▼G1サラブレッドC2018 最遅1歳馬診断 関東ゴールドシップ産駒ほか編(No.15〜20)

今回で関東馬編は終了です。

関西馬はもう10頭ほど多いラインナップですね。

リストの見方

まだこれから鍛練を積む1歳馬なので、1頭1頭詳細な血統背景ではなく、最初に全馬スピードサイクル判定による分類を行います。

・スピードサイクルOK →馬体も良ければ推奨
・スピードサイクルぎりOK
・スピードサイクルぎりBAD
・スピードサイクルBAD
・判定不能

の5つに分けます。

OKとBADはそのまま(走る走らない)の意味ですが、ぎりOKとぎりBADは

→その馬の誕生日が母のスピードサイクル境界日ギリギリに位置するので、OKがBADだった、あるいはBADがOKだったという可能性あり

の意味です。

よってどちらかといえば「ぎりOK」の方がコケて失敗する(ショックでかい)可能性が高く、逆に「ぎりBAD」が実はOKで思わぬ幸運をつかめることもあるでしょう。

馬体が良い、牧場評価高いなどの推し材料があれば、積極的に「ぎりBAD」までは狙っていけるかもしれません。

ぎりBADについては、こちらでも「狙えるぎりBADかそうでないか」を積極的にコメントしていきます。

またスピードサイクルOK判定の馬に限って、その馬の適性がわかる優先祖先と基礎体力値をご紹介します。

 

▼G1サラブレッドC2018 1歳馬診断結果 関東ゴールドシップ産駒ほか編

 【OK判定の馬】

16 カルマートの17(牝・青鹿毛)

 父 ゴールドシップ
【優先祖先】 シンボリクリスエス
【基礎体力】 ★53(平均は50)
【適  性】 芝の中距離〜
 美浦・戸田博文厩舎 予定

本馬もそして母も、MAX活性年の明と暗を経験した親子です。

 

カルマートには、誕生日による予測だと母父シンボリクリスエスゼロ活性馬ではないか(2週間ほどリミット経過)という疑いが掛かります。

しかしつぶさに優先祖先などを見ていくと、集められた状況証拠は「どうもぎりぎりMAX活性馬でいいのではないか」と語っている気がします。

というのは、仔である本馬が流星のまぶしい青鹿毛馬だから。

 

もしカルマートがSクリスエスのゼロ活性馬であれば、優先はもう1頭のMAX活性馬である5代前ノーザンテースト方面へとさかのぼります。

ご存じのようにノーザンテーストとそのファミリーは徹底した栗毛路線であり、Nテーストの母Lady Victoria(黒鹿毛)などの例外を除けば、優先は栗毛馬になりやすいのです。

最初こそ母はこのLady Victoriaあたりが優先なのかと仮定してみましたが、その後本馬の青鹿毛のルーツを予測するに当たり、母はゼロ活性ではなく、ぎりMAX活性である方が都合がいいことに気がつきました。

つまり本馬のしっぽりと濡れたような黒の毛艶やらが、母父シンボリクリスエスから来ているように感じるからです。

この黒鹿毛がステイゴールド経由(可能性としてはあり得るが)だと、前述したように逆に母がどうしても栗毛っぽく出る可能性が高まるので…。

 

ただ残念なことに本馬は母からMAX活性を受けられる年回りであったにもかかわらず、MAX活性終了日から1か月以上経過しての種付けだったため、体力的にはゼロ継承になります。

3代母ビーサイレントが2代母キープクワイエットMAX活性を与えているのと合わせて、この年は名馬誕生の絶好のチャンスだったのですが、こればかりはどうにも…。

★★78と★53では月とすっぽんほど体力&スピード事情が異なるので…。

 

ひとつ上の兄が遅生まれ(いちおうそちらはBAD判定)だったため、物理的にこれ以上早い種付けが不可能でしたしね。

本当の名馬を狙って配合しようとするならば、前年からの流れと仕込みも重要であることを再認識させられます。

 

また血統表上にはサンデーの3×4というクロスが強く残存し、精神面でもちょっと心配な面があります。

母同様、3歳秋頃がキャリアの充実期になりそう。

素質の高さは認めますが、煮詰まりやすく使い込むのが難しそうですし、そのメンタル面がうまくケアされないと初期に1、2勝して終わりということも考えられそうです。

 

 【BAD判定の馬】

17 コレクターアイテムの17
18 シーザシーの17
19 アイズオンリーの17
20 アルーリングアクトの17

 

 【どうしても判定不能の馬】

15 インコグニートの17

この馬は最初「OK」でいいのでは、と思っていた馬でした。

もともとこのデインスカヤの牝系は難関牝系のひとつで、ダービーでディープインパクトの2着したシックスセンス(父サンデーサイレンス)等を輩出しているにもかかわらず、ファミリー全体で見ると判定が右にも左にも揺れる馬ばかりです。

実は本馬のひとつ上の姉キュールエサクラ(父マンハッタンカフェ)が10月に新馬デビューし、1番人気で2着と好走しましたので、姉と誕生日がほぼ一緒の本馬に「BAD判定疑惑」が再燃しているというわけです。

大流星に左側だけの前後ソックスという可愛らしい牝馬なのですが、体力的にはごく平凡、優先もゴールドシップかステイゴールドになるので、ひとつ間違えるとスピード不足に泣く可能性が高いでしょうか…。

 

さて来週からはジーワンサラブレッドCさんの関西馬編をお送りします。
どうぞお楽しみに。

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