★が確定している体力自慢をどんどんご紹介します
とにかくサラブレッドは体が基本。
鍛錬してこそ原石は磨かれるわけで、セレクトセール2019・1歳馬の中からまずは体が丈夫と思われる母MAX活性産駒を一気にご紹介。(?判定はオミット)
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40 フェータルローズの18(牝)
父 エピファネイア
→OK
+3日 3番仔
【 優先祖先 】 シーザリオ
【 基礎体力 】 ★★63
3代前まではまったくの虚弱型も、直近2回の種付けでMAX活性を重ね、一躍高評価へと仕上げた配合。
5代表中にクロスがとても多いが、サンデーは父方スペシャルウィークで、Northern Dancerは母方オエノセラ(0.125)でそれぞれ無効扱いでき、残るはRobertoのクロスのみとなっている。
動画の実馬はかなり骨太で丈夫そうな感じ。
軽さではなく、どちらかというとパワータイプだろうか。
祖母も50戦以上戦える丈夫な仔を出している(ライフタイム、プリムラブルガリスなど)ことから、OK判定、+3日、3番仔の本馬が母の勝負産駒になる可能性は十分あり。
85 レイズアンドコールの18(牡)
父 キンシャサノキセキ
→OK
+3日 9番仔
【 優先祖先 】 母レイズアンドコール 芝ダ スプリント〜
【 基礎体力 】 ★★72
母2度目のMAX活性期に向け、産駒のレベルが上がってきた。
母レイズアンドコールは新馬勝ちこそ芝の千四だったが、年を重ねてどんどん短距離にシフトし、とうとう千直アイビスサマーダッシュで3着に入るほどのスピード馬になった。
母の優先自体はKashan(1977)という牝馬で、ダート7Fの重賞で入着。その仔Herat(1982)が距離と馬場万能の活躍馬だから、芝ダートどちらに転ぶかはわからないが、本馬もスローの団子状態よりは厳しい激流ハイペースを生き抜く競走馬なのだろう。
この配合はNorthern Dancerのクロスが強く、全兄のモンドキャンノ(父劣性期)はクラシックの季節になると鳴かず飛ばずで終わった。
単なる早熟というよりは、ボス性に欠けるためクラシック向きの配合ではなかったと見るが。
今年ブログでも紹介した2つ上の兄カリボール(父ジャスタウェイ)の方がまださっぱりした組み合わせに感じる。
動画では腹袋がしっかりめに感じるも、決して一概の短距離馬ではなく、距離が保つ背景もある。
86 ジョリーダンスの18(牡)
父 モーリス
→OK
+19日 7番仔
【 優先祖先 】 母ジョリーダンス
【 基礎体力 】 ★69
サンデーの4×3がキツいモーリス産駒(けっこういる)は、今年は基本スルーして様子見という気持ち。
前肢の出にちょっと癖がある?
スッと出なくて少し引っかかる。
87 ミスティークIIの18(牝)
父 ロードカナロア
→ぎりBAD4日
+1か月 5番仔
【 優先祖先 】 Summer Squall ダート
【 基礎体力 】 ★53
今年最大の迷いどころ。ミニマム期の父ロードカナロアをどうするか。
いろいろ教えていただいた縁ある血統だが、本馬はその前にNorthern DancerやStorm Birdのクロスが強くてちょっと遠慮したいかな。
88 エッグドロップの18(牡)
父 ヴィクトワールピサ
→OK
なし 2番仔?
【 優先祖先 】 ?
【 基礎体力 】 ★☆72
6代前のIn Reality(1964)までいかないと優性の種牡馬が出てこない系統で、50年以上ずっと母似が続いている。
母は芝馬だったが、本馬も歩様は悪くない。
芝でもイケそう。
クロスもなくて健康体だし、4系統配合もサンデー、グレイソブリン、トムフール、ミスプロと変化に富んでいるし面白い存在だが、さてどこをどう走る馬なのか、注目だ。
90 ヴェルヴェットクイーンの18(牡)
父 キズナ
→OK
なし 12番仔
【 優先祖先 】 母ヴェルヴェットクイーン
【 基礎体力 】 ★69
母父シングスピールがMAX活性も、彼はNorthern Dancer系にしては白いところがなかった馬で、本馬もちょうどそんな感じ。
母には2本のNorthern Dancerがあるが、1本はDanzig→シャーディーのゼロ活性で回避している。
しかし残念ながら母父シングスピールがMAX活性なので、これと父系のキャットクイルのNorthern Dancerとの間に強めのクロスが生じている。
キズナという種牡馬は、好相性といわれたStorm Cat側の強いNorthern Dancer活性をどう封じるかで成否が決まる。
本馬の配合はちょっと成功例には該当しないかなぁ。
動画の馬体は迫力満点で、いかにも欧州系という感じだけどね。
すみません。ディアデラマドレの19に関してもう1つだけ。
ディアデラマドレの19は栗毛に出ましたが、ディアデラノビアの影響でしょうか?
なるほど。父の活性が強くても母側で回避できる場合もあるのですね。テシオ理論はやっぱり難しいですね…
ブエナビスタの18注目してみます!
ちなみに今年のディアデラマドレの仔の父がモーリスなんですけど(ディアデラマドレの19・牡)、これはどうでしょうか?母が9歳時の産駒なのでMAX活性ということもあり気になっています。簡単で構いませんので、教えていただけると嬉しいです。よろしくお願いします。
毎回ご丁寧な解説お疲れさまです。キャロットクラブもしていただけるということで待ち遠しいです。楽しみにしています。
ところでサンデーサイレンスの4×3のクロスは(3×3なんてのもいる)あまり良いイメージを持たれていないみたいですが、モーリス産駒に限って様子見なのでしょうか?だとすればできればその理由をお聞かせ下さい。
わにさん、いつもご愛読ありがとうございます。
モーリスに関してはクロスの近さよりもそのサンデー活性値の高さ(1.5、整数でいうと6)が問題です。(近くても薄いクロスはたくさんある)
これが零細種牡馬ならあんまり気にもとめませんが、モーリスは社台の屋台骨を背負う人気馬ですから、とりあえず今年の(かつサンデークロスを持つ)産駒の様子を見てからでも遅くないだろうという判断です。
活性値6のような強いクロスが生きている産駒については、今までもかなり敬遠しています。
これはモーリスに限った話ではありません。
テシオ理論では「アウトブリードこそ配合の基本」としており、クロスが生じる場合はどちらか一方の活性値が十分低いことを見計らって配合する、つまり計算ずくでクロスさせることになっています。
私が今年モーリス産駒でサンデークロスがありながら推奨した産駒は、ブエナビスタの18くらいですね。
あれはブエナ側がスペシャルウィークなのでサンデーがゼロ活性となり、またモーリス側でもカーネギー経由のNorthernDancerがかなり薄まっているのでのクロスが2つとも無視でき、双方でお互いを補う理想的な配合になっているんです。(よかったらちょっと参考にしてください)
今後、ブエナとモーリスの相性がいいということになったら、ちょっと思い出して欲しい話です。
このようにクロスはたとえモーリス側のサンデーが強くても、母側で回避できる術があれば気にしなくていいのです。
ですからモーリス産駒18がすべてダメなのではありませんし、モーリスに限らず、高活性サンデーを持つ種牡馬、繁殖牝馬全てに当てはまることです。
モーリスはたくさん付けているわりに、優駿と駄馬の差がハッキリ出ると思います。
サンデークロスのないモーリス産駒って、人気どころ繁殖ではあまりいないのかもしれませんね。