さてアイツの扱いをどうしますかねぇ
あれ?「1000万→100万」「獲る→出るか」って、タイトルからしてかなりトーンダウンしてるじゃん…
いやまあ確かにアイツが出てこなければ重賞としてのレベルもどうだったかわからないくらい、今年の小倉大賞典はちょっとヒドいメンツと思うけど。
…にしてもそうですか、ヴェロックスですか。シルクロードSへの登録はこのための準備段階でしたか。
そりゃ確かにここに入ったら歩んできた道のレベルは他馬と2枚は違うはず。だけどそんなにうまくいかないのが競馬ってもので、値踏みや皮算用が一番危ないのも競馬の常なんで。
でもね、もし本当に100万馬券が出るなら、こういう単勝1倍台の馬が出ることがこれ以上ないお膳立てにはなるんスよ。飛ばせばいいんだし。
というわけで、まずはこの用意周到?策に溺れる?ヴェロックスの分析からスタートしなくてはなるまい。
ヴェロックスの血統を見る
ちょっと説明がややこしいので、いま次回用に作成中のパワポから1枚追加で血統表を書いてみた。
ヴェロックスは父ジャスタウェイの活性も高いが、3代前のGrand LodgeがMAX活性をもつ。
だから母セルキスの産駒は何事もなければ一様にこのGrand Lodge系が優先になり、あとは何代さかのぼるかの計算なのだが、ヴェロックスは祖母で優先が止まるため、祖母がどんな馬かを見たいなら、もう1代上の5代前父High Gameの活性値も計算する必要がある。
そこで西暦を見ると、この5代前父High Gameが16歳時MAX活性であることはわかるが、正確な誕生日までは古くて不明。
だが3代前Grand Lodgeがまだ自分の満8歳誕生日前に種付けしているのに対して、4代母Sankt Johannaは83年4月の種付けと思われるので、確率的にはHigh Gameの方が同じMAX活性であってもGrand Lodgeよりわずかに活性高い(こともある)と予想できる。
よってヴェロックスの祖母Schwarzachはその父Grand Lodgeではなく、High Gameの影響がより強い馬ということになる(こともある)。
どちらも独国系ではないが欧州系で、Grand Lodgeが芝マイラータイプなのに対して、High Gameは芝のクラシックタイプと、距離適性はかなり異なる。
菊花賞こそ「距離長過ぎた」と川田に言わせてしまったヴェロックスだが、さりとてこのHigh Gameの後押しがなければ、淀の直線では一瞬たりとも夢を見られなかったはずなのである。
過去のG1級名馬と小倉での走りっぷりを比べる
一部で小倉大賞典に後のG1馬が出走するのは、あの音速の貴公子・サイレンススズカ(これってA・セナじゃないの?)以来だと記事があったけど、調べたら98年の小倉大賞典は中京開催でやんの。
98年 サイレンススズカ
優先 母ワキア(ダ・マイル)〜ミスワキ(芝ダマイル)
でも自分の頭の中では小倉大賞典の過去馬を調べる気はなくて、夏の小倉記念でもいいんじゃないかと思ったのよ。中でも一番気になっていたのが、すでに2歳時G1ウィナーでありながら夏の小倉記念に参戦したドリームジャーニーのことだ。
ドリームジャーニー Nantallah(ダ・マイル)優先
08年小倉記念 4歳夏57キロ 1.57.9 3馬身差
2着 ダイシングロウ コインドシルバー(ダ・マイル)?
3着 ケンブリッジレーザ ウェルシュマフィン(芝マイル)
これは本当に強い競馬で、2着3着馬の顔ぶれを見れば4角ほぼ先頭からのひとまくりで3馬身突き放すのも納得の走りだった。
また新しいところでは13年に2着だったラブリーデイの名前もあった。
ラブリーデイ キンカメ優先
13年小倉記念 3歳夏53キロ2着 1.57.3 ダービー後休み明け
1着 メイショウナルト 母〜ダイアトム(洋芝中)
3着 マイネルラクリマ 母〜Lady Victoria(ダ・マイル)
そして昨年夏のメールドグラース。
メールドグラース 母〜ヌレイエフ優先
19年小倉記念 5歳夏57.5キロ 1.58.8 クビ差 2重賞含む4連勝中
2着カデナ 母〜マイチャーマー(ダ・マイル)
3着ノーブルマーズ 母〜(亜・芝)
さてこれと今回のヴェロックスを比較すると
ヴェロックス 祖母〜High Game(芝クラシック)優先
20年4歳冬 57キロ
…ううんそうねえ……各年のメンツ次第とはいえ、57キロ背負って横綱相撲取ろうと思ったらなんかちょっとまだ実績足らない気がするのは心配性のオジサンだけかな?
賞金加算とか、勝ちぐせ付けるとか、3歳世代のボス争いから離れて新天地でリスタートとか、理由は何でもいいんだけど、今回いきなりヴェロックスが4角先頭くらいに伸び伸びと躍動するシーンってのが、オイラにはどうしても想像できないんだよなあ。
血統的にもどうせならHigh GameよりはGrand Lodgeの方が小倉千八にはピッタリで、これはまた後日お話しするが、もっとシャキシャキ動ける機動力高そうな血がほしいところ。
おそらく彼の強い条件というのはもうちょい長い非根幹距離で、それでいてちょっとギミックのあるコース形態がいいんじゃないかと推測するが(宝塚とか有馬かな?)…。
ということで次回やっと、過去の小倉大賞典と各馬の適性を見ることにする。