▼緊急速報!やっぱりあったサラブレッドの貴重な血統&繁殖情報サイト

朝一驚きのメールで目を覚ます

今朝は少し早起きして買い物に行く予定だったので、もうなんとなく目覚めてはいたのだが、日曜の早朝にメールは珍しいと思いながらふと着信したスマホに目をやると、ブログの新しい読者の方から一通のコメントが寄せられていた。

驚くべきことに、それはとある生産牧場で場長をされている方からのコメントで、血統の調べ物をされているうちに偶然このブログにたどり着かれたのだという。

「う、うわ、プロからのコメントだ!」

眠気スッキリ、背筋まっすぐ!

ところがスマホの着信では内容が途中までしか表示されず、なにかスゴいことをご教授いただいたらしいことはわかったのだが、ベッドでは最後まで読めずにどうすることもできない。

脳内もこの時点では動転しすぎて事の重大さを飲み込めていない。

そこでバシバシほっぺを叩き、飛び起きて、気合いを入れ直してPCスイッチオ〜ン!

あわててWordPressにログインし、お寄せいただいたコメントを一言一句漏らさぬように読み返してみた。

一見して落ち着いた口調で、すぐに立場の高い方からのコメントと察したが、そこにはこのようにしたためられていたのである。

コメント全文(まま)

はじめまして。

私はとある生産牧場で場長をしているものです。
なんとなく血統を調べていたらこのサイトを見つけたので、少しお邪魔させていただきます。

種牡馬特集号は種馬場にいけば、ご自由にお持ちください状態でおいてあるのでシーズン頭にもらって帰ってます。あまり読みませんが。

種付け日や出産日をしりたいならもっと良い情報源があります。

ジャパン・スタッドブック・インターナショナルの
血統サービスです。

http://www.studbook.jp/ja/index.php

登録が必要ですが、無料です。

新規に入厩してきた繁殖馬の過去の記録を調べ、出産予定日より早く生まれる馬か遅く生まれる馬かを予想して、数に限りがある出産馬房をどう使っていくかを考えたり、実際に入厩してきた馬の申し送り書に間違いがないかなどの確認に使っています。

喜びと汗と涙が入り混じるようなあの感触

このコメントは、この秋の本ブログで一大ムーヴメント?となった「種牡馬特集号を手に取ってみよう」回に寄せられたものだ。

これを目にした瞬間、プロに読んでいただいただけでなく、道楽でしかない個人のブログにわざわざ情報を送っていただいたことに歓喜したり、やっぱりそういうサイトあるよな…とガッカリしたり、早くみんなに教えなきゃと慌てたりと、もう何が何だかわからない感触に襲われて一人部屋で身震いしていた。

また読み返せば返すほど、種牡馬特集号の価値の違いにガッカリしたり、サイトの使い方のプロっぽさなどにも感動したり、とにかく今朝は起きがけの30分で1日分のエネルギーを使い果たしてしまったのである。

さっそく血統サービスを使ってみた

今日はこの秋競馬最大最高の決戦となるであろうG1「天皇賞・秋」当日(しかも発走前に書いている)ではあるが、そんなの全然頭に入ってこないまま、さっそくジャパンスタッドブックインターナショナルに登録&ログインして、主だった牝系の情報を使わせていただいた。

軽く使った上で、コメントにはない情報をいくつか補足しておく。

(1)このサービスは現在試用期間で誰でも使え、無料だが、いずれ有料になるらしい

(2)繁殖牝馬の過去の情報が満載ではあるが、すべての情報が網羅されているわけではない(とくに古い部分には欠落箇所もあり)

(3)種牡馬特集号とデータが異なる記述も見られる

とはいえ、未来の産駒の走りを私たちが予測するには10年分くらいしっかりデータ化されていれば十分なはずで、それ以上は過去の牝系からの関連性を調べたい私のような好き者しか使わないだろうから、心配はほとんどない。

これで古本を漁らなくてもよさそう

実はこのサイト、私も何度か訪れたことがあり、初見ではない。
しかしまさかこういうものは素人が使えないだろう(ログイン、パスワードとか書いてあるし)という固定観念で、よく読まなかったし、それ以上追求しなかったのが本当に不覚だ。

一部の読者さんにもにもわざわざアナログなデータを揃えさせたりして、罪深い限り。まずはその点をお詫び申し上げたい。

あれ以降私もやっすい古本状態の種牡馬特集号や繁殖牝馬名馬などを何冊か仕入れてみた。その全てが無駄にはならない(サイト内容に欠落があるため)けれど、やっぱりさ、どう考えてもこの時代にない方がおかしいサイトだよね。トホホ、素人はこれだから哀しい。

将来有料になったらどうなるのかそこはちょっと心配だが、私はきっと喜んで会員になるんだろうと思っている。

というわけで本日からどなたもジャパンスタッドブックインターナショナルに登録していただければ、ものの1秒でどの繁殖についても種付け日がほとんどわかります。

以上、緊急報告でした!!来月ロードHC特集もがんばります!!

さいごに

今回貴重なコメントをお寄せいただいた場長様に、深く感謝いたします。

もしよろしければ、御礼のメールを送らせていただきたいと存じますが、コメント等ご一報いただけると幸いです。

さらにぜひこの突拍子もないプロジェクトの行く末を今後もプロの視点から温かく見守っていただければと存じます。

ありがとうございました。Madama Lydia

▼緊急速報!やっぱりあったサラブレッドの貴重な血統&繁殖情報サイト」への10件のフィードバック

  1. 軽く調べただけなのですが、き◯でバッド判定て事ですよね?
    私は基礎体力と大まかな○判定バッド判定、Max活性しか調べてないので、データを取るうえでイレギュラーのひとつとしか思わないのですが、こーゆー名馬もでてきますよね。

    テシオ理論と活躍馬の相関性を見つけられればいいなと思いますが、逆に当て嵌まらない馬の存在が真実味を帯びさせていると思っています。

    1. ガロマルさん、こんにちは。

      ○×判定については、き○ぐ×、き×ぐ○のどちらもOK判定になり得ます。

      というのは、通常サラブレッドはもともと「き○」つまり生まれ月周辺がよい繁殖サイクルで出発しています。
      今でもき○を継承する繁殖が7割を占めます。

      ところが子馬を産んだ直後10日に訪れる最初の発情で種付けし、かつ牝馬を受胎した日が、き○ではない「き×ぐ○」の時期に当たっていると、この牝馬以降は「き×ぐ○」に繁殖サイクルがチェンジします。
      こういうタイプの繁殖が3割います。

      ですから、き○だけではその全部OKかBADか、その反対かも一概には言えません。
      あくまで走った優秀な繁殖牝馬がどちらのサイクルかを参考に、生まれてくる子馬がそれに合致しているかがポイントです。
      繁殖が未出走ばかりなら、今度は走ったきょうだいや近親を調べる以外ないのです。

      しかしガロマルさんのいうように、ここまでパターン化できていても、名馬の中にもこのサイクルに合致しない馬がたくさんいます。そういう馬の血統やサイクルを見ることで、揺れの部分のカギを握る真実がわかると思っています。

      ブラックタイドとディープインパクトは同じ種付け日の年子ですが、2頭とも立派な成績を残しています。
      アーモンドアイは母フサイチパンドラと繁殖サイクルが逆です。

      それでも名馬は出てくるんです。
      このへんが血統の面白いところで、まだ全然中島氏やテシオ氏の域に達していない証拠ですね。

      繁殖サイクルから見るスピードを継承できた馬の判定、についてはまだ動画を作るほど把握できていません。
      もうしばらくお待ちくださいね。

  2. 迅速な対応ありがとうございます。

    今、日本の獲得賞金トップ100くらいの基礎体力や、Max活性を調べていて、なかなか古い馬の誕生日がわからずMax活性なのか0活性なのかがわからず困っていました。

    早速試してみます。

    1. うわー、壮大な計画ですね。

      私も来年初めには「2020新種牡馬の優先祖先経路」などの動画を企画していますが、それはスゴい。

      過去の名馬には「なぜこの血統でこうなる?」という馬がたくさんいます。
      オグリキャップ、もう調べましたか?
      ちょっと古すぎて難儀しますが(確定難しいかも)、ぜひガロマルさんの結果とご意見を伺いたいですね。

      みなさん、そういう過去の名馬を探りたいご希望ってあるのかなあ。
      動画企画の参考にさせてもらおうかな。

  3. 早速登録してみました。

    いろいろ調べられて楽しいんですね笑

    ちなみに古い馬の誕生日がわかるサイトってあるんですかね?

    1. ガロマルさん、こんにちは。

      古い馬の誕生日は、日本馬ならJBISサーチを使うのがいいと思います。

       馬名 JBIS で検索

      外国馬はJBISにもほとんどないので、私は「equibase」という海外サイトを使っています。

      http://www.equibase.com/

      このサイトのよいところは、1頭調べるとそこから数珠つなぎに祖先をさかのぼれるところです。
      だいたい1回のサーチで牡系、牝系全てが網羅できます。
      たまに接続が悪くなるビョーキはありますが…海外サーバあるあるですかね。

      そこでも調べのつかない古い馬たちは、米国馬なら

      http://www.americanclassicpedigrees.com/

      を見ることもあります。ここは最後の最後かな。

      今回のデータベース発見で、私は古いデータは今後趣味以外にはあまり見なくなるかもしれません。
      新しいファミリー内での判定をより重視したいと思うからです。

  4. 情報ありがとうございました。

    牧場の場長さんからのコメントにビックリされたようで。

    天皇賞が頭に入らないというのがそれを物語ってますよね(笑)

    私もジャパンスタッドブックインターナショナルに一度訪れたことがありますが、アカウントを作らないといけない面倒さでよく調べもせずに離れてしまっていました。

    早速ログインしてみましたがこれは便利そうですね。

    私も情報を提供していただいた場長さんに感謝申し上げたいです。

    それでも種牡馬特集号については、受胎しなかった種付けも掲載されていますし、この本の存在を知った時は嬉しかったですし、実際に手に取った時には楽しかったので無駄だったとは全く思いません。

    しかしどんどん便利になっていきますね。

    種牡馬特集号だったらまだしも繁殖牝馬名簿は重いしかさばるのでジャパンスタッドブックインターナショナルの存在は本当に助かります。

    1. わにさん、お返事遅くなりました。

      これがズブの素人の哀しさで、こうして教えてくださる人がいたからいいようなものの、本当に何をやるにしても遠回りしています。

      でもとても嬉しい出来事でした。

      私も繁殖牝馬名簿は2冊重ねて音声収録時のマイク土台にしていますw
      昔の名簿はまだ薄くてかわいいですが、近年のものときたら、あれはもはや百科事典並み!
      社台Gの繁栄の歴史を感じさせますね。

      このデータベースがあれば、私の○×表も研究以外にはさほど使わなくなりそうです。
      そうそう、同サイトには「不受胎の1回目の種付けのお相手」も掲載されていますよね。
      あれは予想外の発見でしたが、そうかと思うと有名牝馬のデータがなかったりと、ちょいちょい残念な面も見られます。

  5. 私のちょっとしたコメントだったのですが、
    逆にこのようなことになって恐縮です。

    日々、馬に触れていますが、やっぱり競馬ファンでもありますし、血統のことを考えたり調べたりすのことは楽しいです。
    一日中馬のことを考えていても、誰にも咎められません。

    育種学の基本

    表現型値 = 遺伝子型値 + 環境値

    を常に頭に入れて馬と向き合っています。
    遺伝子型値はサラブレッドでは血統そのものと言えますし、
    受胎した瞬間に決まってしまうので、現場でどうこうできるものではありません。

    だからこその楽しさがあります。

    先にご紹介した血統サービスは
    もともとは日本軽種馬登録協会がやっていて、今も公式なものなので
    こちらが間違いということはたぶんないと思います。

    種付け日まで考える理論とはなかなか複雑そうですね。

    1. フェデリコ・テシオの生産理論は、その遺伝子型値を人間の手で何とかしようとする理論なのかもしれません。

      受胎の神秘を本当に人の手でコントロールできるものなのかどうか、それはタブーではないのか(確かに神の啓示と考えた方が楽しい)、あれこれ考えるたびに私の胸はいつも高鳴ります。

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