▼テシオ理論OK判定の方法を変えようかと思って皆さんにご提案

フェデリコ・テシオの血統理論がよみがえる
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さてまだまだ謎の多いOK判定法ですが、ここに来て従来の考え方をもっと簡素化し、テキストの言うことにもっと忠実に沿う形であらためてトライしてみたい方法があります。

その名を「き○性善説法」といいます。

きっかけは前回ファレノプシス&フィスキオの記事に

前回記事はファレノプシス一族のサイクルをあらためて眺めながら書いていたわけですが、主役に取り上げたフィスキオとその母フィーユのサイクルは真逆だし、いずれにしろ従来の判定方法では書いていてもスッキリしないわけです。

従来は

▼代々の牝馬が母と同じサイクルを受け継ぎながらきれいに世代交代する

ことを理想としていましたが、そりゃどうやったって掟破りの繁殖ってのは出てくるものですから、もっと実際に沿った考え方があるなら取り入れなきゃと思っていました。

そこでまたテキストを読んだり、深読みしたり、うまくいかないサイクル表ばかり集めて眺めたりしていたところ、ふと思いつきました。

そもそもすべての馬のスタートをき○と仮定すればいいのではないか

と。

き○ぐ×について

一部の方にはお話しすることもあったのですが、ブログにたまに出てくる「き○」とか「ぐ×」とかいう暗号は、

▼母の良い発情期に奇数間隔生まれの馬は入るように、偶数間隔生まれの馬は入らないように種付けしてあるのが良い

ということです。

たとえば2019年3月1日生まれの繁殖Aがいます。

Aの良い発情期は基本的には2月15日から4月15日です。(詳細はまたの機会に)これは事情がなければ全ての繁殖に当てはまります。

あり得ないことですがもし2019年4月1日に種付けし、翌年の2020年3月1日に生まれた仔がいたら、その仔はOK判定です。母とは1年つまり奇数間隔年離れた仔ですので、き○と呼んでいます。

次の年2020年も4月1日に種付けします。
その子は2021年3月1日に生まれ、母とは偶数間隔年離れた仔ですので、ぐ○と呼びますが、これはBAD判定です。良い繁殖期間は次の年悪い繁殖期間に変わるからです。(これもまたの機会に)

では同じく2020年の5月1日に種付けした仔ならどうでしょうか。
この仔は母の悪い発情期を過ぎて種付けされたことになり、ぐ×と呼んでOK判定が下されます。

ここまでが従来の考え方でした。

反転タイミングがなければずっとき○ぐ×と考える

以前はき○ぐ×のサイクルが変化するタイミングを「母がき×ぐ○に生まれてしまったら」と考えていました。

しかしどうもこれが怪しいのです。

き○ぐ×→き×ぐ○反転のきっかけはテキストにあるとおり

▼前の仔を生んだ直後10日間に訪れる初回の発情で、それまでとはサイクルが逆なのに種付けをし、かつ受胎してしまった牝馬以降

だけと考えればいいのではないでしょうか。それ以外ではき○ぐ×サイクルは変化しないと決めます。

Pacific Princess 73.5.10 4.24〜6.24
 キャットクイル 90.5.22 き○ 5.5〜7.5
  ファレノプシス(初) 95.4.4 3.18〜5.18
   スパンゴールド 02.2.22
   ティンクルハート 03.3.19 3.2〜5.2
    キャメロン 16.3.31(4.22付) き○ →OK
   ルアシェイア 04.3.22
   フィーユ 05.4.1 ぐ○ 3.15〜5.15 
    フィスキオ 14.3.2 き○ →OK
   アディアフォーン 06.4.20 4.4〜6.4
    リーガルメイン 16.3.17(4.1付)ぐ× →OK
   ラナンキュラス 07.4.16 ぐ○ 3.30〜5.30
    レザネフォール 17.4.20(5.13付) ぐ○ →?
   アワーグラス 09.5.1 ぐ× 4.15〜6.15 
    フラル 16.3.29 き○ →OK

あらためてPacific Princessの牝系を掲載しますので、スマホを横にしたりしてじっくり見てほしいのですが、大切なのはたどろうとする牝馬の前年産駒との間隔です。

フィスキオの場合、母フィーユは従来ならぐ○牝馬であり?ぽい存在ですが、母の前年の兄弟ルアシェイアとはしっかり誕生日も離れ、通常の種付け間隔で生まれたと思われます。よって、

母フィーユはぐ○ではなく、き○ぐ×のサイクルを維持しながら、自身はぐ○に生まれたのであまり走れなかったものの、次世代にはちゃんとき○の間隔でフィスキオを輩出した

と考えるのはどうでしょうか。

実は今日からノルマンディーOCさん(明日HP発表開始)の記事準備を始めたのですが、その中にアルボランシーの18という馬がいます。

チツプトツプ 1900
 第五チツプトツプ 1910
  チップノ二 21.4.29 4.13〜6.13
   レヴユートツプ 38.3.24 き○ 3.7〜5.7
    ニユーライト 45.4.28 き× 4.12〜6.12
     イチシンヒカリ 64.5.28 き× 5.11〜7.11
      バーバリツク 69.3.7
   ★逆 スピードキヨフジ 70.2.6 ぐ× 1.20〜3.20
       メロウマダング 81.2.15 き○ 1.29〜3.29
        ロジータ 86.5.26 き○ 5.9〜7.9
         カネツフルーヴ 97.4.26 き○
       ミルフォードスルー 88.3.18 ぐ× 3.1〜5.1
        ランフォザドリーム 94.4.3 ぐ× 3.17〜5.17
         フィーユドゥレーヴ 01.4.20 き× 4.4〜6.4
          アルボランシー 08.2.29 き× 2.14〜4.14
           アルボランシーの18 18.4.17(4.23付)ぐ×

アルボランシーの分枝はあの名牝ロジータにさかのぼる名門ですが、実は★印のスピードキヨフジという牝馬が一族のサイクルを再びき○ぐ×に戻しているようにも見えます。

スピードキヨフジは前年のきょうだいバーバリツクが生まれてすぐに種付けされたと推測できるので、サイクルが変わるならここだと思います。

ま、もっとも、ハナからき○ぐ×で通っているだけかもしれませんので大きなことは言えませんが、よってアルボランシーフィーユドゥレーヴ(これはぎりき○かも)のき×にかかわらず、アルボランシーの18はぐ×でOK判定と見てみたいのです。

これらはすべてのファミリーの種付け日を確認しないと確定できませんが、間に異なるサイクルの母を挟んだとしても、それを飛び越えて走る仔がでてくる理由にならないかと考えています。これで説明できる箇所がけっこうたくさんあります。

他にもドナウブルー&ジェンティルドンナ姉妹ファミリー辺りの証拠固めをうまくまとめられれば、この理論を来年あたりから本採用したいと思っています。ノルマンディーOCさんとロードHCさん特集には仮採用の予定です。

▼テシオ理論OK判定の方法を変えようかと思って皆さんにご提案」への8件のフィードバック

  1. なるほど。
    わかりやすい説明ありがとうございます。
    来年の期待馬なので安心しました笑

  2. いつもありがとうございます。
    なるほど。
    そうなるとフロアクラフトの18なんかは?判定となるんですかね?

    1. ガロマルさん、こんにちは。

      なるほど、フロアクラフトは微妙な立ち位置ですね。

      Rising Tide 78.2.19 2.5〜4.5
       Fairy Flight 95.2.16 き○ 2.2〜4.2
        Just James 99.3.30 ぐ×
        リッチダンサー 00.4.3 き× 3.17〜5.17
         ホーカーテンペスト 09.4.11 き○
         フロアクラフト 10.5.5(6.4付)ぐ× 4.19〜6.19
          フロアクラフトの17 17.3.19(4.3付) き× →OK
          フロアクラフトの18 18.4.11(4.28付) ぐ○ →OK
         バウンスシャッセ 11.5.6 き× 4.20〜6.20
         ムーンクエイク 13.4.26 き× →OK
         コントラチェック 16.4.1(5.1付)ぐ○ →OK
        Blue Jack 05.3.19 ぐ×

      この一族サイクルからの私見なのですが、フロアクラフトの祖母Fairy Flightまではサイクルがき○ぐ×だったのではないかと思います。
      変化したのは母リッチダンサーが怪しくて、誕生日からは一見無風のようでももしかしたら10日間イベントがあったのでは…。
      その後彼女からきれいにき×ぐ○に移行した感がありありなんですよね。

      じゃあフロアクラフト自身はぐ×(しかも種付け日も確定)でよく走ってるじゃん、ということになりますが、それも年子のバウンスシャッセ(重賞勝ち)に比べれば1枚落ちると言えなくもありません。

      この方法に移行して以来、もし裏サイクルに生まれたとしても、馬というものはサッパリ走らないわけじゃないことを痛感しています。
      ただし大物を狙うなら、絶対にこのサイクル論が必要になってくるだろうと思います。

      よってフロアクラフトの18については今のところ→OKのままでいいのではないかと考えています。
      もう少しするとバウンスシャッセの種付け日がわかるので、また進展があるかもしれません。

  3. ありがとうございました。

    従来の判定方法に慣れきっていたので正直戸惑ってしまいましたが、これからも貪欲に勉強したいと思いますので今後もよろしくお願いいたします。

  4. 「10日間イベント」の有無はどうやって判断するのでしょうか?誕生日マイナスであるとかでしょうか?

    それから「き×ぐ○」でずっときたファミリーとかもいるのでしょうか?

    例えばシンハリーズのファミリーなんかは「き×ぐ○」だと思うのですが(ポロンナルワやその産駒も)、実際シンハリーズ自身も「き×ぐ○」で生まれていますし、そういう場合は基本的に「き×ぐ○」でその「10日間イベント」があった場合だけ逆の「き○ぐ×」にひっくり返るということでしょうか?

    1. 古い時代の出産後10日間イベントは、今のところ誕生日大幅マイナス以外に判断する材料がありません。

      またシンハリーズ一族のように、調べられる範囲ではだれ以降き×ぐ○の母になったのかわからないほど昔にチェンジした一族もいますが、その場合もどこかにきっかけとなった母がいるはずです。
      究極のところサラブレッドの始祖!はき○ぐ×なのだと思います。

      おっしゃるとおり、現代のシンハリーズ一族はきれいな「き×ぐ○」ファミリーですね。
      引き続き、き×ぐ○の仔を狙うべきと私も思います。

      これ以降生まれる牝馬は皆さん種付け日がわかる方ばかりになりましたから、10日間イベントも発見しやすいはずです。
      その牝馬だけ「き○ぐ×」に戻っている可能性があるので、繁殖入り後は注意が必要です。

  5. 複雑でちょっとややこしい感じもあるのですが、「き○ぐ×」でずっときたファミリーは例え「き×ぐ○」で生まれた母がいたとしても基本的にその産駒は「き○ぐ×」のサイクルと考えていいということでしょうか?

    1. わにさん、こんばんは。
      ちょっと誤解があるといけないので、もっとちゃんとお話しすると、
      母のサイクルがそっくりそのまま仔に移るようなことは今までもありませんね。やっぱり種付けの時期が大切です。

      わにさんの質問文を拝借しながら答えると
      「き○ぐ×」でずっときたファミリーは、例え「き×ぐ○」で生まれた母がいたとしても基本的にその「母誕生時に10日間イベントがない限り」、母も「き○ぐ×」のサイクルのまま、ということです。

      子どもは子どもで「母がき×ぐ○」でも、祖母以上のファミリーがき○ぐ×なら、母の「き○」の時期に種付けした仔が走るだろうと見ます。母は裏サイクルで種付けされたので自分だけ走れなかったと見るのです。しかしサイクルに変化はありません。

      もちろん今までは母以降「ぐ○」の時期に種付けした仔が走るとチェンジすると見ていたのですが。

      たぶん、ちゃんと理解されているだろうと思います。

      私自身も少し皆さんをミスリードしてきた可能性があります。
      サラブレッドは基本「き○ぐ×」であることをもっと使うべきと考えていて、これがひっくり返ることはレアケースなのだという中島氏の考えに戻そうとしています。

      「き○ぐ×」でずっときたファミリーから「き×ぐ○」で生まれた母がいても、その母が例の「10日間イベント」に引っかからない限り、サイクルは「き○ぐ×」で変わらないと見ます。
      あくまで「き×ぐ○」で生まれたことより、母の兄姉を見てイベントの有無を重視してほしいのです。

      まだ試運転なので、いろいろ試行錯誤してみます。
      これからは基本判定スタート時はき○ぐ×と思ってもらい、どこかで変化しているときだけ、犯人捜しをするイメージです。

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