▼POG赤本2019はこう読め!(6) 注目内国産馬1260頭をテシオ理論で徹底解説 〜社台Gの隠し球プラスおまけ編〜

第6回 社台系牧場で穴といわれるマイナー血統に注目

社台Gの記事はどこを切ってもディープ、キンカメ、ハーツ、カナロアがいいね!になってしまうので、正直POG本の7割はどれも内容がいっしょだと思うのだが、そんな中にマイナー血統の産駒をわざわざねじ込んでくるということは、それだけ光るものがあるということ。

ということで今回は赤本の牧場スタッフインタビューから、以下にマイナー血統の個人所有馬を2頭チョイスし、評価してみた。

ヴィリエルバクルの17キンシャサノキセキ) →母ぎりBAD5日 47
ターシャズスターの17ゴールドアリュール) →ぎりOK8日 50

ここに前回お話しした栗山求氏セレクトのガラアフェアーの17もいっしょにつけておく。

この3頭は渋いけどそれぞれに強みあり

▼ヴィリエルバクルの17

Vieille Maison 1936
 Vieille Demeure 56.4.17 3.31〜5.31
  Valmarena 69.4.20 き○ 4.4〜6.4
   Minifer 75.2.22 ぐ× 2.8〜4.8
    Mini Luthe 82.5.10 き○ 4.24〜6.24
     Miss Tahiti 93.5.2 き○ 4.16〜6.16
      Miss Hawai 00.3.1 き(○) 2.15〜4.15
       ヴィリエルバクル 11.5.10 き(○) 4.24〜6.24
        ヴィリエルバクルの17 17.1.23 ぐ×

父 キンシャサノキセキ 活性値5-α

母父 Sea The Stars 活性値4
3代父 パントレセレブル 活性値5
4代父 Tirol 活性値5+α
5代父 Luthier ゼロ活性

【優先】 母ヴィリエルバクル → 芝マイル

【基礎体力】 1.25+0.5+1.5+0.5=3.75 → 47

【クロス】
▼Northern Dancer

父系 1.75×2=3.5
母系 1.75×2×1.25=4.375

赤本では須田氏、本誌が高評価。
実馬写真はやや頭が高い(首の角度が急)ものの、寸が詰まった胴の感じ、もりもりっとしたトモなど、なるほどマイラーっぽいたたずまい。

繁殖サイクルは非常にきれいだし、基礎体力もごく平均だが、なにしろNorthern Dancerがめちゃ濃すぎて、一度気分を損ねちゃうと競馬にならない可能性もありそう。安田隆厩舎の手腕頼み。

▼ターシャズスターの17

Ondine(亜)1954 
 Owe Everything 65.2.20 2.6〜4.6
  Raise a Penny 73.2.6 ぐ(×) 1.20〜3.20
   A Penny Is a Penny 85.2.16 ぐ(×) 2.2〜4.2
    Ms. Cuvee Napa 92.2.6 き○ 1.20〜3.20
     ターシャズスター 06.3.26 ぐ× 3.9〜5.9
      エスメラルディーナ 11.3.4 き○
      ターシャズスターの17 17.4.1 き○ →ぎりOK8日

ゴールドアリュール 活性値1

母父 Spanish Steps 活性値4
3代父 Relaunch 活性値7
4代父 Temperence Hill 活性値7+α

【優先祖先】 Stop the Music(1970) → 中距離ダート

【基礎体力】 1.25+1.25+1.5+0.75=4.75 → 59

【クロス】5代までクロスなし
また4系統配合はTurn‐to系(2本)、マンノウォー系、ミスプロ系で、血のコンプレックスは少なめ。

残念ながら写真はないが、歩様が柔らかく、ワンチャン芝でもイケそうというのがスタッフ談。

これは優先候補のRelaunchにしろ、Stop the Music(の母系)にしろ、芝もイケる系統なのが形に出ているのかも。
しかしダート馬でしょうね。中央稍重のスピードダートが稼ぎどころ?

そしてなにより頭脳面に心配がないのが最大のセールスポイント。

繁殖としても面白いし、これがセレクトセールで税込み1400万円とは!
それ以上に稼いでなおかつ将来もいい仔を出す可能性大。
西園厩舎は早使いもうまいゾ。

▼ガラアフェアーの17

Short Rations 1975
 Much Too Risky 82.2.8 1.22〜3.22
  ホワイトウォーターアフェア 93.5.3 き(×) 4.17〜6.17
   アサクサデンエン 99.3.22 ぐ○ 
   スウィフトカレント 01.4.9 ぐ○
   ヴィクトワールピサ 07.3.31 ぐ○
  リッチアフェアー 00.4.11 ぐ(○) 3.25〜5.25
   ガラアフェアー 09.2.23 き× 2.9〜4.9
    ガラアフェアーの17 17.2.1 ぐ○ →OK

父 クロフネ 活性値2

母父 ダイワメジャー 活性値7
3代父 Machiavellian 活性値4
4代父 Bustino 活性値2

【優先祖先】 Lady Angela → 芝・ダ マイル

【基礎体力】 1.75+2.0+0.25+1.5=5.5 → 69

【クロス】
▼Northern Dancer

父系 1.25×0.75×1.0×1.25×0.5=0.586…
母系 0.25×2=0.5

4系統配合は、バステッド系ミスプロ系サンデー系Northern Dancer系

赤本では栗山氏に加え、須田氏も高評価。
ガラアフェアーは残念ながら新基準では★を得られないが、もちろん祖母リッチアフェアーからの継承体力は満点回答とみてよい。

優先祖先についてはダイワメジャーがノーザンテースト、ノーザンテーストがLady Angela、というルートでつながっており、ダートもいける形(実際の馬体も厚めらしい)。一昔前なら確実にノーザンテーストの仔だと言ってもらえたはず。

かつNorthern Dancerクロスは薄め&5代目だし、4系統もバランス良く配合され、特段頭脳面に心配はない。

繁殖としても次世代はNorthern Dancerが消えるので、さらに使いやすい牝馬となる。

これでセレクトセールで税込み3000万円ポッキリなのだからいいお買い物だ。

さて次回からは、新種牡馬産駒の評価をしていこうと思う。

誰も走らせたことのない新種牡馬産駒こそが謎かつ狙い目なのであって、血統的な背景を確認しておきたいはず。

中でもキズナはどんな馬が出るのか何となくわかりそう(今年の本命かな)なので、動くか動かないかハッキリ極端に分かれそうなエピファネイア、先日ディープ系の「真の後継候補」と書いたリアルインパクトあたりを、順に印のついた馬から見ていきたい。

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