さああの大本命に肉薄できる挑戦者を決めようじゃないか
大本命はまずぶっつけで一冠を獲り「思惑通りダービーで完璧に仕上げる」とのたまっているのだから、それに対抗するにはハンパな配合内容の馬では太刀打ちできまい。
昨年もぶっつけダノンプレミアムはいたものの、ダービー直前時点における配合の面でいえば、勝ち馬ワグネリアンの一強(★★72)だったと断言できる。
そして今年、同様に桜花賞でいい思いをした(★★馬同士の決着)から言うのではないが、馬同士の競走である競馬全般には「馬の繁殖本能」を用いていることをいつも忘れてはならない。
青葉賞2019 基礎体力一覧
アドマイヤスコール 56
アルママ 63
ウーリリ 65
カウディーリョ 77
キタサンバルカン 44
サトノラディウス 38
タイセイモナーク 75
ディバインフォース ★59
トーセンカンビーナ 59
バラックパリンカ 47
ピンシェル 53
ピースワンパラディ 63
ランフォザローゼス ★72
リオンリオン 56
(有力馬のみ)
さすがにこれから12ハロンという長丁場戦を試される馬たちだけあって、基礎体力に不安がある馬は少ないが、そんな粒ぞろいの中でもひと際数値が目立つのがランフォザローゼス(牡3・父キングカメハメハ・藤沢厩舎)。
血統的にもピンと筋の通ったお坊ちゃまクンで、厩舎&ジョッキーブランドからもある程度は人気になるのだろうが、期待が持てる1頭だ。
ランフォザローゼスの繁殖サイクル
パロクサイド 1959
シャダイフェザー 73.2.20 2.6〜4.6〜6.6
ダイナカール 80.5.10 き○ 4.24〜6.24
エアグルーヴ 93.4.6 き○ 3.20〜5.20
ラストグルーヴ 10.1.23 き(○) 1.6〜3.6
リシュブール 15.2.25 き× →BAD
☆ランフォザローゼス 16.2.14 ぐ× →ぎりOK8日
ラストグルーヴの17 17.2.16 き× →ぎりBAD10日
ラストグルーヴの18 18.2.13 ぐ× →ぎりOK7日
牝系はあのダイナカール系で祖母がエアグルーヴという、説明不要の一大ファミリーである。
母ラストグルーヴは牝馬ながらにセレクトセール3億円馬であったが、このランフォザローゼスが走るまでは「もしかしたら母ラストグルーヴはちょっと怪しい(BAD判定かな?)」と思っていた。
しかしランフォが走ったことで母の判定は見事に好転し、また自身もキンカメの数少ない現役後継として大いに期待される存在となりそうだ。
ちなみにきょうだい関係では、初仔の全兄リシュブールはちょっと残念だったが、全弟の17年度産馬とモーリス産駒の18年度産はどちらも期待を込めて待てる(実物次第ではまた走る)馬だと思う。
全・三きょうだい含めての優先祖先は
父 キングカメハメハ 活性値5〜7+α
母父 ディープインパクト 活性値7
3代父 トニービン 活性値1
4代父 ノーザンテースト ゼロ活性
5代父 ガーサント 活性値7
まず長兄のリシュブールはキンカメ活性値5なので、優先が祖母エアグルーヴになる。
そしてランフォザローゼスがキンカメ活性値6なので、優先が母ラストグルーヴになり、全弟17年度産駒が活性値7+αなので父キンカメ優先となる。
ランフォザローゼスの優先である母ラストグルーヴは、新馬戦で芝の千八を一戦したのみで、本当の適性についてはよくわからないというのが正直なところだ。
馬の形もディープインパクトでもエアグルーヴでもないような、全身に白いものが全く見られない出で立ちだし、活性値で見る優先探しも父ディープインパクトと4代前ガーサントの活性値が非常に拮抗しており、これは結論を急ぐことができない。
強いて言えば、ラストグルーヴ自体があまり馬体の大きな馬でなかったこと、芝の千八といえばディープインパクト優先のドンピシャ条件であること、母系はより大きな流星が出る傾向にあることなどから、父ディープインパクトの影響が強いのではないかと思う。
ランフォザローゼスの基礎体力
シャダイフェザー 1.5
ダイナカール 1.0
エアグルーヴ ★2.0
ラストグルーヴ 1.25
1.25+2.0+1.0+1.5=5.75 → ★72
ラストグルーヴがエアグルーヴのMAX活性継承馬であると知っていれば、生産者にとっては繁殖牝馬の導入に3億円を投資する価値を見いだせるが、競走馬として期待したはずの山本オーナーのお気持ちはどんなものだったろうか。
★72はたいへん優秀な数値だが、1回目のMAX活性継承馬であるサムライハート(父サンデーサイレンス)のように、度重なる骨折から仕上がることがなかった前例もあるので、数字ほど若いうちは無理使いができない系統なのかもしれない。
ランフォザローゼスの残存クロス
いちおうNorthern Dancerのクロスが見られるが、母系のノーザンテーストがゼロ活性なので、自分の中では残存クロスはないと見ている。
父キンカメ内のNorthern Dancerが気になる方は、各自で調べられるといいだろう。
菊花賞まで楽しみな超・長距離砲を忘れるな
さてもう1頭の★馬、ディバインフォース(父ワークフォース・寺島厩舎)についても一言。
父であるワークフォースMAX活性産駒で、優先はワークフォースの祖母・Eva Luna(1992・14ハロン以上で勝利)になる。
ワークフォースは5代遡らないと優性の父馬が出てこない「女系種牡馬」で、遠いルーツはヴイミー(1952・日本でも繋養)までさかのぼるので、コテコテの欧州スタミナ系と見てよい。
だから未勝利戦含めそれまでの千八や二千では全然距離が足らなかったわけで、もし秋に菊花賞に出てこられたら、大いに気になる存在だ。
そうそう、母ディアデラノビア〜祖母ポトリザリス似のキャロットC馬、カウディーリョ(父キンカメ・堀厩舎)にもがんばってもらおう。
山吹賞勝利後の検討でも話したとおり真の適性はクラシックにあるから、あとは力が足りるかどうかだけ、だ。