飛ぶ鳥を落とす勢いの人気クラブ!ドドンと3頭ご紹介
レイデオロ、リスグラシューをはじめ、G1レースに有力馬を送り込み続ける常連となった人気クラブ、キャロットさん。
これまでご紹介したサンデーCなどに比べて出資額がグンとリーズナブルでありながら、この立派な成績。
とはいえ、やはり一部の人気血統馬はそれなりに高くなりつつあります。
G1馬から未勝利まで…ピンキリ、夢と現実という言葉がこれほどピッタリくるクラブは、こことシルクさんをおいて他にはないでしょうね。
ディープ産駒に関しては、今回ご紹介する3頭のみが(スピード面で)推奨となります。
久々にサイクルが合致する姉妹誕生の予感
▼リッチダンサーの16 (競走名:コントラチェック)番号2
牝2・藤沢和雄厩舎予定
父 ディープインパクト
母父 Halling
4月1日生まれ 黒鹿毛
5つ上にオークス3着など中距離で渋い活躍をしたバウンスシャッセ(牝7・父ゼンノロブロイ・引退)がいる血統。
しかしなぜかそこから兄弟が鳴かず飛ばずですが…。
【診断結果】
・優先祖先 Sicambre(1948)
・馬場、距離適性 芝のクラシック
・基礎体力値 59〜(平均50)
・スピード 良好
・頭脳 やや心配
・総合 ★★(満点は5つ)
遅生まれの血統で、姉バウンスシャッセなど6月の種付け産駒ですから、他の馬とはちょっと旬が違います。
母リッチダンサーの良い発情期は、3月17日から5月17日まで。
しかし遅生まれの兄や姉の誕生後に種付けしようとすると、この範囲に入ってこない年が多すぎます。
本馬はバウンスから足かけ5年かけ「毎年少しずつ兄弟の誕生日が早くなってきた」ことで再び母の良い発情期に潜り込んだ例です。
従ってバウンスとはちょうど「WinWin」の関係になります。
母の配合のキーは、活性満点の母父ホーリングにあり。
姉妹ともに優先祖先はここをさかのぼりますが、姉バウンスの父は「劣性期のゼンノロブロイ」なので、本馬より前の世代で隔世遺伝が止まっています。
結果、妹はもうちょい前のSicambre(1948)が優先となり、距離は不問ながら、気性的にはちょっと狂気をはらみそうです。
ダビスタ世代ならちょっと気になる名前でしょ?
シカンブルの子孫(直仔ではない)といえば、カブラヤオー、タニノムーティエ、クシロキングですからねぇ。
姉同様オークスでドンとこい型の牝馬ではありますが、一にも二にも折り合いが付けば、という前提です。
スピードはあります。
アルゼンチン産の母のスピードは測りにくい!
▼クルソラの16 (競走名:クルミネイト)番号4
牝2・堀宣行厩舎予定
父 ディープインパクト
母父 Calorica(亜)
5月18日生まれ 鹿毛
母はアルゼンチン産の3歳チャンピオン馬。
アルゼンチンは南半球の国ですので、北半球の馬産地ではいろいろと補正が必要になります。
【診断結果】
・優先祖先 サンデーサイレンス
・馬場、距離適性 芝のマイル
・基礎体力値 64(平均50)
・スピード 良好
・頭脳 普通
・総合 ★★★★(満点は5つ)
兄弟の想定種付け日を見れば、スピードのサイクルは自ずと判明しますが、何といっても母は8月19日という遅生まれ(向こうではこれがベストシーズン)で、その検証がやっかい。
母クルソラの良い発情期は8月3日から10月3日。牝馬の繁殖サイクルは2か月で入れ替わりますので、
8月3日〜10月3日 ○
10月3日〜12月3日〜2月3日 ×
2月3日〜4月3日 ○
4月3日〜6月3日 ×
6月3日〜8月3日 ○
翌年8月3日〜10月3日 ×
…
これが(北半球1年の)基本リズムです。
さらに全ての牝馬は冬に4か月のオフ期間を持ち、毎年そこで○×の2か月サイクルが入れ替わります。
さて本馬の兄弟で活躍馬といえば、ピオネロ(牡7・父ネオユニヴァース)とクルミナル(牝6・父ディープ)ですが、
ピオネロ→5月8日頃種付け
クルミナル→6月12日頃種付け
であり、年子でありながら見事にWinWinの関係となります。
とくにクルミナルは発情期間の初期にあたり、もう少しでG1に手が届く存在でした。
本馬(6月18日頃)も姉同様のサイクル&初期配合で、同等のスピードを持っていてもおかしくありません。
クルミナルは母の母Calorica(亜)を優先祖先に持っていましたが、妹は父ディープが活性期となり、父の父サンデーが優先に。
姉は額の星が小さく左前脚に一白に対して、妹はまあまあの星に右後脚に一白。
形もよりサンデーに近くなりました。
気性さえまともなら、桜花賞には乗ってきそうな逸材です。
スピードあってもダート馬の可能性が
▼スカイディーバの16 (競走名:スピッツァー)番号42
牡2・藤原英昭厩舎予定
父 ディープインパクト
母父 Sky Mesa
2月8日生まれ 鹿毛
今年のファルコンSを勝ち、NHKマイルCでも4着したミスターメロディのように、藤原英昭厩舎は使い分けがうまいですからね。
余裕あるローテを守れば、芝ダート問わない活躍が見込めそうです。
【診断結果】
・優先祖先 Storm Cat(1983)
・馬場、距離適性 ダートのマイル
・基礎体力値 〜47(平均50)
・スピード 良好
・頭脳 普通
・総合 ★★(満点は5つ)
母系4代前のGeneral Assembly(1976)を活性MAXとして計算しています。
もしこの馬がゼロ活性なら本馬はディープ優先ですが、馬体の感じとつなぎの立ち具合などから、どう見てもダート適性が高そうなので。
基礎体力があまり高くありません。
厩舎の先輩であるミスターメロディは抜群の基礎体力を誇り、厳しい鍛錬にも耐え、春競馬を乗り切って見せましたが、この馬にはローテや調教にひと工夫必要な様子です。
できれば優先祖先であるStorm Cat(1983)の写真も見ていただきたいのですが、ええ、この仔にそっくりです。
この馬の4年前に全兄がセレクトセールで2億4千万円以上の高値を付けましたが、見事にコケました(汗)。
ただスピード的には兄(4月7日頃)とサイクルが別とも言える微妙な時期までズレましたので、ダート馬だとわかりつつも、弟が1億円まで下がってきたら一度は買ってみてもいいんじゃないかと思います。
珍しく「ホームランか見逃し三振か」のどちらかに別れそうな大穴馬を推してみます。
さて次回からはシルク・ホースクラブさんにお邪魔して、引き続き有望なディープ産駒を見ていきます。