▼一口馬主クラブ新種牡馬2025 堅実の10頭+1解説 1.7

※これは1月7日YouTube動画の台本原稿です。

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こんにちは、ドルメロチャンネルです。
さて2025年、通常動画の第1回目は、恒例となりましたクラブ会員さん向け1歳世代の新種牡馬解説です。

今年、会員さんに産駒が初めて披露される期待の新種牡馬たち10頭とオマケの1頭をさっそく見ていきましょう。

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チャンネルでは、これから新種牡馬をランキング形式で紹介しますが、ここでのランキングというのは単なる初年度の種付け数ではなく、実際に血統登録された産駒の数によるものです。

よって巷の種付け数順とはまた違ったベスト10になりますが、私は登録数の方が、受胎率の高さ、産駒の健康さ、その後の生育の順調度など、つまりは種牡馬が持つ繁殖力の強さの一端を示したものと考えています。

一般に受胎率に問題がある種牡馬は、翌年からは生産者さんにかなり警戒され、一気に種付け数を減らす傾向にあります。すると産駒数は急激に減り、今後皆さんの目に触れる機会も少なくなる。ならばランキング的には下位でもいいのではないかと考えたわけです。

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さて2025年のクラブ新種牡馬たちの顔ぶれをひとことで表すなら、ずばり「狭間の世代」ではないでしょうか。

昨年鳴り物入りで登場したコントレイルという大物が通り過ぎたばかりなのに、また1年後にはイクイノックスというバケモノも控えている。まさに「前門の虎 後門の狼」。今というチャンスをつかまなければ明日はもうない、そんな危機感たっぷりの狭間の世代、です。

しかし2頭の大物に挟まれていると言っても、今年の10頭はかなりの個性派であると私は見ます。それは馬そのもののキャラクターもそうですが、自分の今おかれた活性サイクルの時期がけっこうバラバラなことにもよります。年齢層の幅が広いといってもいい。

それは父を活かすか、それとも母を活かすかという配合の話に繋がりますが、その辺もぜひ参考にしていただければと思います。

それではクラブ新種牡馬解説2025、さっそくランキングの発表です。

(4)(5秒ジングル)

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第10位は、カラヴァッジオ。登録数は45頭、登録率は35.1%です。

のっけからみなさんこの数字に違和感満載だと思うんですが、このカラヴァッジオに関しては、種付け128頭から血統登録まで至った産駒数がたったの45頭という異常さ。これは彼の体内で何かが起こっていると見るしかないレベルの数値です。

実はカラヴァッジオは当時からその受胎率の悪さが公式にアナウンスされ、JBBAから謝罪のコメントまで出されたほど。

なんでもシーズン後半になるにつれ、数値は改善していったというのですが、その他の馬の平均受胎率が80%あるところ、結局この年カラヴァッジオは57%(73頭)しかなかった。

しかももうひとつ驚くのは、この57%受胎したはずの産駒のうち、登録された率はさらに下がって35%しかないという点です。

もちろんここに至るまでには事故等もあるんだろうけど、でも128頭の種付けから、結局競馬デビューに至りそうなのが40頭そこそこというのは、はたして希少とかなんとか言うべきなのか。

案の定、2世代目は種付け数が半分に落ちていますし、今の父は劣性期の真っ只中。これなら最初から他を当たるのが筋というものでしょうか。

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第9位は、ジャンダルム。登録数は55頭、登録率は78.6%です。

この数字を見てやっと安心しますが、何を隠そう今年のベスト10メンバーの中でも飛びきり登録率が高いのが、このジャンダルムです。

自身も2歳9月のデビューから淡々と勝ち星を重ねて、最後の最後まで能力が衰えず7歳でスプリントG1を勝った歴戦の強者ですから、その体質面が産駒にもよく現れているのでしょう。

配合的には複数クロスもあって、決してスッキリとした血統構成ではありませんが、間違いなく父Kitten’s Joyの後継としての価値はあると思います。外国産にしては誕生日が遅めで、初年度はこのMAX活性を活かしたほぼ父似の子ばかりのはずです。

父似産駒の優先祖先候補、Kitten’s Joyは芝の中距離馬ですが、その形は母系の奥深くPrince Johnあたりに源があって、アメリカンダミーの影もチラホラ。

よって足元はやや硬めかもしれませんが、日本ならやはり父のように芝のマイルから短距離が走りやすいかな。ダートは軽い馬場がベターでしょう。

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第8位は、ステルヴィオ。登録数は58頭、登録率は63.7%です。

引退当時の紆余曲折を経て急きょのスタッドインでしたから、さてどれくらい牝馬が集まるかなとみていたら、意外とイケてた。種付けは91頭。この年私もオーナーさんにお勧めしましたよ、このステルヴィオ。

それは9位のジャンダルムとは違って、本馬の誕生日つまり種付け日が早いので、MAX活性の時期が短くて、春後半にはゼロ活性が望めるから。サンデー牝馬に弊害無しで付けやすいんですね。3月初旬にはもうゼロになる。

だからステルヴィオの初年度産駒は、誕生日をよく見てください。4月生まれなら確実にサンデーやミスプロのクロスを無効扱いできる掘り出し物がたくさんいるはずだから。

よってMAX活性世代だけど、父似の子は意外と少ないでしょう。形も母の血統をよく見た方がいいね。もし貴重な父似の産駒なら、優先祖先がカナロアでもファルブラヴでも少し時計がかかる芝がいいはず。お父さんにもその気配がありましたしね。

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第7位は、マカヒキ。登録数は58頭、登録率は55.8%です。

本馬も最後まで種馬になれるかどうか、ヤキモキしていたファンが多かったですが、初年度としては上々の104頭種付けを果たし、いちおうの成果を上げました。

ただ残念なことに晩年のスタッドインでしたから、初年度から自分が劣性期入りしてしまい、産駒に形を伝えることはありません。夢を託すなら、母系の形をよく見て信頼できる形に投資してください。

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第6位は、オメガパフューム。登録数は77頭、登録率は49.6%です。

形的には間違いなく母父ゴールドアリュールの後継と考えていいし、この世代にはその形を継いだ産駒もたくさんいるんだけど、ひとつ心配なのは、やっぱり本馬も登録率が5割を切ること。種付け自体は155頭もいたんだけどね。

父自身は7歳までバリバリの一線級だったし、丈夫だからこその東京大賞典4連覇だと思うのですが、それがあんまり産駒に伝わっていないのかなあ。

確かに父は2歳の千葉サラ出身なのに、デビューは年明けでしたから、意外とじっくり取り組んだ方がいい体質なのかもしれないね。

まあ5割あれば過度な心配は要らないし、翌年もちゃんと126頭付けている人気の父だから、生産者さんはあまり気にしていなさそう。悪い噂もないみたい。

こちらは誕生日が遅めのジャンダルム型MAX活性なので、初年度は父似の子がたくさんいるでしょう。社台系はじめ大手もけっこう付けているので、サンデークロスを回避できた配合馬がいれば、一発ダートの大物が望めそうですね。

(10)(5秒ジングル)

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さて後半戦の前に、ベスト10圏外でちょっと注目しておきたい新種牡馬を1頭ご紹介します。
それがこのストラクターです。

もうおわかりですよね。父があのパレスマリス。ただ初年度産駒の数自体は少なくて、29頭種付けの18頭登録。率も平均並みの62.1%ですから、普通はこのままならもう消えてしまいそう。なんですが!

流行り廃りというものは怖いもので、導入後の奇跡の追い風がハンパなかった。

これがジャンタルマンタル広告効果なのか、はたまた父のおこぼれなのか、2世代目24年の種付け数が何と一気に68頭へジャンプアップ。これはジャンダルムやステルヴィオの2世代目より上位にランクされるから、もう無視できないレベル。

そう、初年度産駒は全く見かけないかもしれませんが、来年かなりの確率で日高系、バイヤー系クラブに1頭くらいは入ってくるかも。第2のシスキン現象は果たしてあるのか、父同様、来年に注目したい1頭です。

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さあランキングに戻りまして、第5位はホットロッドチャーリー。登録数は80頭、登録率は60.1%です。

これも社台系には珍しいくらい突然のスタッドイン発表、そして来日。でしたが、私にとっては思い出の種牡馬なんですね。

当時私はあるオーナーさんの配合を考えていて、ちょっと迷っていたのですが、年明けに社台がホットロッドチャーリー導入という知らせにピンと来て、すぐに調査。

「この父の形はもろデピュティミニスターです。父似ならいい形に出ますから、これでいきましょう」と強く推薦しまして、4月に種付け、無事受胎して、オーナーさん初めての牡馬を授かりました。何しろ馬体が立派に出て、牧場でも褒めていただきましたね。

そう本馬は文字通り、直系のDeputy Ministerの遺伝そのままなんですね。日本にもある程度適性があるおなじみの系統です。3つ上の半兄がミトーリMitole、昨年私のPOGメンバーに2頭入れたスプリンターの父ですね。

父のOxbowは超マイナーですが、こういう場合、なぜこのマイナー血統が現代に遺伝されたかを考えれば、むしろその後ろに控える血が相当優秀なんだと捉えるべきです。

アメリカのマイナー種牡馬をよく見ると、その後ろにシアトルスルーSeattle SlewやBoldRulerら大物の形が控えているケースがけっこうあります。

この父なら日本ではさすがにDeputy Minister以外にクロス候補もいませんし、社台系でもきれいなアウトブリードの産駒が多いですね。

こういう1世代、間を取り持つ種牡馬の存在が30年後の血統に意味を持ってくる、社台Gはそのことを誰よりもよく知っていますね。

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第4位は、ウィルテイクチャージ。登録数は86頭、登録率は49.4%です。

本馬は私も何度か配合相手に推そうとしていた、いや実際に推したかもしれない父ですが、ここまで登録率が低いとは知りませんでした。

しかもこれだけランキングの上位で、174頭もの種付けをしたあと登録が5割以下ですからね。さすがに生産者サイドにも思うところがあったとみえて、2世代目はなんと86頭まで半減しています。

ダーレーでは、現在パレスマリスフィーバーの最中とは言え、その一方でこれはちょっと寂しい数字ですね。

血統的には本馬は父Unbridled’s Songのゼロ活性産駒。ミスプロの影響がないこの軽さが何よりも素晴らしい。

父似産駒の場合、形は日本でも実績のあるデヒア〜Secretariatのラインを活かせるはずで、年齢的にもちょうどこの世代から2回目の優性期が始まりますし、ダート3冠路線にはもってこいの血のはずなのに、これはハッキリと痛いつまづき方です。

クラブにどの程度入ってくるかは不明ですけど、名前の割にあまり深追いしたくないタイプに見えます。

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第3位は、サリオス。登録数は大台の108頭、登録率は61.3%です。

紛れもない父ハーツクライの正統後継。その割に父とはあまり似ていない馬体のパーツだったと記憶していますが、本当にパンとするまで時間がかかったり、歩様や後肢にやや頼りないところがあった点などは、ウーンやっぱり父譲りかなと思わせる一面もあります。

現役生活や成績面が100点満点だったかといえば、いろいろな意見があるでしょうが、私の見た限りでのベストレースは22年秋、彼が5歳時の毎日王冠2度目のレコード勝ちでした。

当日はもう素晴らしい仕上がり具合で、負けるなんてみじんも思わなかったし、ああこれがサリオスの完成形かと感じたパドックが忘れられません。
が、冷静にみればみるほど、もしかしたら彼の競走適性はピンポイント的にかなり狭いのかも?という印象も拭えませんでした。

古いマイラーにトロットサンダーという追込の名馬がいましたが、サリオスを見ていると私はどうも不器用だった彼のことを思い出してしまう。

一定の成功を収めるとは思っていますが、できればサリオスの印象とはかけ離れた牝馬との配合で、適性広めの新境地を歩めそうな産駒に期待したいです。

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第2位は、チュウワウィザード。登録数は114頭、登録率は59.1%です。

キンカメの後継者少ない問題は、いまだすっかり解決したわけではありませんが、ここへきて一筋の光明が見えてきた気もする。

というのは3歳ダート路線の整備やダート界そのものの地位向上によって、いまやダート種牡馬にも地方競馬の深いダートへの適性を求められる場面が本当に多くなった。

以前私も大井競馬場の白砂採用や砂厚調整について採り上げましたが、気がつけばあの動画がいまだにちょくちょく視聴回数を稼いでいる。

関係者含め、やっぱりみんな「今までとは違う」と感じているんですよ、勝ち馬の適性が。
シニミニやヘニーヒューズ、パイロの後釜を求めている。

そのひとつの答えになり得るのが、地方競馬とキンカメ直系父の相性、ですよね。

ホッコータルマエに始まり、このチュウワウィザード、そしてジュンライトボルト。
ロードカナロアでは試せなかった、もっとリーズナブルなキンカメ系として、彼らが今一度地方の深いダートで旋風を起こせるかどうか、キンカメ直系種牡馬の未来はそこにかかっていると、私は思います。

本当はラブリーデイにも間に合って欲しかったけど、時の流れだから仕方がないね。
この辺はまた別の機会に詳しくやります。

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そしてこの世代の第1位は、エフフォーリア。
登録数は124頭、登録率は62.6%です。

現役生活後半の様子が心配でしたし、決して予定通りのスタッドインではなかった。
ただ幸いだったのは彼にとって1年でも若いうちから繁殖に入れたということ。
その辺が生産者さんにも伝わったのか、エピファネイアの正統後継として、まずはこうして数を揃えられたことを歓迎すべきですね。

ただドルメロ的には、父エピファネイアが一度天下を獲った理由が、ひとえにサンデークロスを自然に回避できる血統構成だったのは間違いのないところ。
エフフォーリア自身がその恩恵を受けた名馬である一方、自身にはサンデーの活きたクロスが残っている。

これを単にクロスしてしまうと、そこら辺にいるサンデー系種牡馬と何ら変わりない存在に落ち込む危険性も秘めている。一時期のモーリスやらルヴァンスレーヴの二の舞があるかもしれない。気性に問題が出たり、能力が平均的に馴らされてしまうかもしれない。

飛び抜けたエフフォーリア産駒の誕生というのはやっぱりサンデーフリーの配合からではないか、私はそう期待しています。

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クラブ会員さん向け 2025年1歳世代の新種牡馬解説、いかがだったでしょうか。

この動画を出しますと、もうクラブシーズンが始まったなと実感します。年が明けて年齢が1歳となった仔馬たちが皆さんとの出逢いを待っています。

この世代の新種牡馬は目立つ方ではありませんが、そのかわりじっくり探し甲斐のある通なメンバー構成だと思います。もちろんお宝もいるでしょう。それを発掘するのはあなた自身の目です。

今回の動画はここまでです。
ご視聴ありがとうございました。

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