットチャチャ(2006)は米のQEⅡチャレンジC(G1)など重賞を4勝した芝ダート兼用の活躍馬だが、その血統背景は驚くほど質素で主張がない。

父のコックスリッジはその父ヘネシーのミニマム期産駒だし、Broad BrushPrivate Accountも「血統中に1本あれば褒められる」傍系の弱小父系。

しかもMAX活性のはずのBroad Brushはその父Ack Ackのゼロ活性馬ときているから、それ以上主張のしようもない。(Broad Brushがブルードメアでしか生きられない理由のひとつかも)

かといってエタリオウの父ステイゴールドの活性だっていいとこ中性期直前どまり。

それはエタリオウにサンデー系の特徴である流星や四肢の白がないことでもわかるとおりで、彼はステゴではなく、母似の産駒なのである。

したがって優先祖先はBroad Brushの母・Hay Patcher(1973)あたりになるが、この母系は競走でとにかく走るタイプだから、もしエタリオウが牝馬に産まれたら、もっと違う競走生活を歩んでいたかもしれない。

さてようやく本論に入るが、現代の長距離路線においてもし頭まで狙うならば、優先祖先は少なくとも距離10ハロンに不安のない背景でいてほしい。

エタリオウの場合、ダート適性はともかく、Hay Patcherやその母系の距離適性が9ハロンまであるようなので、本来ならさほど距離を憂慮することはない。

が、最後の最後栄光の菊花賞ゴールに届かなかったのは、ステイヤーたちと比較したときにあと1ハロンの適性不足に遠因があったのかもしれない。(このままじゃ最強の1勝馬になってしまう…)

クラシックを駆け抜けた基礎体力はたいへん優秀

3歳時からエタリオウの配合が高レベルだとわかっていた自分も、事あるごとに応援していたのだが、なにせ春後半は体をギリギリに見せながらの好走が続き、強くは推せなかった。

それでも大崩れしなかったのは、なにより彼の基礎体力が優秀である証明になったはずで、馬体は菊花賞時の470キロ台が本来の姿。
休み明けの今週はもう10キロ増えていてもいいくらいだ。

母 ホットチャチャ ★2.0
2代母 Reduced Sentence 1.25
3代母 Long Term 0.75
4代母 Infinite 1.75

2.0+1.25+0.75+1.75=5.75 → ★72

エタリオウは母ホットチャチャのMAX活性産駒で、体力だけならG1を3連戦しても大丈夫なほど。(3連勝は無理としても)ゆうにキタサンブラック級と言ったらおわかりいただけるだろうか。

ちなみにエタリオウのファミリーの繁殖サイクルは、

5代母 Clear Ceiling 68.4.13生 3.27〜5.27
4代母 Infinite 80.4.29生 ぐ(○) 4.13〜6.13
3代母 Long Term 88.3.23生 ぐ○ 3.6〜5.6
2代母 Reduced Sentence 00.2.2生 ぐ(○) 1.16〜3.16
母 ホットチャチャ 06.5.20生 ぐ○ 5.3〜7.3
兄 ブブールチャチャ 14.2.6生 ぐ×
  エタリオウ 15.2.13生 き× →OK
妹 ペレ 16.3.4生 ぐ×

4代母と2代母もそれぞれぎりBAD2日、ぎりBAD4日程度のズレなので「ぐ○き×」が正しいサイクルだろう。

全兄ブブールチャチャがサンデーRの募集馬ながらサッパリだったのにもかかわらず、誕生日がすぐ近くの年子の弟なら「イケるかも」と思えるのがテシオ理論のスゴいところだ。

【 結論 】エタリオウは真のステイヤーではないが、優秀な体力とMAX活性の後押しで、中距離〜クラシック路線で戴冠の可能性あり

エタリオウ念願の2勝目は、案外宝塚記念やJCといったビッグタイトルになるかもしれない。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です