普通に走れば牡牝両G1馬のスピードが一枚上だが…
▼NHKマイルC2019 有力馬基礎体力一覧
イベリス 72
ファンタジスト 44
ヴィッテルスバッハ 59
カテドラル 41
トオヤリトセイト 53
ワイドファラオ 34
アドマイヤマーズ ★69
グランアレグリア ★★88
プールヴィル 69
ハッピーアワー ★78
ダノンチェイサー 47
ヴァルディゼール 56
ケイデンスコール 78
クリノガウディー 31
グルーヴィット 25
マイネルフラップ 69
ミッキーブラック 77
こうしてみると、今年の3歳世代は主に
→配合上位(★)の馬がG1タイトルを獲り
→基礎体力値上位の馬が主要重賞を獲る
という図式でここまできたらしい。
となれば、皐月賞でも桜花賞でもないスピード自慢の高速馬場G1戦にふさわしい存在は、配合上位の基礎体力バッチリ馬、しかいないと思うのだがいかがだろうか。
そこで浮上するのが距離不安??のハッピーアワー
なにもすき好んで道中ハラハラする馬を紹介しなくてもいいとは思うが、府中のマイル戦に関してはとにかくスプリント寄りでもいいからスピード負けしない馬が買いたいクチで…。
エイジアンウインズがウオッカをおさえた現場を見て、ロードカナロアやストレイトガールこそが理想の存在であると気づいた自分は、やはりここ一番ではスプリンターを買ってみたいのである。
で今回登場願うのが、ファルコンSの覇者・ハッピーアワー(牡3・父ハービンジャー・武幸四郎厩舎)である。
▼ハッピーアワーの繁殖サイクル
Monarchy 57.4.22 4.6〜6.6
State 74.2.11 き× 1.25〜3.25
Narrate 80.4.6 ぐ(○) 3.20〜5.20
Yarn 87.3.1 き(×) 2.15〜4.15
Myth 93.2.26 ぐ○ 2.12〜4.12
ヨハネスブルグ 99.2.23 ぐ○
フェアレストケープ 02.3.3 き(×) 2.17〜4.17
サクセスシルエット 08.3.19 ぐ(○) 3.2〜5.2
ガンロック 15.3.19 き○ →BAD
ハッピーアワー 16.3.18 ぐ○
3代母Mythは名スプリンター・ヨハネスブルグ(1999・父ヘネシー)を産んで成功したが、本馬の2代母フェアレストケープを最高のタイミングで残したことも重要な功績である(後述)。
2代母と母はどちらもぎりBAD9日と2日判定であること、母の初仔のガンロック(牡4・父ノヴェリスト)がBAD判定で現在地方の金沢競馬で走っていること…ここさえ間違いなく読み切れば本馬はOK判定で、セリでも買える存在だ。
▼ハッピーアワーの優先祖先
父 ハービンジャー 活性値1
母父 ディープインパクト 活性値5
3代父 ストームキャット 活性値2
4代父 オジジアン 活性値1
5代父 ミスプロ ゼロ活性
もちろん父ハービンジャーの活性はブラストワンピースでMAX期を終えたばかりのミニマム期だから、ハッピーアワーは母似ということになる。
母には元来強い活性値の父馬がおらず、母父として選ばれたディープインパクトはちょうど活性値が高くない頃に絶好の機会で種付けされ、母の優先はサンデー系列のWishing Well(1975)となった。
よって母は小さな体で芝の9ハロンあたりを主戦場とし、中央での2勝はともに東京の千八で挙げている。
本馬ハッピーアワーも実は母と同じくWishing Wellを優先としている。
よって本来なら府中のマイル戦は何の問題もない条件で、むしろ母の実績からも大歓迎なのだが、昨年夏の札幌・すずらん賞(千二)で勝利した後、秋山騎手が「距離は千四より千二がいい」とコメント。
加えてその後のデイリー杯、シンザン記念というマイル重賞では入着止まり、前走のファルコンSで再び距離短縮が功を奏したように見えるので、ファンにとってここでは買いづらい存在かもしれない。
しかし中京の芝コースは千四ならマイル経験、マイルなら千八経験というように、当該距離より1ハロン長いスタミナが要求されるタフなコースであり、ファルコンSを勝ったミスターメロディが翌年の高松宮記念も勝った(同コースではあるが)のは偶然でもなんでもないと思う。
加えてよくよくレース映像を見返すと、デイリー杯もシンザン記念もスローペースで一番いい場所を陣取ったもの勝ちのレース(ハッピーアワー自身1分36秒台の走破タイムだし)。
ハッピーアワーはスタートに難があり、秋山騎手がソロッとていねいに出してピタッと折り合わせ、いつも最後方からの競馬を余儀なくされるだけで、決してゴール前も止まってはいない。
距離そのものよりむしろ「スタートと展開待ち」なのがネックかもしれない。
▼ハッピーアワーの基礎体力
Yarn 1.25
Myth ★2.0
フェアレストケープ 1.25
サクセスシルエット 1.75
1.75+1.25+2.0+1.25=6.25 → ★78
3代母Mythの最高の置き土産は、ヨハネスブルグと、この2代母フェアレストケープへのMAX活性継承だった。
しかし残念ながらハッピーアワーの後2年は不受胎続きで、母サクセスシルエットMAX活性期の産駒は残せずじまいだった。
▼ハッピーアワーの残存クロス
Northern Dancerに関しては5代血統内にクロスが3本残っているが、このうちハービンジャーはデインヒル経由なのでゼロ扱いとし、残りを計算する。
▼Northern Dancer
父系 0.5×1.75=0.875
母系 2.0×1.25×0.5=1.25
▼Lyphard
父系 1.0
母系 0.5×0.5=0.25
薄めとはいえちゃんとクロスは残存しており、クラシック向きでないことは確かなようだ。
【 結論 】ハッピーアワーはグランアレグリアやアドマイヤマーズの相手もしくは3着候補としてそっとマークしておくべし
せっかくのG1だもの、また★馬同士で決まってもおかしくないよ。