▼G1サラブレッドC2018 最遅1歳馬診断 関東エピファネイア産駒ほか編(No.8〜14)

ここからは主に関東1種牡馬1産駒のリストになります。

リストの見方

まだこれから鍛練を積む1歳馬なので、1頭1頭詳細な血統背景ではなく、最初に全馬スピードサイクル判定による分類を行います。

・スピードサイクルOK →馬体も良ければ推奨
・スピードサイクルぎりOK
・スピードサイクルぎりBAD
・スピードサイクルBAD
・判定不能

の5つに分けます。

OKとBADはそのまま(走る走らない)の意味ですが、ぎりOKとぎりBADは

→その馬の誕生日が母のスピードサイクル境界日ギリギリに位置するので、OKがBADだった、あるいはBADがOKだったという可能性あり

の意味です。

よってどちらかといえば「ぎりOK」の方がコケて失敗する(ショックでかい)可能性が高く、逆に「ぎりBAD」が実はOKで思わぬ幸運をつかめることもあるでしょう。

馬体が良い、牧場評価高いなどの推し材料があれば、積極的に「ぎりBAD」までは狙っていけるかもしれません。

ぎりBADについては、こちらでも「狙えるぎりBADかそうでないか」を積極的にコメントしていきます。

またスピードサイクルOK判定の馬に限って、その馬の適性がわかる優先祖先と基礎体力値をご紹介します。

 

▼G1サラブレッドC2018 1歳馬診断結果 関東エピファネイアほか編

 【OK判定の馬】

11 アルアマーナの17(牡・芦毛)

 父 クロフネ
【優先祖先】 Pasadoble(牝・1979・Miesqueの母)
【基礎体力】 47(平均は50)
【適  性】 芝のマイル
 美浦・萩原清厩舎 予定

ファミリーはダート活躍馬多数ですが、この仔は芝の適性もありと見ます。

 

本馬の母系では2代母オネストリーダーリン(芝馬)の父キングマンボの活性が最も強く、母アルアマーナの父ディープインパクトの活性がもう1世代分低ければ、母はキングマンボ寄りの欧州風芝馬になった可能性もあります。

しかしキングマンボ自体はミスプロの劣性期産駒であり、よって母ミエスクの影響を強く受けています。

ミエスクの優先祖先は父ヌレイエフなのですが、本馬の優先祖先をたどる道は、ミエスクのさらに4代前にいる高活性のPrincequillo(1940)の影響に引っ張られて、ミエスクの父ヌレイエフではなく母Pasadobleに落ち着きます。

Pasadobleは仏の芝9ハロンあたりのリステッド競走を勝っている芝馬ですので、本馬もスピードの乗り如何では芝をこなしておかしくありません。

もっともファミリーには「芝ダート兼用馬」の顔もチラホラ見えますので、実際走らせてみての楽しみが多い馬でしょう。

 

5代血統表ではいちおうクロスがない扱いになりますが、遺伝の及ぶぎりぎり6代目まで拡大すると、Northern Dancerクロスがけっこう残っていることに気がつきます。

基礎体力が低めな点と合わせて、少し仕上げに手間取るタイプかもしれません。

 

 【ぎりOK判定の馬】

8 アナンジュパスの17(牝・鹿毛) 母ぎりOK4日

 父 エピファネイア
【優先祖先】 Bold Reason(1968)
【基礎体力】 ★56(平均は50)
【適  性】 芝orダートの中距離
 美浦・久保田貴士厩舎 予定

(おまけで解説)ファミリーNo.1。
日本が誇る小岩井牝系の数少ない正統派生き残り候補になります。

 

根幹牝馬であるキーンドラーは、20世紀初頭に三菱財閥の情報力によってビユーチフルドリーマーらとともに英国から日本の地を踏んだ繁殖の1頭だということは以前お話ししました。

その後もテスコガビー(父テスコボーイ)やエンゼルカロ(父スターオブコジーン)らを出しながら、名血を脈々と後世に伝えています。

 

本馬の判定は「母ぎりOK4日」なので、G1レーシング所属で長距離を3勝した母アナンジュパスの扱いをどうするか、にかかっています。

母は父ディープインパクトよりも母父のスターオブコジーンの方が活性が強い牝馬でした。

よってちょっと変わったその距離適性は母父から来ているのですが、だからといってOK判定でスピードが十分足りていたかといえばちょっと疑問が残ります。

スピードが足りない馬でも距離延長でマイペースをつかみ、自身の適性以上に走ることが十分考えられるからです。

 

本馬は父にエピファネイアを迎え、さらに1世代経たことで2代父スターオブコジーンの影響が小さくなりました。

また生まれ年からわかるように、父エピファと母父ディープの活性値が同じに見えますが、本馬は6月も下旬の遅い種付け馬で、父エピファが6歳になってから4か月以上経過している計算になります。

よって優先はエピファの母シーザリオの母系をたどり、サドラーの系譜にたどり着くのです。

 

母のスピード疑惑、そして日本でサドラーが強調される弱み…これらを考え合わせると、ご指名までには至らないかもしれませんね。

 

 【BAD判定の馬】

9 テイクミーハイヤーの17
10 エグジジェの17
12 メモリアルサマーの17
13 スパニッシュクイーンの17
14 アンプレヴーの17

 

さて次回は関東ゴールドシップ産駒などをご紹介し、関東馬編を終わりたいと思っています。
注目の関西馬編は来週ということですね。

どうぞお楽しみに。

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