京都金杯アメリカズカップは絶好調だが雨次第…
東西金杯では調教からさほどの動きが見られなかったので、新年一発目の調教診断には3歳戦を持ってくることにした。
でも1頭挙げるとすれば、京都金杯のアメリカズカップ(牡4・音無厩舎)、これは掛け値なしに動きがいい。
ただ持ちタイムが致命的にない馬だから…。おさえかな。
調教がいいと思ったらまんま人気馬だった件
▼エアアルマス(牡3・池添学厩舎・鹿毛)
父 マジェスティックウォリアー
母父 エンパイアメーカー
CWで福永を背に単走。
6F84.8〜68.8〜12.3
とにかく脚さばきが軽い馬。今回福永はルメールの騎乗停止でお鉢が回ってきたのだろうが、どちらかといえばユーイチの方が手が合うくらいの繊細さは残る。
が、潜在スピード、気品のようなものが十分感じられ、走る馬であることに間違いはない。
そこであらためて血統表を見ると、よくまあこれだけクロスを集めたものだと感心する配合で、ぱっと見5代中だけでも
Mr. Prospector 4 x 5 x 4
Secretariat 4 x 5 x 5
Buckpasser 5 x 5
Northern Dancer 5 x 5
が生じている。
ところがよくよくひもとくと、母父エンパイアメーカーをはじめ、3系統で影響のない世代に種付けされているという「奇跡」もあり、残るクロスは
Mr. Prospector 4 x 4
Secretariat 5 x 5
はい、これだけなんです。
とくにMr. Prospectorの系統は父母ともに色濃く残るので、スピードと早熟性の源はここら辺にありそう。
ただし、血統的にはOP馬ではあまり例を見ないほど「おとなしい配合」。
なにしろ、母のNokazeの情報からして表立ったところにはどこにも存在せず、わずかに米で条件戦をチョビチョビ走ったことがわかる程度。毛色も不明。
祖母も不出走らしく、かといって母父エンパイアメーカーの影響は9歳時産駒でなし。
ここへかけられたマジェスティックウォリアー自身も10歳時の種付けで産駒にさほど強い体力は授けていないと思われる。
あの繊細な感じは、そもそもの体力的な不安の表れか。
杞憂に終われば嬉しいのだが。
道悪要員と決めつけるなカフジバンガード
対照的に元気よく「動」の調整だったのが、カフジバンガード(牡3・松元茂樹厩舎・鹿毛)。
父 ハービンジャー
母父 サンデーサイレンス
栗東坂路で一杯にやられ、52.1〜12.1としっかりまとめた。
陣営は「とにかくタイムのかかる馬場が希望」とのこと。
4着に負けた昨年秋の東スポ杯で1分47秒2と踏ん張ってはいるが、未勝利勝ちが2分8秒2の極悪馬場、前走こうやまき賞が中京マイルで1分37秒8だから、陣営の言うこともよくわかる。
ただ、私個人としては真っ向勝負でそれほどスピード負けする馬とも思わず、最初に道悪適性を見せてくれただけなのでは、と考えている。
そのスタミナ、道悪適性は、実は父ハービンジャーから来たものではない。
血統表を見ると、カフジは父ハービンジャーの9歳時産駒で、一見毛色からすればなさそうな母方の血を継いでいる。
さらに自身が鹿毛であることを考慮すれば、2代母のダジルミージョリエから母系をさかのぼり、リボー系のTom RolfeやHoist the Flagにたどり着く。
どうりであんな馬場に適性があるわけだ。
調教から挙げた2頭とも、当日は人気になるようで、配当こそ望めないが、とくにエアアルマスの走りには注目しておきたい。