1日以外にもあるスパイス種付け日
前回○月1日の種付けが「スパイス種付け日」であることをお話ししたが、コメントもいただいたので、さっそくもう少しお話ししていこう。
スプリングS2021 出走馬 配合イベント一覧
ランドオブリバティ 薬①
ワールドリバイバル 初回→薬② −4日
ヴィゴーレ 薬① −4日
ヴェイルネビュラ 薬① −4日
レインフロムヘヴン 薬①
アサマノイタズラ 薬① 4.8付
ニシノオイカゼ 初仔 3.22付 裏
オンザライン 自然① +2日 6.8付 裏
ロードトゥフェイム 薬①
ボーデン 薬① 3.15付
イルーシヴパンサー 初仔
ビゾンテノブファロ 薬①
アールバロン 自然① +2日
ヴィクティファルス 自然① +5日 裏
セルジュ 初回→薬②
ご覧のように今年のスプリングSには、スパイス馬(候補)がたくさん出走している。ちょっと珍しいと思う。
それぞれの日付を見てもらうと、1日のほかに「8、15、22」日がある。数字に強い方なら気がつかれると思うが、これらはすべて「1+7X(Xは0から)」の上に乗った数字。ということは、そう「29日」もスパイス種付け日になる。
ただし「スパイス種付け日」はテシオ理論の一部なので、そもそも「裏サイクル」にスパイスは存在しないし、また現代の薬剤使用馬産にも本来は馴染まない。な・ら・ば、「自然サイクル」の可能性のある馬にだけ与えられる「称号」ではないかと、最近思うようになった。(候補)とわざわざ断るのはそんな意味もあってのことだ。
理論自体は中島氏のオリジナルなので、著書「血とコンプレックス」にも書かれているし、隠すこともないから近々順序立ててお話しするが、かの中島氏をもってしても「これがどうしてなのか理由はわからない」としている点だけはご了承いただきたい。あくまで数万の配合から優秀な馬たちだけをピックアップし、読み解いた「経験則」でしかない。
ということで裏サイクルはダメなので、今年のスプリングSから「スパイス馬」単独として推せそうな馬はいない。仕方がないので、再び自然サイクル馬からこの春注目の馬をご紹介しよう。アールバロン(美浦・伊藤大士厩舎)だ。
唯一の自然①+サイクル「表」判定馬
モーリス産駒にしては比較的脚長で、プリッというよりシュッとした体型。父モーリスもかなりの高活性だが、この母系はWoodman〜ミスプロの活性が強く、優先は母のバージニアキャット自身になる。
母はサイクルが裏で仕方なく形どおりのダート短距離馬で終わったが、そもそもこの母系は零細で、祖母のWood of Binn以外に芝のスピード馬が見当たらない。その先にも北米でちょこちょこ走った祖先はいるが、まあ母とそんなに変わりない成績。3代母以降、一族の広がりは皆無だ。
つまり本馬アールバロンは、いつどこで諦められてもおかしくない、かなり心細い経過をたどってこの世に生まれたことになる。牡馬ではあるけれど一族の命運を握る存在といえそうだ。
幸い母は祖母のMAX活性産駒。母のMAX活性は昨年だったものの、本馬の基礎体力自体にはなんの不安もない。レース映像を見るとスタートが上手でスッと行き足がつく長所はあるが、追われるとまだ荒削りでいかにも経験や鍛錬が必要そう。将来にわたり基礎体力はとても大切だ。
その前走は水仙賞という中山でも特殊な条件芝二二に出走し、逃げての3着。道中絡まれるシーンもあったし、体型がクラシック型に見えても、ミスプロ系優先でモーリス産駒だから、本質的に距離は1ハロン長かったかもしれない。米系優先で逆に小回りの千八を苦にしないようなので、条件は今回の重賞の方が合っている。
Tiger Doll 1956
Last Chanz to Danz 78.4.28 4.12〜6.12
Honky Tonk Dancer 84.3.26 ぐ○
The Way It’s Binn 86.4.26 ぐ○ 4.10〜6.10
Wood of Binn 91.4.1 き○ 3.15〜5.15
Three Wonders 97.2.17 ぐ(×)
Distilled 98.4.12 き○
バージニアキャット 08.1.18 き× 1.2〜3.3
アールバロン 18.4.5(4.30付) ぐ× 自然+2日
サイクルのかなり終盤での種付けだが、きょうだいが産まれて1回目の自然界チャンスを活かしているから、実質これが「一番早い自然サイクル」といえる。サイクルの境界をきちんと前後30日で計算すれば、5月3日から3日だけ内に入っているし、元の自然日は4.28なので、ギリギリ表確定にしてもいいかな? ま、いい馬には違いないので、少し長い目線でみてほしい。
どうしてなのか理由は分からないというところに面白さがありますね!
オカルト的な感じもありますし面白いと思います。
執着するまではいかないでしょうが、あったらあったで嬉しくなりそうです。
今年の募集馬で「この馬しかいない」というほど注目している馬がいるのですが、確認してみたらまさかのスパイス馬でした。
アールバロンもこれを機に注目してみます。
なんといっても伊藤大士厩舎でしかも鞍上が北村宏司騎手。
レーツェルのラインですね!
応援せずにはいられません。