▼キャロットクラブ2018 1歳馬リスト最速診断 キングカメハメハ編

今回はキングカメハメハ編ですが、このキンカメもディープ、ハーツクライ同様、今年と来年の1歳あたりが2度目のMAX活性になる種牡馬です。

しかし裏を返すと、あと2、3年で「ディープともキンカメともハーツともお別れ」になる可能性が高いのです(らしさ、という意味で)。

仮に種付けをしても、親に似ない「不思議チャン」がたくさん出てきて、クラブ馬主ライフやPOGは大混乱に陥るかもしれません。

最近では今が一番幸せな馬主ライフの瞬間なんですよ。

とくにクラシックディスタンスに強い新星種牡馬の登場が待たれますね。

 

リストの見方

まだこれから鍛練を積む1歳馬なので、1頭1頭詳細な血統背景ではなく、最初に全馬スピード判定による分類を行います。

・スピードサイクルOK →馬体も良ければ推奨
・スピードサイクルぎりOK
・スピードサイクルぎりBAD
・スピードサイクルBAD
・判定不能

の5つに分けます。

OKとBADはそのまま(走る走らない)の意味ですが、ぎりOKとぎりBADは

その馬の誕生日がスピードサイクルの境界線ギリギリに位置するので、OKがBADだった、あるいはBADがOKだったという可能性あり

の意味です。

よってどちらかといえば「ぎりOK」の方がコケて失敗する(ショックでかい)可能性が高く、逆に「ぎりBAD」が実はOKで思わぬ幸運をつかめることもあるでしょう。

馬体が良い、牧場評価高いなどの推し材料があれば、積極的に「ぎりBAD」までは狙っていけるかもしれません。

ぎりBADについては、こちらでも「狙えるぎりBADかそうでないか」を積極的にコメントしていきます。

またスピードサイクルOK判定の馬に限って、その馬の適性がわかる優先祖先と基礎体力値をご紹介します。

 

キャロットC1歳馬 キングカメハメハ産駒判定結果

【スピードサイクルOK判定の馬】

12 ヒストリックスターの17(牝・鹿毛)

【優先祖先】 キングカメハメハ
【基礎体力】 44(平均は50)
【適  性】 芝のマイル〜

ご存じ桜花賞馬ハープスターの半妹になります。
基礎体力に欠けるのが唯一の心配事です。

 

ハープスター以外は全くといっていいほど走っていないきょうだいですが、参考までに繁殖サイクルを列記すると

・アンテイツクヴアリユー系は「偶数年間隔で○、奇数年間隔で×」の繁殖サイクルをもつ

ヒストリックスター(05.4.16生)3月30日から5月30日がよい繁殖期間

初仔 ピュアソウル(09.2.25→3月25日頃種付け→偶数年ぎりBAD)
2番仔 ヒストリックレディ(10.4.2生→5月2日頃種付け→奇数年BAD)
3番仔 ハープスター(11.4.24生→5月24日頃種付け→偶数年ぎりOK)
4番仔 リュラ(13.4.9生→5月9日頃種付け→偶数年OK)
5番仔 アスティル(14.4.13生→5月13日頃種付け→奇数年BAD)

となり、ハープスターと4番仔のリュラ以外はBAD判定の馬ばかりでした。

リュラもキャロットさんの馬で、繁殖に上がって18年にはロードカナロアを種付けしました。

ちなみに判定は(会員さん向け情報)
リュラ 3.23〜5.23 良いサイクル
リュラの18 18.1.28生 2.28頃種付け 奇数年OK!
ですので、また元気な姿を見せてほしいものです。

とはいえ、OK判定でも「競走馬として走れることとはまた別の問題」。

このブログを書いていて一番痛切に思うことも、まさにこの1点なのです。

 

もうひとつ小ネタを。

上記のように、ハープスターの種付けは5月24日頃行われたと推測しますが、その年はディープMAX活性年でもあり、活性値はMAXかゼロ(9歳2か月経過)かのどちらか。

ディープの誕生日は3月25日ですので、もし実際の種付けが5月26日〜30日(良いサイクルの最終日)でしたら
→ハープスターはディープの活性ゼロを継承した貴重な繁殖牝馬
ということになります。

産地では最近爆発的に増えてきたサンデーのクロスをどう扱うか(3×4など美化して伝えているフシもあり)頭を悩ませています。

しかしことハープスターに関しては、うまくいけばディープ活性ゼロ→サンデー活性もゼロ、ですので、サンデー系の種牡馬をつけることができる(可能性がある)と思います。

ここまでは当然キンカメキンカメモーリスとつけてきたようですが、将来的にはもしかしたら1回くらい…かもしれませんね。

 

14 シーザリオの17(牝・栗毛)

【優先祖先】 Blakeney(1966)
【基礎体力】 59(平均は50)
【適  性】 芝の中距離〜

これまたご存じシーザリオの仔です。

 

今年の2歳サートゥルナーリア(牡・父ロードカナロア)がかなりの器だと評判で、歳仔にあたる本馬は「裏じゃないか」と気にかけていたのですが、5月生まれで見事に表判定です。

ただし、ちょっと気になることもあります。
ここからはただの想像話ですので、あまり本気にしないでください。

また読ますに飛ばしても全然問題ありません(そのほうがいいかも)。

 

栗毛のミステリーを解いてみる(長文注意!)

自分がとても気にしているのは、本馬の毛色「栗毛」です。

シーザリオの系統というのは根っからの「黒、青」毛系で、ともすればただの鹿毛さえ出ないほど強い勢いです。

シーザリオ自身も真っ黒の「青毛」であり、今までに成功した産駒は「父の劣性期=母系が強く出た仔」に限られていました。

そういう意味でもサートゥルナーリアは初めての「父の高活性期産駒」となり、今後が興味深いのです。

 

さて今までにも何度かお話ししましたが、馬の毛色で最も特徴的なのは、芦毛でも白毛でもなく、実は「栗毛」です。

芦毛は鹿毛からでも出ますが、栗毛は祖先に栗毛という因子がないと絶対に出ない毛色です。

ところが不思議なことに、シーザリオの17には5代血統表のどこを見渡しても栗毛の祖先が見当たりません。

いやいるにはいるのですが、仔の形質遺伝上、関連する場所にいるのは4代母Principia(1970)の父、Le Fabuleux(1961)のみ(今回は絶対届きませんけど)。

しかもPrincipiaは5月20日生まれで、Le Fabuleux9歳時のゼロ活性(栗毛出ない)にあたる可能性まであります(確定ではない)。

 

この「絶対栗毛出ない」密室犯罪のようなトリックをどう解いたらよいのか。

 

私はひとつの証拠から、ある仮説にたどり着きました。

実はシーザリオの産駒の中で、エピファネイア以降に限ると本馬だけ誕生日が異様に遅いのです。

エピファネイア 2月11日
ロザリンド 2月3日
クローディオ 2月8日
リオンディーズ 1月29日
グローブシアター 2月14日
シーリア 3月17日
サートゥルナーリア 3月21日
本馬 5月1日

このようにきょうだいの誕生日の間隔が揃うのは、産駒が無事産まれた後、規則的に訪れる良い発情で種付けをする産地の習慣に因るところが大きいです(分娩後最初の発情はあまり良くないという説もある)。

馬も経済動物ですから、いつまでも元気な繁殖のお腹を空けておくわけにはいかないんですね。

その証拠に、エピファネイアは空胎後の種付けだったため、それまではきょうだいが5月頃に種付けしていたものを一気に3月頃に早めることができました。

そして問題の2017年も、実は例年通り最初4月頃に1回目の種付けが行われたのではないか、と私は推測します。
ところが残念ながら初回は不受胎だった…。

 

私は獣医ではないので、その辺は定かでないのですが、JRAの資料によると、早ければ受胎の確認は妊娠(交配)2週目の検査でもわかるようで、一度不受胎でもその後よい発情さえあれば2回目のトライも十分可能ということになります。

【参考文献】JRA育成牧場管理指針 生産編(第2版)
http://www.jra.go.jp/training/pdf/research_seisan.pdf

こうして1回目交配から約2か月後の17年6月、シーザリオに種付けされたのがキンカメであり、それはよい繁殖期間にもあたったのでいい子が生まれた、と見ています。

 

では最初に種付けされたのは、どの種牡馬だったか。
それこそが「栗毛のダイワメジャー」ではないか、私は勝手にそう想像しています。

シーザリオの母父Sadler’s Wells(1981)がいつも活性MAXのため、単に栗毛の種牡馬といっても相当活性が強い馬を連れてこないと、父の形質は発現しません。

幸い?この年のダイワメジャーはMAX活性一歩手前の強さで、Sadler’s Wellsに主導を譲ることなく、栗毛馬を出す素地がありました。

「でも1回目のお相手の種は付かなかったんでしょ?」
ええ、そうなんですが、動物の遺伝というものはときにビックリするようなカラクリを私たちに見せてくれます。

 

それは遺伝用語で「テレゴニー」と呼ばれる現象です。

日本語では「残存遺伝」ともいいますが、以前に種付けした種牡馬の遺伝が、違う種牡馬の種で生まれてくる仔の形質に現れてしまうことをいいます。

これは人間でもまれに見られ、結婚前に黒人さんと付き合っていた女性が、次に日本人と結婚して生まれた子どもの肌が黒くて大騒ぎになった、という話もあるそうです。

しかしこの子はれっきとした日本人男性の子であり、それは遺伝検査をすることでも証明できます。
「形」だけが黒人さんのDNAを継いでいるのです。

私はシーザリオの17は、ダイワメジャーのテレゴニーを受けた仔ではないかと思います。
もちろん栗毛でもれっきとしたキンカメとシーザリオの仔です。(栗毛のミステリー 完)

 

【スピードサイクルぎりOK判定の馬】

13 ポロンナルワの17

母はシンハリーズの系統で隠れたいい繁殖なのですが、本馬は母から体力を全く得ることができず(MIN活性)、たとえOKでも推薦はできません。

 

【スピードサイクルぎりBAD判定の馬】

9 アディクティドの17

本馬はOKに復活してもサイクル後期になってしまい、あまり期待はできません。

 

【スピードサイクルBAD判定の馬】

10 ディアマイベイビーの17
11 レディシャツィの17

 

今回は熱くなりすぎて、長文になり過ぎました。
次回はロードカナロア編をお送りします。

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