今日はちょっとサブ的話題から。
もっと早く気がつくべきだった驚異の繁殖データ
先日読者の方のあるご質問に答えるべく、ふたたびテキストのあちこちを流し読みしていたとき、馬の種付け日のくだりに、種付け日を知りたければ「種牡馬特集号」で調べるとよい、という一文を見つけた。(※種牡馬辞典じゃないよ)
もちろん何度も読んで目にしていた箇所ではあるのだが、中島氏自身も「馬券を買うくらいなら種付け日にそんなに正確である必要はないけれど」と書かれていた手前「まあそこまで揃える必要はない資料か」とタカをくくっていたのも事実。
しかし時は流れ、隆盛となった一口馬主等でまだ走ってもいない産駒の判定をしたいときに、本来正確なデータとして必要となるのがその馬の「種付け日」。
一般ファンが種付け日を知るルートはそうないのが現状だが、そのうちの貴重な1本のルートがこの「種牡馬特集号」という冊子であり、ネットがなかった時代には牧場に問い合わせるかこれを見るかの2択だったはずなのだ。
そこで今回、種牡馬特集号2019という冊子を手に入れるべく、まずはノーザンホースパーク(NHP)のオンラインショップを訪れてみた。
聞けば聞くほど不思議な冊子の中身
中を見たことがない自分にとって、Amazonみたいに「ちょい見」システムでもあれば幸いだったが、それはなし。
なんでもこの冊子は内容的には「種牡馬カタログ」なので、一般にはなじみがないだろうけど、各種牡馬が種付けした牝馬とその牧場が掲載されたものだという。
ただNHPの商品紹介文には「種付け日」等についてはいっさい触れられておらず、追加で調べた道内の新聞社サイトなどにちゃんと「出産予定牝馬については出産予定日…などの一覧表」という記述があるので、欲しいのはやっぱりこれで間違いないらしい。
つまり、本来であれば「すごい馬がいるから種付けしてね」という種牡馬営業が主題のはずの冊子だが、自分たちが知りたいのはそのオマケの出産予定日情報という、なんとも不思議な関係になっているのだ。
とりあえず、いつまでも在庫がある冊子ではないので1冊2,057円(税込・北海道発で別送料はバカ高く1,150円!)でさっそく先週金曜日に入手した。
ここで興味の虫がウズウズし出す
さてこれで週明けには面白い本が届くぞ、とウキウキだったのだが、ふと考えてみると「2019年本は来年2020年の1歳馬用資料」だということに気がついた。
つまり、今の時点ではまだ直接役に立たないというわけだ。
そこで「まさかね…」と思いつつ「ネットオークション見れば2018とか2017とかの過去本があるんじゃね?」と検索開始。
するとやっぱりあるんですね、出品が!
2016年くらいまでの過去本があればそりゃもう全部欲しかったのだが、あいにく入手しやすそうなのは400円ポッキリ(送料出品者持ち。ありがとう)で出された2017年本のみ。
2018年本は出品なし。2016年本もあったがなぜか値付けが2,000円!(買うからもっと安くしてくれ…ウオッチ中)。
仕方なくまずは2017年本のみを落札。するとノーザンから来る予定の2019年本よりも先に到着するというサプライズ!(ネトオクすげぇ)
というわけで、週末に慌ただしく動いた成果をお見せいたしましょう。
で、中身も一通り見たのだが、ハッキリ言ってテシオ理論をやる人にとってこれは禁断の果実!種牡馬ごとに繁殖の名前が、しかも出産予定日順にズラッと掲載されている。そこから11か月引けば見事に正確な種付け日にぶち当たる。ぐふふ。
とくに2017年産といえば現2歳のことだから、今走っている2歳馬に関してはほとんどの馬について正しい種付け日がわかるようになった。
だからといってさすがに昨年の評価を修正しようという気まではないけど、これからのクラシック戦線における解説等に活かしていければと考えている。裏データはちょこちょこ直すだろうが。
1歳馬判定にも大きな影響が
今回種牡馬特集号2019を手にしたことによって、来年からは
▼1歳クラブ馬におけるぎり判定の概念が一気になくなるかも
という進化が予想される。
判定はきっちりOKかBADに分かれ、その正解率ももう1割くらい上がるのではないだろうか。
そしてもし今後2016年くらいまでの過去本が入手できれば、今が盛りの繁殖牝馬については、その正しい繁殖サイクルがほとんどわかってしまうのではないだろうか。
これについては今までに蓄積した膨大なデータの入れ替えをどこかでしなければならないが、毎日少しずつ記事を書きながら、あるいは来年の判定をしながら、という地道な作業になるだろう。(すでに1万頭以上のデータあるはず)
最後に、昨晩2歳馬何頭かの誕生日と実際の予測種付け日がどれくらい乖離しているかを見たが、すでに勝ち上がった2歳馬の中にも予定日より1か月遅く生まれた馬も見つけたし、逆に10日も早く生まれた馬もいた。
やっぱり誕生日予測には限界があるのだなと改めて感じた次第である。
はじめまして。
私はとある生産牧場で場長をしているものです。
なんとなく血統を調べていたらこのサイトを見つけたので、少しお邪魔させていただきます。
種牡馬特集号は種馬場にいけば、ご自由にお持ちください、状態でおいてあるので
シーズン頭にもらって帰ってます。あまり読みませんが。
種付け日や出産日をしりたいならもっと良い情報源があります。
ジャパン・スタッド・インターナショナルの
血統サービスです。
http://www.studbook.jp/ja/index.php
登録が必要ですが、無料です。
新規に入厩してきた繁殖馬の過去の記録を調べ、出産予定日より早く生まれる馬か
遅く生まれる馬かを予想して
数に限りがある出産馬房をどう使っていくかを考えたり、
実際に入厩してきた馬の申し送り書に間違いがないかなどの確認に使っています。
Sceptreさん、はじめまして。
このたびは大変貴重な情報をいただき、ありがとうございます。
まずは心から御礼申し上げます。
ご指摘の血統サービスに登録して、実際に使えることを確認したかったので、お返事遅くなり申し訳ありません。
ここはプロの方がご覧になったら笑ってしまうブログかと思いますが、毎日考えを巡らせながら読者の方々と交流している最中です。よろしければ今後もぜひ現場のお立場でご意見ご感想をお寄せください。
お待ちしております。
遅ればせながら種牡馬特集号2019入手しました。
わにさんと同じく購入は迷いましたが、こちらを見て決断!9日に教えて頂いたノーザンホースパークの在庫ラス1をゲットし、パラパラと見始めています。
まずはやはりチュウワプリンセスの予定日見ましたが、どうもハービンジャーの誕生日前の種付のようですね。
あとユニオンの方にもコメントを書きますので、またご確認ください。
やはりサイクルの取り方が変わっていたんですね。
ありがとうございました。
えっと確認しますと、クルソラの17(ラクンパルシータ)とクルソラの19がOK判定。
逆にクルミネイト(クルソラの16)は?判定で合ってますでしょうか?
合ってます。
それでしばらくは様子を見ましょう。
何度も申し訳ありません。
以前クルミネイト(クルソラの16)について詳しく解説された記事がありましたが、そのサイクルについては今でも有効なのでしょうか?
以前、南半球生まれのサイクルに関して今までとは違う形でアプローチしてる(やり方が変わった?)みたいなことをおっしゃっていたので…
さきほどクルミネイトの記事を確認しましたが、あれは全て若かりし頃の間違いですねw
アプローチ以前にサイクルの取り方を間違えています。
母クルソラのOK発情期は通常なら8月2日〜10月2日スタートなんですが、ぐ○き×の牝馬ということは逆サイクルですよね。
つまり8月2日〜10月2日を×としてスタートします。
またOKサイクルの入れ替わりサイクルも記事当時とは違い、
10月2日〜12月2日 2月2日〜4月2日 8月2日〜10月2日 12月2日〜2月2日 4月2日〜8月2日(きょうだいはここが多い) 10月2日〜12月2日(戻った)…
これがクルソラ発情期の正しいサイクルです。
記事掲載当時はまだ「冬に必ず4か月入れ替え期が来る」と思い込んでいましたが、北半球の冬は南半球の夏だっちゅーの!ということにアホながらやっと気がつきまして、その後1回変更したというわけです。
その後もう1度違うアプローチを試しましたが、現在は再びこの基本形で落ち着いています。
うーん、クルミナルわからない!何か勘違いしているのか…。
ちょっと宿題ですね。今年の一族の2歳動向もよく見たいと思います。
クルソラについて詳しく教えていただいてありがとうございました。
なるほど。
クルミナルだけが「ぐ×」のサイクルで走ってるわけですね。
しかも一番走ってると。
こうなればクルミナルの存在はなかったということでよろしいのでは(笑)
冗談はさておきハーツクライの劣性期産駒はクラシックで活躍する傾向があるみたいなので、クルソラに興味を持ちました。
いつも色々と教えていただいてありがとうございます。
実ははじめまして、ではないんです。
私、ルヴォワールで初めてコメントしたものです。
皆さん、ニックネームを使っているので、それに習って今回からニックネームを使うようにしました。
動画も説明がとても分かりやすく、興味深く拝見させて頂いています。
NO.7も大変楽しみにしています。
これからもよろしくお願いします。
あー、そういうことでしたか!!
もちろんどなたのことかハッキリわかりますよ。
いつもご愛読ありがとうございます。
ダイバーさんが初めてコメントしてくださって以来、こんなに多くの方とつながるブログになりました。
ひとえに読者、視聴者さんのおかげです。
つい最近ルヴォワールは引退したのですね。
そうか、あの馬がなぁ。
体質と素質のバランス、会員さんの偽らざる思いなどなど…いろいろなことを教えてくれた馬でした。
いい繁殖になってまた夢を見せてほしいです!
繁殖牝馬名簿を持っている仲間に種牡馬特集号の出産予定日(種付け日)が合っているかどうか確認してもらいました。
クルソラの19(出産予定日3月8日)で調べてもらったのですが、繁殖牝馬名簿には最終種付け日が4月8日と記載されていました。
やはり11カ月ジャストで間違いないみたいですね。
繁殖牝馬名簿を得ずとも種牡馬特集号から逆算すれば最終種付け日が判明することが分かって安心しました。
ちなみにクルソラの19は4月4日生まれ。
約1カ月ものズレが(笑)
これはさておきクルソラの19はサイクル的にOK判定になりますでしょうか?
わにさん、こんばんは。
すごい進歩がありましたね。
少し前から話が思わぬ方向へ動き出し、ワクワクします。
クルソラの19ですが、いちおう判定はOKです。
いちおうというのはクルソラ産駒きょうだいが「き×」の時によく走っていることと、南半球時代のクルソラの祖先たちがぐ○き×で走っていることを加味したものです。
ですが一番走ったと言っていい姉クルミナルは「ぐ×」なので、このへんがまだよくわからないところで、サイクルが逆転する4か月時期に何かもうひとつの歯車が回っているのではないかと、いつも疑心暗鬼になっています。
総合的には7割方OK判定かと思いますが、人気の血筋なら私は手が出ない感じかな。
…ああそうか、ハーツのMAX活性が過ぎた母似でもあるんですね。
これは優先だけならクルミナルといっしょの扱いかぁ…。
行く末がとても興味深い1頭ですね。
ちなみに今月一杯までは送料込みで一冊2500円だそうです。
ダイバーさん、はじめまして!こんばんは。
わざわざ貴重な情報知らせていただいてありがとうございました。
いや私もよっぽど北海道新聞に聞こうかなと思っていたのですが、やや高い金額とネトオクで安くせしめた味を知ってしまい、ちょっと躊躇していました。(なんか北海道新聞サイトに500円割引券があったような記憶が…)
そうですね、私もあるなら18年と16年は手に入れようかな?
未勝利戦も終わったので、16年版で3歳馬の総括をしなければいけませんね。
キャロットCの3歳世代を題材に、私の初めての判定がいかほど当たったのか(いや拙かったのか)についてもこの秋まとめようと思っています。
本当にありがとうございました。
これからもご愛読よろしくお願いします。
追伸 次回動画の声吹き込み中におしらせメールいただき、喜びすぎて思わず声裏返っちゃいましたw 撮り直し〜!
こんにちは。ダイバーです。
種牡馬特集号ですが、北海道新聞HotMediaにて、バックナンバーを扱っていて、2015年度までは取り扱っているとのことでした。
メールで注文ができます。
私も2016年度までは購入しようと思っています。
温かいお言葉ありがとうございます。
出産予定日を見ていると3週間くらいズレるくらいのことはざらにあるみたいですね。
今まで真剣に推測していたのは何だったんだというくらいに…
それでもすごく魅力的な本だというのは間違いないです。
ゲームの攻略本を見ている感覚に近いでしょうか(笑)
来年の募集馬の為に出産予定日をワクワクしながら確認しています。
それから出資馬の1頭は確かにサイクルから外れていましたけど、もう1頭はちゃんと入っていたので安心もしています。
ありがとうございました。
馬の早生まれ遅生まれについては、早くからこの理論の肝になりそうな気がして、いろいろ調べたことがあります。
たとえば「日高地方の繁殖は他地区より総じて約2週間の遅生まれ」
「一度10日以上の早生まれを経験した繁殖は次以降も早生まれが続く傾向にある」
などですね。
宮本輝の小説「優駿」にも、予定日を2週間過ぎたのにさっぱり出産の兆候が来ない繁殖を嘆く主人公が描かれています。
やはり馬は生き物なんですね。
もし、もしもですが、そのサイクルから外れた馬が大活躍したら、今の私にはそれを説明できる言葉がありません。
馬ってすごいな、という他には。また1から出直しです。
「種牡馬特集号2017」をオークションで落札して早速出資馬の種付け日を見てみました。
すると18日間ものズレが…
ずっとOK判定だと思っていましたが、サイクルに入ってないことが分かりガッカリしています。
生年月日から推測するのは限界がありそうですし、ど真ん中のOK判定だったらまだしもこういった本なしにはもう信じません(泣)
わにさん、こんばんは。
そうですか、ついにパンドラの箱を開けてしまったのですね。
出資馬の未来は読めませんけれど、さぞ落胆されていることと思います。
テシオ理論がサラブレッド遺伝の真実にどれほど近づいているのかは私にもわかりませんが、私たちが触れることのできる範囲なんてほんのわずかばかり。まだまだ道半ばなんでしょう。
判定に関しては私も不思議に思っている未発表の点が多々ありますので、涙を拭いて前に進むしかない!と気持ちを新たにしました。どうか元気を出してくださいね。
よかったらその出資馬の近況を今後も知らせてください。
いつもありがとうございます。2018年5月30日に種付けされたディープインパクト産駒は0活性でしょうか!?ご教示いただけますと幸いです。
ごととぐさん、こんばんは。
もし2018年5月30日に種付けされたことが本当に正しければ、私の考え方ではそのディープ産駒は確かにゼロ活性扱いです。
ただし種付け日を正確に知ることは通常困難ですので、大事な決断をされるようならもう少し状況証拠を固められることをお勧めします。
その産駒は2019年生まれでしょうから、今回ブログの話題にもなった「種牡馬特集号2019」で正確な種付け日を確認するのもひとつの手ですし、産駒の毛色や形をよく見ることも必要になるでしょう。
2019.1の社台グループの繁殖牝馬名簿を持っているので、最終種付日の記載があり間違いないと思います。
いつも、ありがとうございます。MAX活性期の限度日といいますか、期限は難しいですね。活性値7くらいが安全安心かもしれませんね。
ごととぐさんに昨日教えていただいた「繁殖牝馬名簿」をオークション等で探し、実物を目にすることができました。
(02年のものがあったのでディープインパクトについて見たいのですが…。けっこうお高くて未落札)
なるほど、会員さんはこのようなものを手にしているんですね。
確かに最終種付日の記載がありますし、テシオ理論にはもってこい。
なんでも最近はPDFになって分厚い冊子が廃止されてしまったとか?
あれを枕にしていい夢を見る強者までいたそうで、PDF化を残念がるファンのブログも読みました。
日にちの期間がある理論は、その境目をどうするかいつも難しい選択を迫られます。
父馬は形のみの遺伝なのでまだ許容できても、母馬の期間が1日でも間違うと体力やスピードにかかわり致命的ですので、日にちの境界付近にはあまり未練を残さないのが吉だと思います。
私も「種牡馬特集号2019」結局注文しました!
届くのを今か今かと楽しみにしています。
私の場合は早速来年の募集馬を診断するのに使うつもりです。(今年もできれば使いたかった…)
今まで予測だったのがこの本によって正解な種付け日を知ることができるなんてまさに革命ですね!
教えていただいてありがとうございます!
ちなみに11ヶ月と10日という話も聞いたのですが、種付け日を出すには丁度11ヶ月をマイナスすればいいのですか?
わにさん、こんばんは。
種付け日関連の馬の妊娠期間についてはおおむね11か月でいいと思います。
私も気になっていましたが、来年の判定は11か月でいくと思います。
ただし、生物学的にJRAなどの繁殖資料を読むときなどは11か月と10日というより「340日」とか日数でカウントすることが多いようです。実際の平均は338日程度?どこの11か月をとるかでもほんの少し日数が変わりますからね。
生産地で出産予定日から種付け日を推測するときは(慣例的なので)11か月でいいようです。(そういう某競馬ライターの記事を見たことがありますが)
種付け日の11か月後、というのがお約束なんでしょうね。
でも社台G等、最新の現場ではどうなのかな。あるいは獣医さんとか。
またツアーに行ったときにでも、ぜひスタッフさんに聞いてみてください。
もしお時間があれば、YouTubeの「JBIS-Search×ふるさと案内所チャンネル」でサラブレッド繁殖の基本を知ることができます。馬学講座アカデミーシリーズでは、私のような奇特な?一般ファン向けにもわかるようにさまざまな講座が用意されており、かなり役に立ちます。
視聴数は全然少ないですがwものすごい大切なことをさらっと説明してくれますよ。
繁殖活動と若駒の歩様については見ておいて損はないですね。