秋華賞動画へのコメントありがとう
私のYouTubeドルメロchでは今春のG1解析動画をEQ指数中心にお届けしたが、本来目指すものは指数予想サイトではないので、そろそろ通常運転に戻りたいなと思っていた。
そこで今秋からEQ指数は動画の最後に別コーナーを作ることとし、なにか新しい視点で今G1シリーズを走り抜けたいと思って次のメインに据えたのが、展開予想における過去の不満を解消することだった。(血統じゃないんかい!)
ふつうG1シリーズ中だとこういう理論紹介動画はとかく「回らない」ものなのだが、全視聴回数はともかく、今回はコメント欄への反響が意外に高かった。
さっそく土日の競馬で試された視聴者さんもいて、いつもながらその仕事の早さに驚いているが、ならば私もコメント欄内で話し切れなかった課題などをここでまとめておこうと思う。
なお重心の出し方など基本的なことは秋華賞動画をご覧いただきたい。
(1)クラスによって人気の重みは違うのではないか
前走重心は「前走」の人気と位置取りを重視した展開理論だが、コメントで「前走のクラスによっても人気の重みは違うのではないか」というご指摘をいただいた。
これはまさにその通りだ。もし重心の話をするならせめて重み=人気の測り方くらいは正確なものにしないと、レースの格を無視していつまでも成果が挙がるとは思えない。たとえば重賞での3番人気と未勝利の断然1番人気ではどちらの人気度=重みが上なのか…これは大変難しいさじ加減だが…動画を作っている間には解決しそうもなかったので、今回は割愛させていただいた。
ただEQ指数スタート時もそうなのだが、一番簡単な手法で始めて何も手応えがないときは、理論そのものが間違っている可能性がある。
EQ指数も最初何の補正もなしでスタートしながら夏競馬の間を絶好調で駆け抜けた経緯があり、その後秋競馬で芝状態の違いにつまずいて以降補正をかけることにした次第。今回も重心理論の骨子がきちんと稼働するか判明するまではもう少し様子を見たい。
(2)重心位置がいくつなら逃げ馬を買えるのか
アーモンドアイ3冠の年は前走重心が3まで上昇?したので、逃げ馬やその次の先行馬に目がいくケースだったかもしれないが、果たして今年のように4〜5番手くらいに重心があるとき、どこまで逃げ馬を買ったらいいのか。
動画でも今年は少し前目に重心がある気がするとは言ったが、進んで自分からエリカエクスプレスを買う気にはならなかったし、後述するが今年は勝ち馬エンブロイダリーが重心の前に位置していたことから、方針としては馬券の相手に後ろ目の馬しか買えないので、3連単系まで全部当てるのは至難の業だ。
(3)深層学習の式に近いと思った
深層学習については私の知識が及ばない分野なので素直にへえと思ったのだが、最近よくみる「AI競馬展開予想」とか「AIに仮想レースさせてみた」のような場合、AIにどういう学習をさせているのかという興味はすごくある。
でもし私製のAIで展開予想をさせるなら、まず前段階として今回の重心法を取り入れておき、あとはAIに自己学習を任せるみたいなやり方になるのだろうか。その際、AIはきっと新馬戦から前走までの全てのデータを利用するだろうから、自ずと「ドルメロも前走に限らずキャリア全般重心を計算する必要があるのではないか」というまた別の疑問にぶちあたる。
私はそこまでしたくないものぐさなので、全データをバッチバチに正しく計算するのはAIや皆さんにお任せするが、実は全データ採用ならまた別の結論が出てくる…とも思っていない。
むしろ馬は前走における素質開花や事故恐怖などの影響を一番強く受けるはずで(カムニャックもそうだったかも)、人間もまた前走の教訓を活かそうとしながら乗る(ハナに立てなかった、進路が塞がったなど)ので、本番の展開面で前走状況が占める動きの割合は非常に高い。
もし全キャリア採用ならば前走により高い定数をかけていくなどの方法もあろうが、これもやはり今少し様子を見ていこうと思う。
(4)正解はエンブロイダリー軸でパラディレーヌ相手だった
結果的に私は予想で軸選びを間違ったが、馬券的には重心を挟んで近しい馬たちのワイドボックスでいいと思い、当日もそう買った。
もちろんストーリー的には重心を「挟んだ」組み合わせで馬券にというのがカギになっているので、ジョスランとテレサの組み合わせはないし、またパラディレーヌとレーゼドラマの組み合わせもなしなのだ。
ただあえて簡単に重心に近い方からワイド5頭ボックスでも今後十分面白い馬券にありつけそうな気がするし、むしろ3連単系は「近い馬ボックス」の方が当たるかもしれない。
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このように前走重心はまだ生まれたばかりで、誰もが考えそうでいながら不思議とどこまで突っ込んでいいのかわからない謎だらけ理論ではあるが、G1の大歓声に揉まれながら少しずつブラッシュアップして年末に継続の結論を出そうかと思っている。どうぞよろしく。