振り返ることのない業界だからこそ
有馬記念、2ー9ー10の線で馬券を持っていた方、本当に残念でした。
今年はキタサンーシュヴァルグランーサクラアンプルールで決まっても、何もおかしくなかった有馬でした。
外からスワーヴリチャードに被せられ、シュヴァルグランは一瞬45度横を向きましたから。その内にいたサクラは言うまでもない大変な危険を被りました。
日本に腰を据えてからも、M・デムーロの「ここ一発誤爆現象」はとくに大レースで目立ちます。小さなことから大きなことまで限りなく、ね。
その瞬発力がクレイジーな「神業」として機能している間はいいのですが、G1連続馬券記録などが途切れ、「ああ、そろそろ気をつけないとリズムが狂う時期だぞ」と思っていたら、案の定やってしまいました。
もちろん右回りに不安を残すスワーヴリチャードの癖が直りきっていないせいもあります。が、それならそれで、戦法として右回りの大外一気は「御法度」にしておかないと、今度はあのスワーヴリチャード自身の出世の目を摘むことにもなりかねません。最後の最後、苦しくなれば馬はまるで図ったかのように同じことをします。
到達順優先の裁定に変わったからこそ、「そのときうまくいけばいいや」的な騎乗はもっと厳罰をもって接していいと思います。「精一杯御そうとした」ことと「結果大きな事故につながった」ことは別として考えなければ。
新設ホープフルSは、調教で取り上げた馬たちで決まってくれて、ホッとしています。
正直「この他に飛んでくる馬がいたら、おれの調教眼は相当濁っていることになる」という危機感がありました。それくらい、調教過程には陣営によって熱心さに差がありました。
こんな現象、G1では珍しいです。
陣営も手探りなんだと思います。どこまでタイトルに重みを感じたら良いのか、ホープフルで頑張らなくても皐月賞でいいじゃんという自然な感情も理解出来るからです。
戦前レイデオロの実績ばかりがクローズアップされていましたが、昨年彼はここを勝ったあとで脚部不安が出たことを忘れてはなりません。冬の枯れ芝中山二千を激走することは、まだ3歳に満たない若駒たちに想像以上の負担がかかるのでしょう。
私はG2重賞のままか施行距離短縮で、皐月賞を「薄めない」のが、誰にとっても得策かと思います。
思いのままつれづれに記してきましたが、新年一発目は正月休みを利用して、そろそろ週末情報以外の「馬券術」または「パドック」「冬の穴狙い法」などについても書いていきます。
みなさまにとってよい新年でありますよう。