ここも1頭のみのご紹介となりますが、かなり穴っぽい候補ですので、熟慮されることをオススメしておきます。
スピードの絶対値はどうかもファミリーに新たな風を送り込む1頭
▼ラリーズンの16 番号16
牡2・平田修厩舎予定
父 ロードカナロア
母父 Labeeb
5月7日生まれ 青鹿毛
きょうだいにさほど活躍馬がおらず、真っ先に敬遠されがちな候補ですが、この馬は一考の価値がありそうです。
【診断結果】
・優先祖先 父 ロードカナロア
・馬場、距離適性 芝のマイル
・基礎体力値 56(平均50)
・スピード 良好
・頭脳 やや心配
・総合 ★★(満点は5つ)
遅生まれですし、立ち姿を見てもまだつくべきところに肉がつききっていない気もします。
しかし前回の「インダクティの16」同様、今まで頑としてスタミナ血統しか受け付けなかったファミリーに対して新たな試みがなされたようで、産地内におけるロードカナロアの魅力がいかに大きいかを示しています。
母系は母父のLabeeb(1992)の活性が強く、父次第ではすべてこの馬が優先祖先となります。
きょうだいの父親とスピードの行方を慎重に調べてみると、
ストレートラブ 09年 アグネスタキオン劣性 ○ 33戦
ディープウェーブ 10年 ディープ優性もスピード× 39戦
ショウナンマルシェ 11年 マンハッタンカフェ中性 ○ 37戦
ジャストコーズ 13年 マンハッタンカフェ優性 ○ 19戦
ラレゾン 14年 ハーツクライ中性 × 12戦
となり、ディープをつけて勝負がかりだった10年産駒のディープウェーブは、残念ながら繁殖リズムがズレていました。
また11年と13年の全きょうだいは、ともにセン馬となっており、競走以外の面でかなり問題があったようです。
本馬もNorthern Dancerの影響こそないものの、気性難(おそらく母譲り)のリスクはついて回ります。
母の良い発情期は4月12日から6月12日とやや遅く、きょうだい全てが2月、遅くとも3月に種付けを済ませるスタイルだったため、初めから「裏年」以外はスピードに当たらないハンデもあったと思われます。
この馬は15年のクロフネが受胎せず、空胎扱いとなった年に遅い種付け(6月すぎ)をされた産駒です。
皮肉なことに、これで初めて母の良い発情期を享受できるリズムに入ったことになります。
馬体にほとんど白いものがなく、父ロードカナロアの姿をそのまま青鹿毛にしたような特徴をよくつかんでいますので、大穴ならこういう背景の血統からスッと出てもおかしくないのでは?
ちなみにきょうだいのように母父Labeebが優先になると、Chieftain(1961)という米国馬から遠くBold Ruler(1954)の影響があることが確認できます。
いずれもよく走り、よく勝った系統で、このタフさだけが兄や姉に伝わったようです。
完成はかなり先になりそうですが、初めて短距離系のロードカナロアを優先祖先とするこの馬がどんな走りを見せてくれるか、非常に楽しみです。