▼POG赤本2019はこう読め!(3) 注目内国産馬1260頭をテシオ理論で徹底解説 〜浅野セレクト編〜

第3回 鉄の競馬キャスター浅野靖典を知っているか

この人をあんまり知らないという方のためにちょっと紹介しておくと、浅野氏といえば元はバリバリのグリーンCH競馬中継キャスターであり、それを卒業しての速攻「競馬ワンダラー」シリーズ開始にも笑ったが、とにかく自らの脚で全国の競馬場(とその跡地)を回る強い意志がある鉄ちゃんとして有名だ(ちがうだろ)。

ナレーションからセリ市の進行役まで、あの笑顔でつつがなくこなす堅実派だから、なるほどここ一番須田氏から声がかかるのもよくわかる。

なお競馬ワンダラーはアシスタントのおねいちゃん次第のデキにしかならない番組なので、どの回も浅野氏はもっぱら子守役に徹しているが、なにあの人の本性はあんなものではない。

赤本では「むかわより南の日高路で育成された優駿を探してこい(穴専門)」などという「浅野氏にしか完遂不可能な無茶ぶり」を引き受けるなど、相変わらず「仕事選んでほしいな」という感じのオールラウンダーである。

内国産浅野馬は意外にも王道路線?

さてそんな穴党・浅野氏が選んだ内国産馬本命=◎12頭のうち、クラブ馬以外でご紹介できる個人所有馬たちは以下の5頭に絞られる。

ルシュクルの17
ヴィルシーナの17
ジャズプリンセスの17
オータムメロディーの17
ヒアトゥウィンの17

このうち判定がよろしそうな一番上のルシュクルの17について、詳細な検討を加えてみたい。

▼ルシュクルの17の繁殖サイクル

Incantation 1965
 Lucky Spell 71.1.28 1.11〜3.11
  Merlins Charm 79.5.4 ぐ○
  Goldspell 82.4.25 き○
  Tracey’s Secret 85.3.26 ぐ× 3.9〜5.9
   ユメノラッキー 98.2.7 き× 1.21〜3.21
    サイタスリーレッド 13.4.24 き○
  Trolley Song 87.4.13 ぐ○ 3.27〜5.27
   Unbridled’s Song 93.2.18 ぐ×
   アジアンミーティア 00.5.2 き× 4.16〜6.16
    ルシュクル 06.2.25 ぐ× 2.11〜4.11
     ブランボヌール 13.4.9 き×
     エントシャイデン 15.4.21 き×
     ルシュクルの17 17.4.29 き×
    ダコール 08.3.17 ぐ○

ファミリー1番の大物は祖母の兄であるUnbridled’s Songだろうが、他はというと重賞2着の鬼・ダコール(父ディープインパクト)やダートスプリンター・サイタスリーレッド(父ダノンシャンティ)など、日本での活躍馬は個性派揃いという感じ。

中でも母ルシュクルはそのスピードを活かして一番堅実に走る仔を出す繁殖と言ってよさそうだ。

▼ルシュクルの17の優先祖先

父 キズナ 活性値6

母父 サクラバクシンオー 活性値8(MAX)
3代父 Unbridled 活性値4
4代父 Caro 活性値7

母父サクラバクシンオーMAX活性では、いくら父にキズナをもってきても生まれた仔はスピード馬になるわけで。

今週京王杯SCに出走予定の兄・エントシャイデン(父ディープインパクト)などは、まだよく距離をこなしている方だ。

ここでちょっと面白いことに気がついた。

赤本がある方は37ページにあるルシュクルの17の立ち姿写真を見てほしいのだが、現在でも490キロからある雄大な馬体で、同じページの同期と比べてもトモなんかあきらかにムキムキ。

ところが同ページで1頭だけ彼に負けないムキムキ具合なのが、同じキズナ産駒のクールアンフルールの17(502キロ)。

よ〜く見ると、これも母父サクラバクシンオー活性値がMAXwww 姉にファンタジーS2着などのモズハツコイ(父クロフネ)がいるスプリント血統。

この2頭、まるで疑似兄弟とも言える似方なのである。
これがサラブレッド遺伝の真実なんでしょうねぇ。

▼ルシュクルの17の基礎体力

Lucky Spell 0.75
Trolley Song ★2.0
アジアンミーティア 1.25
ルシュクル 0.5

0.5+1.25+2.0+0.75=4.5 → ★56

祖母アジアンミーティアは3代母Trolley SongMAX活性期産駒で、本馬は十分というわけではないが、いちおうの体力とスピードを備えている。

★ありの平均的体力なので、2歳時から活躍するようだと3歳いっぱいでピークが来るかも。
姉のブランボヌール(父ディープインパクト)もそんな感じだった。

クラブ馬としては寂しいが、POGではこの方がいいのかな?

そうそう、前出した兄のエントシャイデンは母のMAX活性期産駒であり、うまくいけば★★75という高い体力値を得ているはずだが、彼の誕生日が4月21日(種付けは5月21日頃?)、母の誕生日が2月25日ということで、残念ながら兄はゼロ活性馬という結論になる。

▼ルシュクルの17の残存クロスと4系統配合

▼Northern Dancer

父系 2.0×1.0×1.5=3.0
母系 0.25×1.0=0.25

一時期ディープにはストームキャット、というニックスがもてはやされたが、ストームキャットの系統はNorthern Dancer系の中でも最も活性値が高い系統のひとつなので、キズナは繁殖牝馬内に強いNorthern Dancerがあると、おそらく何らかの弊害が出るはず。

ルシュクルも残念ながら弱いNorthern Dancer活性を残しているので、少し心配だ。

また4系統配合もグレイソヴリン(ネアルコ系)、ミスプロプリンスリーギフト(ネアルコ系)、サンデーなので、あまり代わり映えはしない。

いざという時のボス性には欠けるだろう。

春のクラシックでなぜボス性が必要かというと、

キズナ
サンデー系
Northern Dancer系
☆ダマスカス系
☆ブレニム系

ワグネリアン
サンデー系
ミスプロ系
☆アクアク系
☆インリアリティ系

例えば同じディープ産駒のダービー馬にしても、新しい2代については仕方ないが、3代前、4代前父は傍系とも言える雑草血統が入って「血の刷新」が行われていることを無視できない。

これが自らの血に「存在意義」を示し、無理な濃縮を防ぐ唯一の手段だからだ。(実はディープ自身もブレニム系フェアトライアル系を含む)

まあそういう馬は年に2、3頭しか見かけませんので、出てくればワグネリアンのように大変わかりやすく世代トップに立ちます。

ほかの浅野馬の判定は?

ヴィルシーナの17 →ぎりOK6日

ジャズプリンセスの17 →?

オータムメロディーの17 →ぎりOK1日

ヒアトゥウィンの17 →ぎりOK6日

浅野氏トップ推薦のヒアトゥウィンの17は、母がブラジル産馬なのでファミリーが広がらず、正直全姉のサトノワルキューレ頼みの判定。

姉は母似だったが、弟はいよいよ父似ですよ。

ヴィルシーナの17はキンカメ産駒なので、ごめんなさい。

【 結論 】クラシックを狙うなら浅野オシ馬もクラブ馬から、かな?

ルシュクルの17はトライアルを勝ってマイルカップで入着、というイメージ。あとは正直物足りない感じ。

次回は赤本本誌の本命馬たちをご紹介します。

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