▼社台サラブレッドC2018 1歳馬リスト最速診断 関西ハーツ、カナロア、オルフェ編(No.53〜63)

人気どころの種牡馬が続きますが、ここも残口ありの馬はすべてBAD判定となります。

またセレクトセールの時はそう思わなかったのに、今になってちょっと「?」と考え直したくなる難解牝系もあります。

基本、難解牝系には手を出さないのが得策です。
強い馬ほどサイクルは超単純、超明解ですから。

 

リストの見方

まだこれから鍛練を積む1歳馬なので、1頭1頭詳細な血統背景ではなく、最初に全馬スピードサイクル判定による分類を行います。

・スピードサイクルOK →馬体も良ければ推奨
・スピードサイクルぎりOK
・スピードサイクルぎりBAD
・スピードサイクルBAD
・判定不能

の5つに分けます。

OKとBADはそのまま(走る走らない)の意味ですが、ぎりOKとぎりBADは

その馬の誕生日が母のスピードサイクル境界日ギリギリに位置するので、OKがBADだった、あるいはBADがOKだったという可能性あり

の意味です。

よってどちらかといえば「ぎりOK」の方がコケて失敗する(ショックでかい)可能性が高く、逆に「ぎりBAD」が実はOKで思わぬ幸運をつかめることもあるでしょう。

馬体が良い、牧場評価高いなどの推し材料があれば、積極的に「ぎりBAD」までは狙っていけるかもしれません。

ぎりBADについては、こちらでも「狙えるぎりBADかそうでないか」を積極的にコメントしていきます。

またスピードサイクルOK判定の馬に限って、その馬の適性がわかる優先祖先と基礎体力値をご紹介します。

 

社台サラブレッドC1歳馬 関西ハーツ、カナロア、オルフェ産駒 判定結果

【スピードサイクルOK判定の馬】

57 シルヴァーカップの17(牝・鹿毛)

 父 ハーツクライ
【優先祖先】 サンデーサイレンス
【基礎体力】 69(平均は50)
【適  性】 芝のマイル〜
 石坂正厩舎 予定

本質的にはみな晩成型のファミリーでしょう。

 

よってきょうだいはどちらかといえば急かさず成長を待つことでコツコツと勝ち上がる馬が多く、そういう意味では早くから動けた現3歳の兄・ルッジェーロ(父キンシャサノキセキ)にはかなりの可能性を感じます。

残念ながら2歳の全姉アルジェンタータはBAD判定で、そこから誕生日の離れていない本馬がOK判定になります。

 

母のシルヴァーカップは3代父のHabitat(1966)という有名な欧州系マイラーがMAX活性で、種付けする父の活性が弱いとその仔はドンドン距離が保たなくなり、活性の強い父を持ってくると今度は仔に父の父あたりの形がよく出る傾向にあります。

本馬もハーツ産駒としては距離の適応力は狭い感じです。

 

58 ポルカマズルカの17(牡・鹿毛)

 父 ロードカナロア
【優先祖先】 ロードカナロア
【基礎体力】 66(平均は50)
【適  性】 芝のマイル
 吉村圭司厩舎 予定

ここ3年ほどポコポコポコっと連続してロードカナロアが付けられていますが、おそらくOK判定なのはこの年の本馬だけだと思います。

 

ポルカマズルカは3代父Nijinsky(1967)の活性が高く、スタミナ型の牝馬としてOPまで出世(菊花賞にも出走!)しました。

しかしやはり繁殖としてはもっとスピードを注入したいのが生産者としてごく普通の願いであり、ロードカナロアの繁殖入りを「待ってました!」とばかりに連続種付けした、というのが狙いでしょうか。

この年はうまいことに父ロードカナロアMAX期でもあり、また母自身の持つ強いNijinsky活性によりキンカメまで先祖をさかのぼらず、カナロア自身が優先祖先となりましたので、馬の形はお望み通りマイラーに出たと思われます。

 

ただ肝心のスピードサイクルが中の下あたりなので、爆発的なスピードは感じませんが、母は2代母ダンシングサンデーMAX活性を継承しており、その分の上積みはあるはずです。

最初のMAX期を迎えた父を象徴するマイラーに育ってもらいたいですね。

 

59 スペシャルフロートの17(牝・鹿毛)

 父 ロードカナロア
【優先祖先】 キンカメ
【基礎体力】 53(平均は50)
【適  性】 芝のマイル〜
 河内洋厩舎 予定

本馬は母が「ぎりOK6日判定」であるという前提でOK判定を下しています。

 

その母スペシャルフロートスペシャルウィークMAX活性産駒で、本馬の父ロードカナロアMAX活性ですので、あとはタッチの差でどちらの活性が強いかにより優先祖先が決まります。

カナロアはちょうど自身の9歳誕生日頃に種付け、対してスペシャルウィークは誕生日から3週間ほど経過しての種付けとなり、計算上はスペシャルウィークの活性が上と見ますので、優先祖先はキンカメにさかのぼります。

もしカナロアの活性がより上なら、優先祖先はカナロア自身となります。

 

2代母ダイイチフローネはその母で名繁殖のレガシーオブストレングス(1982)のMAX活性を継承していますが、実はレガシー自身は4代母Katonka(1972)のミニマム期産駒で、その体力的アドバンテージがほぼ帳消しになっています。

この系統が思ったより線が細く、競走ぶりが淡泊に感じるのはそんな理由があるからかもしれません。

 

【スピードサイクルぎりOK判定の馬】

54 ハートシェイプトの17(牡・父ハーツクライ・1日)
56 ダンサーデスティネイションの17(牝・父ハーツクライ・2日)

この2頭のハーツクライ産駒は、ちょっと見るからにアブない地雷馬かもしれません。

シルエットはいかにもハーツの仔らしくてそそられますが、判定結果は一番危険なぎりOK馬です。

 

【スピードサイクルぎりBAD判定の馬】

61 ファーストバイオリンの17(牡・父オルフェーヴル・6日)

母18歳時の産駒で、会員さんからは嫌われることの多い高齢母の産駒です。

私自身は常々高齢でも可能性があればと思っていますが、本馬は母の2度目のMAX期が過ぎてすぐの馬であり、体力的な不安があるのでOK馬でも推薦しません。

 

【スピードサイクルBAD判定の馬】

53 セデュイールⅡの17
55 バブリームードの17(募集中)
60 ギミーシェルターの17(募集中)

 

【どうしても判定不能な馬】

62 ピリカの17
63 ウミラージの17

ウミラージについてはセレクトセール時点ではサイクルがハッキリしていたように思えたのですが…。

その後他系統のラインをたどると、どうもそうやすやすとOK判定を下せるような雰囲気ではなく、また根っからのスピード系統でもないのであえておすすめはしないことにしました。

いちおうOK判定に近いとは思います。

 

次回は関西ダイワメジャールーラーシップハービンジャー産駒をご紹介します。

なぜか社台さん、ハービンジャーすっごい多いですよ。

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