▼ブリックスアンドモルタルの父母について(ご質問にお答えして)

チャンネル活動方針動画へのご賛同に感謝します

前回YouTubeにアップしたチャンネルの方針転換は、私にとっても今後を占う大切な山場だっただけに、いつもよりもたくさんのいいねボタンをもらえて、正直ホッとしている。

こういう温かな視聴者さんに支えられているうちは、私も道を踏み外さずに済む?のだろう。今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

動画の内容について、細かいことだが先にひとつ申し上げておくと、中級編の残り回数について今回は「あと3回」とアナウンスしたが、以前の私は「あと2回ください」と言っていたのを覚えておられるだろうか。

その以前までは
・サドラーズウェルズ系の繁栄
・現代における優先祖先とは

の残り2回でなんとか締めようとしていたのだが、実は先日お話しした「母似の馬から気になる子が3頭」の件で、例のオーナー様から「(配合の際に)本家テシオ氏が実馬の馬体をどこまで重視していたのかも気になるところ。中島氏の著書にはそのあたりのことはあまり出てこないね」というコメントをいただき、これについて私なりに今の時点での考えをまとめようと、

・過去の名人はどのように配合を考えていたか

というトピックを最後に追加した次第だ。

これは上級編もしくは過去の名馬を振り返ることがあればお話ししようと思っていたネタだが、せっかく機会に恵まれたので、オーナー様にも見ていただきたく、動画として出してみることにした。

テシオ氏はもちろん配合計算の元祖ではあるけれど、そんな彼がそもそも「何のために」配合計算を用いようと思ったのか、実際の馬体を見る目はどうだったのか……その核心というか配合の原点に迫る最終回にふさわしい内容と思う。

中級編解説、ぜひ最終回までお付き合いください。

ご質問にお答えする 〜ブリックスアンドモルタル〜

相変わらず枕が長いが、今回のお話はここからでお題は「ブリックスアンドモルタルの父と母」になる。

私も今年のクラブ募集が初年度産駒になるニューフェイス種牡馬の調査を始めたが、先日読者さんから「機会があればブリックスアンドモルタルについてもふれてほしい」とのご要望があった。

もちろんブリックスアンドモルタルは来年のクラブ募集から出てくるであろう新種牡馬だから、トピックとしてはまだ丸1年早いのだが、あえてそう言ってくるということは何か気になっているんだろうなと思い、ついでに調べてみた。

するとなるほどブリックスくん(以下省略)自身は2014年生まれで、父のGiant’s Causewayも母も1997年生まれ。ということは可能性としてまず「父母のダブルMAX活性産駒」かその反対、という両極端な性格を持つ馬だということがわかった。しかもここ2代にわたってStorm Cat系が連続配合され、表上にはでかでかとStorm Catの3×3クロスが輝いている。

こういうときもちろん最初にすべきは、父Giant’s Causewayの誕生日調査である。ただ残念ながらJBISのサイトだと「1997年1月1日」とあって、誕生日データがアップされていない。

今回の話のキモは、ずばりココである。

JBISのサイトに誕生日が「1月1日」と表示される馬であっても、もちろん実際の誕生日は「1月1日」ではない

ちなみにいつものequibase.comで調べると、Giant’s Causewayの誕生日は「97年2月14日」である。

ではなぜJBISのサイトではこのような表記になるのか、そこはデータ不備と言ってしまえばそれまでだし、私もIT専門ではないのだが、ひとつデータベースを組む上で「空欄というのは最もマズい」設計だという話は聞いたことがある。とくに「○○年以前はみんな古いから誕生日不明でいいけれど、それ以降は仮の誕生日でも入れておかないと年代検索にかからない」という不備はあるのかもしれない。

ま、そこはおいといて、とにかく北半球産馬の誕生日「1月1日」は「Data Not Shown」つまりデータが示されていません、の意と考えた方がいい。もちろん動物だから実際に1月1日生まれの馬もいるだろうが、こと血統サイトにおいては「データがないよ」の意と捉えよう。これは外国の血統サイトでも同様だ。

また南半球産馬だと半年ズレて「7月1日生」という表記が怪しいことになる。さらに豪州産馬は「8月1日」が馬齢表記の境目なので、「8月1日生」も怪しいわけだ。

何を隠そう、私も3年前までは調べながら「いや〜1月1日生まれの馬、多いっすね」と思っていた一人。DanzigもJBISのサイトなら「1月1日生」だろう(実際は2月12日生)。データベースなんてどこもそんなものである。

で、肝心のブリックスくんはどうなのよ!

よって質問者さんと私の根拠は異なったが、ブリックスくんが父のゼロ活性産駒だと考えた点は私も同意見だ。

父Giant’s Causewayの誕生日は2月14日、息子ブリックスくんは3月2日生→前年4月2日あたりに種付けと考えれば、父自身の種付けが少しでも早まっていたら、つまりGiant’s Causewayが予定日よりわずか10日でも遅生まれだったとしたら、もうすぐに2頭はゼロ活性の関係になってしまう。

正確には計算できないが、いずれにしろこんな大物がバシバシ走る上で、StormCatの3×3クロスが生きているとは考えにくいというのが私と読者さんの同一見解だ。父はゼロ活性とみておきたい。

最後に母のBeyond the Wavesは5月4日生まれなので、これは誰がどう見ても母のMAX活性を受けていることになる。星でいうと☆扱いだ。

そしてこのブリックスくんの種牡馬としての評価は……続きは来年にしようw

▼ブリックスアンドモルタルの父母について(ご質問にお答えして)」への6件のフィードバック

  1. 動画拝見しました。
    今年も大変な年になりましたが、変わらず競馬は動いてくれていますし、ドルメロさんの動画更新もある1年間楽しみにしています。

    ブリックスアンドモルタル面白い種牡馬ですよね。
    私はMAX活性かな?と見ていましたが、ゼロ活性だと長い目で見て母父に入っても面白いですね。スタッドブックの種雄馬情報から種付雌馬一覧を見ましたが、ロードカナロア産駒にも配合しているので、その辺りも注目してみます。

    1. 動画ご覧いただき、ありがとうございました。
      皆さんにあまり期待させてもと思い、あのような内容になりました。
      一寸先は闇ですので、もし3週間くらい動画アップがなかったら「あ、これは厄災にやられたな」と思ってください。
      皆さんに倒れたと知らせようにも知らせる術がありませんので。
      そうなったら、あとはピーヤさんにお任せしますw

      ブリックスアンドモルタル、とても微妙です。彼自身も遅生まれなら結局MAX活性に戻ってしまいますからね。
      ミスプロ系との相性は良さそうも、カナロア牝馬だとStormBirdクロスは残るのか。
      おっしゃるとおり、母父以外の良い使い道はちょっと限定されそう。

  2. JBIS1月1日問題ですよね…笑
    私も使ってだ時、すぐ気がつきましたよ。ありえないから〜
    今年も色々な私達が解らない疑問にチャレンジして下さい。楽しみに拝見させて戴きます。
    よろしくお願いします。

    1. データベース立ち上げといて、メンテしない問題ですよね。
      サーバーもいい加減、大きくしてほしい!今どき珍しいくらい落ちますから。
      今年もよろしくお願いいたします。

  3. 1月1日生まれの馬って生年月日不明の意味だったんですね!

    今初めて知って軽い衝撃を受けてます!

    私はてっきり12月31日生まれとかで、それだと不都合があるから1月1日表記に無理矢理変えてりのかと勝手に思ってました。

    確かに私も1月1日生まれの馬が多いなと感じていましたが、要は不明という意味だったんですね。
    ありがとうございました。

    1. 私も最初、殴られたくらい衝撃でしたw
      そう言われれば、12月生まれの不幸な馬も1、2頭見たことがあります。
      馬齢上かなり不利なので、競走には向かないかもしれませんね。

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