▼シルクホースクラブ2019 1歳馬最速解説 関西馬編(No.42〜50)

フェデリコ・テシオの血統理論がよみがえる
YouTube【 ドルメロの魔術師チャンネル 】

動画第3弾アップしました!
視聴回数少ない今ならあなただけの血統論として使い放題!
いつもご視聴ありがとうございます。

※最速解説のトリセツ2019(必読)

(1)前年同様、判定はOK、ぎりBAD、ぎりOK、?の4つに分類し、かつこの順に走る可能性が高いとみる

(2)?はBAD判定に加え、難解な判定のため見送った馬を含む。よって?の全部がBADではない

(3)今年は筆者からのオススメ、5つ星付けなどは一切しない(もちろん馬の長所を褒めることはたくさんある)

(4)記載データの写し誤り等が必ずあるので、正確な情報はクラブのHP等で確認のこと。あくまで18年度産駒の判定、分析を主とする

(5)現時点で筆者は実馬を一切目にしていない。判定は机上の計算と写真、動画を参考にした程度であることをご了解いただきたい

(6)この判定に沿って読者が指名、出資されたために起きた損害等について、筆者は一切の責任を負わない。この特集を読まれた方はそれらを全て理解した上で活用されたい

シルクホースクラブ2019 1歳馬最速解説 関西馬編(2)

・募集番号 
・母馬名の18(性別)
・父馬名
・判定
・直前の兄弟との誕生日差(プラスの馬を推奨)
・何番目の仔か
・17年産の評価【最新版】

42 サミターの18(牝)

 父 ハーツクライ
 →ぎりOK0日
 −1日 4番仔
 サミターの17 →ぎりOK1日

【 優先祖先 】 ハーツクライ
【 基礎体力 】 ★53

これは優先祖先の決定になかなか迷う1頭。
4代までの種牡馬にMAX活性が3頭いて、そのうちハーツクライと4代父Green Desertはもうどちらが高活性かわからないくらいの微差。

で、参考として16年産に半兄ダノンチェイサー(父ディープインパクト)がいますが、この馬はディープの活性値が5のときの産駒なので、優先はまっすぐにGreen Desert(1983・ジュライC勝ちスプリンター)へ向かう血統。
したがって、ディープに似ず腹袋もデカいし、距離が保たない。

本馬はハーツががんばってなんとか父似か母似かの瀬戸際まで戻しているものの、肝心のどっちが優先かの決定は非常に難しいです。(流星でハーツにしたくらい)

だからこの仔は芝を使っているうちに距離適性を見て「ハーツだなorGreen Desertだな」と初めてわかる感じかもしれません。

サミターMAX活性を受けながら基礎体力★53ということは、3歳までに2勝あげて桜花賞に出ればそこがいったんピークという早熟タイプ、3歳春はモサモサしているうちにクラシック終わっちゃって、古馬になってどこかで連勝し出す晩成タイプ、このどちらかだと思います。

Northern Dancerクロスは確かにあるし(母系が薄い=0.5)、誕生日もぎりマイナス。
だけど実馬は小柄ながら歩様もいい。悪くない1頭です。

43 ストゥデンテッサの18(牝)

 父 ハーツクライ
 →OK
 +1か月14日 7番仔
 ストゥデンテッサの17 →OK

【 優先祖先 】 Montparnasse(1956) 芝マイル
【 基礎体力 】 44

ストゥデンテッサはアルゼンチンの活躍馬でありながら、遺伝の及ぶ6代前までただの1頭も優性の種牡馬を持たない女系家族の出身です。

こういう馬は優性期なら何を付けても父似になるので、本来なら産駒の姿が読みやすい繁殖なのですが、実際は日本でも劣性期の父を付けられたことで配合の焦点がボケた馬が多く、いまいち走っていません。

加えて母自身のNorthern Dancerの活性値がけっこう高く、父ディープやキンカメ、ゴールドアリュールではクロスの弊害が心配でした。

しかしそこから種牡馬世代が1代新しくなり、17年産の父ジャスタウェイ産駒(東京ホースRのレッドロジンカ)は5代血統表が初めてオールクリアになり、加えて待望の父似&OK産駒ということで、これなら少し期待してもいいのではないかと思います。

さあそこで18年産の話ですが、初めての父ハーツクライは残念ながらやはりNorthern Dancerクロスが気になります。
ハーツ自身がMAX活性期ということもあって、父母ともに活性強い。

それからファミリー全体に基礎体力が低い。
それも産駒がしっくりこない原因のひとつかと。
サミターの仔と比較しても、お腹の線があまり好きではありません。

47 ベルアリュールⅡの18(牝)

 父 オルフェーヴル
 →ぎりOK3日
 なし 5番仔

【 優先祖先 】 Special(1969)
【 基礎体力 】 ☆69

優先はヌレイエフサドラーの一族を輩出した名牝Specialの系統。

自身はForli(1963)というアルゼンチン産の大種牡馬の影響が強く、米国ではダート馬をたくさん出しましたが、芝適性も内包しています。

オルフェーヴルは動画でもお話ししたとおりこの年はミニマム期ですが、ヴィクトリアマイルを勝った半姉アドマイヤリードも祖父ステイゴールドの劣性期産駒(活性値2)でした。

本馬はその辺も狙っての同種配合でしょうが、なにしろ母は仔出しがあまり良くない繁殖で、配合を考えてもなかなか実を結ばないのがネックでしょうね。

姉はSpecialより1世代下のNumber(1979)が優先で、Number自身はダートの短距離馬でしたが、母似のミスプロゼロ活性産駒・ジェイドロバリー(1987)が仏のG1を勝っているように、やはりこの牝系は芝適性があるようです。

ということで、本馬も芝のマイルからが主戦場と見ます。

クロスに関してはオルフェーヴルミニマム期が功を奏して、父方のNorthern Dancer活性値が0.25×1.5×0.25=0.09375<0.125と無視できるレベルに薄まりましたので、本馬は実質アウトブリード扱いです。

ベルアリュールⅡは祖母Mare Aux FeesMAX活性産駒で、基礎体力も十分。

動画の歩様も及第点。金色のたてがみをなびかせ、グッドルッキングなお嬢さんですね。けっこう面白い存在だと思います。

49 パーフェクトマッチの18(牡)

 父 ルーラーシップ
 →ぎりBAD5日
 +4日 9番仔
 パーフェクトマッチの17 →ぎりOK1日

【 優先祖先 】 Special(1969)
【 基礎体力 】 72

さっき噂をしたらホントにまたジェイドロバリーが出てきて、しかも同じ優先候補という偶然!

本馬は私の思い出の馬トウカイポイントの一族で、11番人気で制した02年のマイルCSが忘れられません。

だからといってえこひいきするわけではなく、地味ながら配合面でとても良いところがあるんです。

とくにクロスの面ではミスプロクロスが先ほど言った母系ジェイドロバリーゼロ活性で消え、ノーザンテーストクロスも父系のダイナカールゼロ活性で消え、父母の協力作業で見事にアウトブリード扱いとなっています。

加えてMAX活性こそないものの、4代でコツコツ積み上げた体力が72。

4系統配合にリアルシヤダイという「仕掛け型種牡馬」(産駒の頭脳を一新する)が含まれるなど、あちこちにギミックが仕込まれていて興味深いです。

動画でトモがぐっと張ったように見えるのはまだ腰高のせいもあるそうですが、いや立派に見えるのは悪くないこと。

全姉のビートマッチ(2014・母パーフェクトマッチ似・ぎりBAD6日)もシルクさんで走って2勝以上の素質があったように、この配合はいいと思います。

50 エスメラルディーナの18(牡)

 父 ドゥラメンテ
 →ぎりBAD1日
 +3か月11日 2番仔
 エスメラルディーナの17 →?

【 優先祖先 】 祖母ターシャズスター 芝ダ
【 基礎体力 】 66

血統表が大変シンプルでクロスもなく、その点はとてもいいのですが、誕生日プラスが大きくて、なにかあったのかなと勘ぐりたくなってしまいます。

誕生日マイナスは先のきょうだいが生まれてすぐに種付けされた痕跡と見て避けている(詳細は今年のPOG赤本に)のですが、逆に本馬のように3か月以上も空くと、これはこれで「この年はなかなか種が付かなかったのかな?」なんて邪推をしたくなるわけです。

サラブレッドの生産では「配合変更」といって、その年に付ける予定だった父馬を諸事情で途中変更することがあります(届け出が必要とか)。

本馬がどうだったのかはわかりませんが、空胎以外で馬の誕生日として一番理想的なのは

▼前年のきょうだいと比べてプラス10日まで

これが出産後最初の発情を回避し、次の発情で種付けした最も早い受胎パターンだろうと思います。(OKである限りシーズンの早い発情で種付けすることも重要)近年のダービー馬の多くがこれに当てはまります。

まあ名馬の中にはじっくりBADの2か月をスキップし、次のOK2か月を待った馬もいますけどね。(オルフェーヴル約4か月やアーモンドアイ2か月弱のように)

話を戻して、本馬は4代父Relaunchの活性が高く、芝ダート兼用の適性をみせています。

5月生まれでまだ馬体も薄めということですが、鍛錬に耐えるだけの基礎体力はありますし、条件を問わないレース選択が可能というメリットもありますので、クラブライフをゆっくり楽しめる人向きの晩成タイプでしょう。

44 パーシステントリーの18 →?
 なし

45 スリールドランジュの18 →?
 スリールドランジュの17 →OK

46 ペンテシレイアの18 →?
 ペンテシレイアの17 →?

48 ウインフロレゾンの18 →?
 ウインフロレゾンの17 →?

▼シルクホースクラブ2019 1歳馬最速解説 関西馬編(No.42〜50)」への2件のフィードバック

  1. 動画拝見しました。

    一気に難しくなりましたが、優先祖先の決め方もなんとなく分かった気がします。(ここを理解できるようになると相当面白くなりますね!)

    1つ分からないことがあったので質問させて下さい。

    動画のキタサンブラックの例ではブラックタイドの2からサクラバクシンオーの7を引いて-5になりましたが、ここが0になる場合はどうすればいいのでしょうか?

    シルクのカラフルブラッサムの18の優先祖先が何故カラフルブラッサムではなくキングカメハメハになったのでしょうか?

    パレスルーマーの18も同じです。

    skywalkerになったのはどうしてでしょうか?

    ここまでくると誕生日も関係してくるということでしょうか?

    質問ばかりで申し訳ありませんが、よろしくお願いします。

    1. わにさん、こんばんは。

      そうだ!そこをちゃんと説明しなきゃいけなかった!

      わにさんのおっしゃるとおり、活性値が整数で横並びなら、たとえ3頭でも4頭でも誕生日の差まで見て優先を判断します。

      もう一度カラフルブラッサムの18を調べましたが、

      カラフルブラッサムの18 18.3.19生 →17.4.19頃種付け
      キンカメ 01.3.20生(満16歳と1か月)

      カラフルブラッサム 10.3.30生 09.3.30頃種付け
      ハーツクライ 01.4.15生(満8歳と15日)

      というわけでキンカメが15日分優先としています。活性値は8+αと書くこともあります。

      ま、この場合はカラフルブラッサムの18がどうみてもキンカメそっくりなので、これは確信があります。

      でも普通2頭の父が格好もよく似ていてかつこんなに誕生日が近くで競ってしまうと、もう判断することが不可能な場合もあるでしょうね。
      馬にとって誕生日が出産予定日から10日や2週間ズレることなど日常茶飯事ですから。

      グランアレグリアも実はディープとタピットの間が+α(2か月。これは間違うことはない)の関係です。タピット優先のはずです。
      だから瞬発系と言うよりアメリカンなレースぶりですよね。

      次回の動画の最初に少し補足しようと思います。
      ご質問ありがとうございました。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です