今年のサンデーRはディープ牝馬優勢の予感?
今年のサンデーRには、牝馬のディープ産駒は多数いるものの、芦毛以外の牡馬は今回紹介する2頭だけになります。
ちょっと意外ですね。
そのかわり牡馬だと、オルフェーヴル、ロードカナロア産駒あたりにずいぶん力が入っているようで、このあたりが新しい時代の流れでしょうか。
出資者としても、新しい視点を試されているようで、ワクワクしますね。
基礎体力は姉以上もスピードに欠ける危険性が
▼ライラックスアンドレースの16 番号101
牡2・手塚貴久厩舎予定
父 ディープインパクト
母父 Flower Alley
3月24日生まれ 鹿毛
ご存じ昨年の2歳女王ラッキーライラックの下であり、ファミリー待望の牡馬ということでいやが上にも期待の高まる馬でありますが…。
【診断結果】
・優先祖先 父ディープインパクト
・馬場、距離適性 芝の中距離
・基礎体力値 75(平均50)
・スピード 疑問
・頭脳 普通
・総合 ★(満点は5つ)
優先祖先である父のディープは、サンデーの母であるWishing Well(1975)の影響が強いので、芝の二千あたりが本来の適距離と思われます。
これはディープ優先の馬(注:産駒全部ではない)なら共通の事項になりますので、覚えておくといいでしょう。
偉大な姉より1年後の産駒になり、体力的には姉と同等のよいものを持ちますが、母の2017年産駒(父ロードカナロア)が満点の体力を受け継いでいますので、狙うなら今年よりそちらかな、というのが本音です。
というのは、やはりこの馬が母の最良の発情期を逃しているからです。
活躍馬の年子だとある程度仕方のないことなのですが、姉や兄が生まれた後すぐにくる発情で種付けされると、姉たちとはちょうど「裏表の関係」になるので、スピードに欠ける産駒が多くなります。
そしてここからまた1年たつと、2年上の姉と同じ繁殖サイクルに戻るので、再びスピード面での上積みが期待できます(それが2017年産駒)。
本馬と同じサイクルである母の初仔、ライラックローズ(父Henrythenavigator・5月20頃種付け)もサッパリでしたので、スピード不足の危険はけっこう高いといえます。
それでもOPに行けるくらい母にはポテンシャルがあるかもしれませんが、姉には前年不受胎後の空胎ボーナスもありましたので、この牡馬に期待し過ぎるとガッカリするシーンも多いでしょう。
なにしろ高い買い物ですので、それに見合う背景がなければ推薦できないのが実情です。
兄の方がちょっと意外な適性を見せている
▼プラウドスペルの16 (競走名:プランドラー) 番号148
牡2 池江泰寿厩舎予定
父 ディープインパクト
母父 Proud Citizen
2月25日生まれ 鹿毛
今年春の新緑賞(2300M)を勝った評判馬グレートウォリアーの全弟。
ですが、この弟の評価を難しくしているのもまた兄だったりして…。
【診断結果】
・優先祖先 母父Proud Citizen(1999)
・馬場、距離適性 ダートのマイラーor芝の中距離
・基礎体力値 41(平均50)
・スピード 良好
・頭脳 普通
・総合 ★★(満点は5つ)
兄はディープの活性がギリ優勢でダート馬にならずに済んだ感があるので、ここから先の母の産駒は(全部父ディープですが)もっと芝を走れると思います。
優先と踏んだ母父Proud Citizenは、その父Gone West(1984)の影響が強いですが、Gone Westは産駒に長距離の芝を走れる仔もいて、ミスプロ系の中でもさほどダート寄りとは思いません。
それが出たのが兄なのかな、という感じですが、写真を見る限り本馬は兄よりプリプリしていて(まだ若いという事もある)、ヘタをするとダートのマイラーで終わる可能性もあります。
実は募集パンフにも正直にその辺は匂わせていて、血統計算上でも分類が微妙なくらい差はわずかですので、「適性がハッキリしない高馬」にはお金と票を突っ込みたくないのが人情というものでしょう。
ただ、2つ上の兄で現役のマジカルスペル(牡4・父Creative Cause・藤原英昭厩舎)がダートながらOPまで出世していますので、同じ繁殖サイクルの本馬にも一定のスピードの保証はあります。
かえってGウォリアーの方がスピードに欠ける分、長距離にシフトしたか?と勘ぐりたくなるくらいで…。
デビューが早すぎると芝の短距離で苦労するかもしれませんが、ダートで勝ち上がり、うまくいけば暮れの全日本2歳優駿あたりが最初のクライマックスシーンになりそうです。
精神面では兄たちより注意が必要で、ディープが強まる=Northern Dancerが強まる、でもありますから、イレ込みやコンプレックスの危険は兄以上です。
体力面では、4歳のマジカルスペルは母9歳時のMAX産駒というボーナスがありましたが、Gウォリアーと本馬は並み以下となっていて、慎重なケアが必要です。