▼ご質問にお答えして 馬の妊娠期間をどう見るか 7.29

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最近、動画制作の他にもちょっと予定が立て込んでおり、コメント等になかなかお答えできずにいて申し訳ない。きちんと目は通しているので、気長にお待ちいただければ幸いだ。

さて今回は先日いただいたご質問のひとつにお答えしていく。基本的なことながらけっこう重要なので、あえてブログ記事として残しておくことにする。

言い換えれば 馬の「妊娠期間」

ご質問の大まかな内容は「馬の前年の種付け日から誕生日までの日数はいくつなのか」ということだと思う。ご質問には「365日」という数字も出ていたが、さずがにそれはレアケースだろう(けどターファイト動画にも1頭出てくるし、ないことはないよ)。

さて質問者さんが計算された「前年の種付け日から誕生日までの日数」これはすなわちサラブレッドの妊娠期間である。そして妊娠期間を表す数字(表現)は決してひとつではない。

最初にお断りしておくと、昨年2019年の須田鷹雄氏監修「POG赤本」の記事中に、そのまま今回のお答えになる特集記事があるので、できれば一度見ていただきたいが、その赤本も合わせたお答えは、

①種付け日調査にいつも使っている「ジャパンスタッドブック」サイトでは、日にちではなく11か月としている(こちらは出産予定日マイナス種付け日)

②畜産学の教科書的には、ウマの妊娠期間は333日と教わる

③しかし実際に10年ほど前に行ったサラ10万頭以上を対象にした統計の数字からいうと、340日程度となる

④さらに馬産地によっても「○○地方は総じて2週間程度の遅生まれ」などの地域的傾向がある

となる。

ドルメロが使う数字とその理由

そして私が動画制作や理論構築に使う数字は、馬産地の慣習でもある「種付け日から11か月」ということになる。

理由は一番簡単で、人にも(そして馬産地の方とも)話しやすく、勧めやすいからだ。ウマの妊娠期間が11か月であることは血統(配合?)をかじったら誰もが最初に通る道であり、これなら初心者でも一番簡単な「ウマの誕生日からの種付け日推測」が容易に行える。

確かにクラブ動画にしろ、趣味にしろ、今でこそ誕生日推測はしなくなりつつあるが、月のサイクルの裏か表かだけでも判断したいときなど、日数があまり重要にならないケースはこの11か月法で十分だろう。

そして今なら「あ、これはちょっと境界のギリギリだな」とわかるときだけ、340日データを思い出して、少し脳内補正することもできるし。(つまり種付け日はもっと早かったかもしれないぞと想像できる)

そして妊娠期間だけに精密な数字を用いても、どこか他の計算過程や境界線で2、3日のズレを許容するなど大まかな考えをしている以上、私の数字の扱いはどこまでいってもラフはラフ。こういうのをなんていうのか(有効数字とも違うか)月単位さえ合っていれば困ることはそうない。

そうそう赤本にもあったが、人間の女性の妊娠期間の考え方とは異なる部分があるので一応ご注意を。これは奥方にでも聞いた方が早いと思うが…。

▼ご質問にお答えして 馬の妊娠期間をどう見るか 7.29」への4件のフィードバック

  1. お忙しい中、
    種付けから誕生までの日付の件
    解説ありがとうございます。

    まだまだ勉強していきます。

    話は変わりますが某有名一口馬主ブログでも
    テシオ理論が触れられてました。

    ドルメロ先生の動画で初めて知った私としては
    影響力の大きさにちょっと感服しました

    これからも頑張って下さい
    私は東サラとシルクと、これからくるキャロットを
    引き続き悩みます(笑)

  2. やはり0活性がいるんですね。
    この帰国子女は僕も、ガリレオ産駒ですが、少し走る?と思っていました。
    応募するかもしれません。
    ありがとうございました。

  3. 違う所からお邪魔します。

    すみません、また質問させてください。

    YouTubeのシルクの全頭評価の動画で、

    74番のガリレオ産駒リプリート2の19の所なんですが、

    動画ではアウトブリードとなっていますが、

    ネットケイバの血統表ではNDとDANZING

    となっています。

    厳密にはアウトブリードという事になると

    いう事なのでしょうか?

    よろしくお願いします。

    1. ロッキーさん、こんにちは。
      シルク74番リプリートⅡの19のクロスについてですが、ドルメロ流では母方にあるデインヒルという種牡馬がDanzigのゼロ活性産駒に当たります。
      よってそこから先、DanzigもNorthern Dancerも活性値がゼロなので、全体として本馬はクロスの弊害を受けないということです。
      計算によるアウトブリード扱い、ということですね。厳密に見て、という意味ではありません。

      デインヒルが世界的種牡馬として成功した背景には、このゼロ活性が大きく関わっているとみています。
      欧州ではサドラー系×デインヒル系というNorthern Dancerの同系配合がよくされますが、これに大きな弊害が見られないのも、デインヒルのゼロ活性という特性から来ているようです。

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