▼桜花賞2025 G1解析動画 大波乱なし!女王候補は決まった マイラー豊作世代 4.7

※これは4月7日YouTube動画の台本原稿です。

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こんにちは、ドルメロチャンネルです。
さて今回は3歳牝馬クラシックの第1弾、桜花賞をじっくり展望していきます。

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今年の3歳牝馬に関して重賞レースの結果を分析をしていくと、この世代はかなりスピード寄り、前半に突っ込んだペースを経験した馬が多いことがわかります。

桜花賞を勝つためには、牝馬特有の早熟性とスピードの極限値が求められますので、ゆっくりしたテンポのトライアルばかり経験してきた年は各馬の実力を比較しにくいのですが、今年に関してはトライアルや重賞でスピードが遺憾なく発揮されている、つまりはここまでの結果を素直に受けとめていいのではないかと考えています。

そこで攻略に使いたいのがEQ指数なのですが、その前にまず「初速」と「最速ラップ」の関係性を、さまざまな角度から見ておきましょう。

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まずは阪神競馬場のマイル戦と初速の関係です。
関西圏では阪神と京都で競馬開催が行われますけど、マイル戦においてはなぜか京都より阪神競馬場の初速の方が全体にゆっくりで、遅い傾向があります。

たとえば一番左のデータは、ここ10年の桜花賞の初速です。

EQ指数は計算上、初速が12.4よりも速くなると差し馬に少し補正をかけます。
それは逆に言うと、先行馬にとって初速12.4よりも速いペースはやや厳しいということです。
桜花賞では過去10年で4回、この赤字の年に12.4より速い初速でスタートしています。

しかし全体で見るとこれはまだペースとしては落ち着いている方でして、東京のG1安田記念は毎年のように初速12.4より速くスタートしますし、一番右のデータ、このあと控える3歳G1NHKマイルCは、初速が12.4より遅くなる年はほとんどありません。

対して真ん中のデータ、阪神の昨年までアーリントンCとして行われたG3重賞では、ほぼ毎年初速12.4以上のややゆったり流れるペースで進みます。

各競馬場ともスタートから1F目までのコース形態にそんなに大きな違いはないと思うのですが、そういえば京都のシンザン記念もまあまあ速いペースで流れる重賞ですし、阪神マイルは他の競馬場よりも0.2〜0.3秒ほど前半ゆっくり流れる傾向があることは覚えておいていいでしょう。

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次に、桜花賞と最速ラップの関係です。

毎年桜花賞では馬場が重にならない限り、最速ラップが11秒台に落ちることはほとんどありません。

ここは外回りの瞬発力勝負らしい傾向で、たとえ最初はスローで出てもそのあと2F目はグンとスピードに乗り、最後までそのスピードを持続する争いになります。

しかし今年の3歳牝馬は、2歳時の阪神JFが初速12.1の最速10秒台というかなりのスピードレースだった一方で、重要な直前ステップであるG2チューリップ賞は、スローの12.6で出てなおかつ最速も11秒台という特殊なペースでした。

この2グループが本番で交わったとき、果たして初速はどうなるかですが…

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実は昨年2歳時の牝馬重賞戦線では、逃げ馬であるミストレスという馬の存在が大きく影響していたんです。

このミストレス、新馬戦こそ12.6というスローな逃げを打っていたのですが、そこからだんだんスピードに目覚めたのか、アルテミスSでは12.2、阪神JFでは12.1、そしてダートの重賞ブルーバードCではなんと11.8というハイペースを演出、今はこの逃げが彼女の専売特許になっています。

ただ現段階ではこのミストレスは桜花賞を除外対象になっており、当日はいないことも考えられます。

もともと同世代の阪神JFと桜花賞は、そのペース配分がリンクする傾向にあります。ですからこのミストレスがいるかいないかで、桜花賞当日のペースは大きく変わります。

そこで今のところミストレスは出走できないものと仮定して、ここからの話を進めます。

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これは過去10年の桜花賞における、初速と最速ラップの分布図です。
桜花賞の序盤戦はだいたい3つのパターンに分かれます。

ひとつはスプリンターに近い優秀なスピード馬がいて、その馬の潜在スピードに乗っかってハイペースになる紫の年

2つ目が、ペース自体が途中で緩む中だるみ戦だったり、あるいは馬場が悪化してスローになってしまう緑の年

そして3つ目がそのいずれにも属さない阪神特有のマイル戦ペース 赤い点の年です。

もし今年逃げ馬のミストレスがいればペースは紫に近づいたでしょうが、今はいないと仮定するわけですから、今年は通常の傾向として最も現れやすい赤い点の分布を軸に考えるべきだと思います。

では今年、このあたりのペース配分で流れた重賞はどのくらいあったかというと、

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これが、主要な3歳牝馬レースのスピード分布図になります。

先程とは少しメモリが違いますが、同じく左下に寄るほどハイペース、右上にいくほどスローペースを表します。
今回はEQ指数を全部出しませんので、この分布図を参考にしてください。

今年の桜花賞で狙うペース配分は赤丸で示したあたり。このあたりと似たペースで流れていたレースは、クイーンC、フェアリーS、きさらぎ賞、ききょうS、そしてエルフィンSです。

仮に当日もっとハイペースになれば、阪神JFやフィリーズRの組が上がってくるでしょうし、もっとスローペースになれば、チューリップ賞の組が上がってくるでしょう。

ただしG1ではもうひとつの条件、最速ラップが11秒未満という条件がけっこう大事だと思われるので、この点線の下にあるレースの方が、より過去の桜花賞に近い適性を表しているでしょうから、私はラップが遅かった組に関しては今年買う気にはならないですね。

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まとめますと、桜花賞過去のデータから推測する「サクラの適性ラップ」とは、

(1)初速が12.3〜12.5

(2)2F目の最速ラップが10秒台

これを両方クリアしていたレース
クイーンC、フェアリーS、きさらぎ賞、ききょうS、そしてエルフィンS

これらの5つのレースの指数を出して比べながら、有力馬を絞っていくことにしましょう。

(9)(5秒ジングル)

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さあ、さきほどの5つのレースで好走した馬たちのEQ指数はこうなります。

指数の上位は三つ巴でして、ビップデイジー、エンブロイダリー、そしてエリカエクスプレス。
やや間が空いて、マピュース、リンクスティップ、ヴーレヴーとなります。

ききょうSのスリールミニョンは現段階でまだ除外対象なので、抜いてあります。

私の見解としては、当日が良馬場で、なおかつ阪神マイル戦特有のペースで流れるとすれば、今年の桜花賞ではこの3頭が相当有力な候補であり、また上位に指数が拮抗して3頭が陣取っていることから、間にもう1頭が割って入ることもなかなか難しいと思っています。

そこは競馬ですから絶対とは言いませんが、たとえばここには出てこないショウナンザナドゥやウォーターガーベラといった2番手グループとも、けっこう指数の差がありますし、まあここは大人しく三つ巴をいろいろ組み合わせて買うことになりそうです。

とくに私はサンデークロスを含まない馬を評価するので、まずはエリカエクスプレス。彼女を本命に推すことにします。

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ここからは、サンデークロスを含まない有力馬の血統表を見ていきます。
まずは本命のエリカエクスプレスです。

父はエピファネイア。母のEnticedはアイルランド産馬で、どっぷりノーザンダンサー系を代重ねしてある欧州でしか許されない繁殖牝馬ですね。

でも今の日本に導入する繁殖としてはこういう血の偏りのある繁殖の方が、その後の組み立てはしやすい。

完成品よりは、良血だけどひとくせある牝馬。ここは将来を見据えた繁殖を入れようと考えたはずで、このあたりがさすがの三嶋牧場さん。

その生産第一歩に父エピファネイアというのはなかなか考えられたお相手で、1回はNorthernDancerクロスを使う方向でスピードの補強をし、生まれた牝馬に次世代はサンデー系の大物をいきなりか、あるいはミスプロ系で大樹役を挟むか、いずれにしろ今後一気に夢が膨らむ牝系になりました。

いきなり母の2番仔からこんな大物を引いたのも偶然ではないですよ。
偏った血を活かしながら日本風にほぐすという方向性が良かったし、シーザリオはサンデーフリーだし、このあとの配合が思いのままですからね。

本馬は予定日ズレが+13とまだまだ成長途上ですが、フェアリーSのパドックでは1頭だけケタが違って見えるレベルの馬でした。

完成は3歳の秋以降でしょうが、春2冠の成績次第では名牝になってもおかしくない器です。

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続いては、マピュースです。
父はマインドユアビスケッツ。しかもMAX活性なんですよね。

本馬もクロス多めですが、こちらはダート系の形にスピードを乗せているので、今後使っていくうちに足元の心配が出てきそう。
父がミニマム期の配合ならその辺がもっと緩和されたでしょうか。

母系にサンデーの名前があるのに、次世代においては5代血統表からそのサンデーの名が消えるという長所があり、早くも時代の流れを感じさせる牝馬。
サンデーから数えて、初年度&初年度という種付け間隔がそうさせたんですね。

予定日ズレが+7ですから、そろそろ完成期に入ったといってよい早熟馬。力はあります。果たしてどこまでやれますか。

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続いては、ヴーレヴーです。

父はサトノクラウンのミニマム期。惜しいですね、何かもうひとつくらい良いクロスがあればスプリンター生産の公式に乗ったと思いますが。アウトブリードもいいんですけどね。

じゃあそれは父が悪いのか。いえいえ父のサトノクラウンにはミスプロとNorthernDancerの種がちゃんとあるので、やはり種を受ける側、母方にスピード因子が足りないんです。

まあ代々の種牡馬がニニスキ、シルヴァーホークにマンカフェですから仕方ない面もあるし、シルヴァースカヤ牝系といえばシルバーステートの出身地なんだけど、ご存じの通り決して軽い種牡馬とは言いがたい。

このニジンスキーのクロスまで使って何とかスピードを出そうとしているシルステ産駒もいるほどですから、日本でシルステの理想配合を考えるのが難しいのと同様、この母アルギュロスもなかなか相手を選ぶ繁殖のはず。

単に短距離の父では成功しないでしょうし、サトノクラウンのミニマム期でここまでスピードが出るという事実をもう少し深掘りしたいところですね。

本馬の予定日ズレは+4ですから、今がサクラの娘盛り。
どちらかというと競走向きの配合かなと思わせる牝馬です。

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そしてオークスに向けて、ちょっと名前を覚えてほしいのが、このリンクスティップです。

きさらぎ賞のあと、YouTubeのコミュニティで珍しくレースの感想を述べました。

覚えている方もいらっしゃるでしょうが、今年のきさらぎ賞はなかなかいいレベルでして、勝ったサトノシャイニングには3馬身離されたものの、牝馬の身で朝日杯の3着馬ランスオブカオスに競り勝ったのが本馬ですね。

千八で牡馬相手にこの競馬で、サトノシャイニングの1馬身前にはもうクロワデュノールがいるだけ。未勝利時代はスローしか経験がなかったのに、いきなりのハイペースを先行で一発回答を出せる柔軟さもある。

月のサイクルが裏なので、サクラではなく樫の女王向きでしょうが、12ハロンもほぼ問題ないですし、少し時計がかかったら鬼かもしれない。

今回はまあまあでいいから、そのあとオークスで大きく狙いたい馬です。

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桜花賞2025 G1解析動画 いかがだったでしょうか。

今年の3歳牝馬重賞路線がのきなみスピード決着だったこと、それに対応してきたマイラータイプが多いことを裏返せば、このあとのオークスでは勢力図が一変してしまう可能性を秘めています。

サクラは波乱なしと結論づけたドルメロチャンネルですが、オークスではその分も合わせて一発大穴を狙ってみますか。

今回の動画はここまでです。
ご視聴ありがとうございました。

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