桜花賞は桜花賞だけのマイル女王になる気がして
桜花賞馬アーモンドアイ(父ロードカナロア・国枝栄厩舎)の実力が飛び抜けているのは確かだとしても、府中の二四ではあの末脚は逆に「切れすぎる」感じがする。
同期の中だけなら我慢してしまう名牝かもしれないが、本質はマイラーだったとき、そこに付け入る隙は十分にありそう。
そこで今年は「オークストライアル」組が幅をきかせると見たのだが、やはりそんなに都合よく新星候補は現れないか…。
帯に短したすきに長し、とはよく言ったもので、フローラSで好走しても、そこからさらに2ハロン延長をこなせる馬なんかそういやしないんだと痛感する今日この頃である。
指数トップ馬の毛色がどうもおかしい
▼フローラS2018 基礎体力表
デュッセルドルフ 72
カーサデルシエロ 63
ジョリルミエール 63
ハイヒール 63
ガールズバンド 56
サラキア 53〜
サトノワルキューレ 53
ノーブルカリナン 50〜
アストラサンタン 50
センテリュオ 50
パイオニアバイオ 50
ラブラブラブ 50(平均)
オスカールビー 47
ノームコア 44〜
レーツェル 44〜
ディアジラソル 41
ヴェロニカグレース 41
オハナ 38
レッドベルローズ 38
ウスベニノキミ 31〜
ファストライフ 31
指数トップは3戦2勝のデュッセルドルフ(父ノヴェリスト・木村厩舎・栗毛)。
しかしこの馬、優先祖先がサンデーのはずなのだが、毛色は栗毛。
もちろん血統表上に(サンデーの母父Understandingをはじめ)栗毛の馬は存在するが、どれも劣性であると計算され、発現する理由が今の私にはわからない。
しかも彼女はかなり特徴的な栗毛で、顔一面の大流星と両後ろ脚の二白が鮮やかだから、本当は「この祖先を継いでいるな」と見比べればわかるはずなのだが、あいにくそれもかなわず…。
母系の候補、Bering(1983・仏ダービーなど)もきれいな栗毛馬だが、こちらは脚に四白(いわゆるソックス)なので、もっとド派手な馬。
こうなると真の距離適性などがよくわからなくなってしまい、指数トップでも買いなのかどうか判別しにくい。
いちおう応援はするが。
その下の2位グループからは大混戦。
未知の魅力がありそうなのが、カーサデルシエロ(父ロードカナロア・藤原英昭厩舎・黒鹿毛)。
出た!ついに皐月賞までぶっこ抜いた勢いNo.1厩舎からまた1頭。
いや、ほんと今年の藤原厩舎3歳の手駒は豊作を通り越して「違反」レベルかも。
毎週のようにこのブログに候補が出てくる厩舎なんて、他にはひとつもないもん。
カーサの優先祖先は父ロードカナロアで、その父キンカメの影響が強いのだが、ここは一気の重賞挑戦と距離延長、輸送などもあり、人気がない時だけおさえで。
距離というファクターを考え合わせたら
さてここまで挙げた上位馬は「距離」の不安が拭えない印象だったが、さらにその下までいくと、距離込みでちょいちょいおもしろい馬が出てくる。
たとえば前走二四のゆきやなぎ賞を勝った、指数53のサトノワルキューレ(父ディープ・角居勝彦厩舎・鹿毛)。
こういう距離保つディープ産駒は、絶対に母系でスタミナを補っている。
サトノの優先祖先も案の定、母父のRoi Normand(1983)という芝12ハロンのG1勝ち馬で、仏では二五のリステッドを勝っているくらいだから現代で言う「ちょいステイヤー」の部類。
ただし一番影響が強いのはそこからさらに3代さかのぼったCarvin(1962・鹿毛)というフランス馬。
仏ダービー(当時二四)や米のワシントンDC国際などで好走、主に10ハロンあたりを得意としていたので、広いコースの大箱二千はお手のもの。
どうも予想ではかなり人気しそうだが、それだけで嫌うとイタい目に遭いそう。
指数50〜という扱いで、もしかしたら体力ではトップ級かもしれないノーブルカリナン(父ディープ・友道康夫厩舎・黒鹿毛)もおもしろそうだが、このディープ産駒はサトノとは逆に、母系でスタミナを強化されていない。
優先祖先は母父のSmarty Jones(2001)で、その父・Elusive Quality(1993・鹿毛)、あるいはそれ以前の祖先(ミスプロの母・Gold Diggerの可能性も)の影響を強く受けているので、距離伸びていいファクターがひとつもない。
あくまで穴候補で一考を。
今回は十分フレッシュなら体力では平均以上という馬が多いので、あまり人気がなくてもバカにせず、当日のパドックで落ち着いていたら一票を投じてみると楽しめそうだ。