▼質問コメントにお答えして 11.8

いろいろ大変お待たせ致しました

まだYouTube動画を作るほどの時間はないのだが、ようやく事務的なことが一段落しそうなので、以前からいただいていたコメント、ご質問に順次お答えしていこうと思う。

「優先祖先の計算が難しい」

Q 優先祖先の計算で結果が−3になるとき、3代前のどこの祖先が優先なのかよくわかりません。父は2の劣性期だから母方の3代前の父でしょうか。でもその馬は活性値3の劣性期なんです。こういうときはどうするんでしょうか。

A まず解説動画があれば教えてほしいということなので、優先祖先を解説した初級編動画のリンクを貼っておく。

・初級編解説リメイク動画①「活性値」

・初級編解説リメイク動画②「優先祖先」  

動画は直接このご質問にお答えした内容ではないが、復習のために見直すならこの2本をご覧頂きたい。

さて本題の方だが、優先祖先の計算結果が−3ということは、おっしゃるとおりその馬は「母似」の産駒、つまり母方のどこか3代前の祖先が候補となる。しかしそれを牡馬だけで追うと3代前は活性値が3の劣性期だったので、ちょっと迷われてしまったようだ。

ここでは先日亡くなった種牡馬ドゥラメンテを例に、優先祖先の計算をしてみよう。

ドゥラメンテの父キンカメは活性値が2の劣性期だから、ドゥラメンテは母似産駒だ。そこで母方の父たちを見ていくと、母父サンデーの活性値が5、母母の父トニービンが1、そして3代母の父ノーザンテーストは実は「ゼロ活性」となり、ドゥラメンテもまた活性値計算の結果が−3の馬になる。

そこで優先祖先は母系内のどこをたどるのかというと、3代前までが範囲になるから、候補としてはサンデーの道か、トニービンの道しかない。かつトニービンは今活性値1の劣性期だから、たどるのはサンデーの道ということになる。

ではサンデーの父母どちらが優先祖先なのかというと、これまたサンデーサイレンスは父Haloのゼロ活性産駒で、広い意味の劣性期産駒だから、父Haloは優先祖先の候補からは外れる。つまりこの場合、サンデーの母Wishing Wellが優先祖先になるのだ。

このように牝馬が優先祖先になる場合も数多くある。またその牝馬が競走馬として走っていない場合だと、どんな適性があるのかわかりづらいが、そういうときは参考までにその牝馬の優先祖先を調べてもいい。Wishing Wellの場合なら、彼女の母父Montparnasse(1956)が強い優性期の牡馬なので、もしわかればMontparnasseの成績を調べるのもひとつの手だ。

種付けイベントの自然サイクルについて

Q 種付けイベントの自然サイクルについて、よく理解できていません。参考文献や動画を教えてください。

A まず私の言う自然サイクルというのは、私自身の造語だから畜産業界では通じないので、お気を付けください。

では何が自然なサイクルなのかというと、これはサラブレッド、ひいては馬の繁殖サイクルを元としている。

馬という動物のメスは、春に仔馬を産んでからまず10日ほどすると「初回発情」という発情期が訪れる。これは人間が何もしなくても訪れる種付けチャンスのひとつで、ある意味「最初の自然サイクル発情」とも言える。

しかし出産後の母馬は心身共に種付けへの準備ができていないことも多く、また初回発情自体の受胎率も相当悪い。だから生産者の中にはこの初回発情を徹底して見送るところもある。

すると次の発情はいつ来るのか。これが畜産の教科書的には「仔馬の誕生から30日後」と言われている。初回発情からだと約3週間というわけだ。これは獣医さんならもう基礎中のきの知識であり、事実おととしの「POG赤本」に登場されたJRAの獣医さんも30日後の発情で種付けすることを勧めている。

だから私は、前の仔馬の誕生から30日後の①回目の発情日、これを自然サイクル①回目と呼んでいる。

そしてもし①回目の自然サイクル種付けが不受胎であれば、今度は牝馬の発情は3週間ごとに来るので、そこから21日後が②回目の自然サイクル日になる。以後も21日ごとに発情がやってくる。

しかしこれはあくまでモデルケースであり、自然サイクルが30日前後のどこからどこまでを指すのか、そのさじ加減が難しい。まだまだ研究段階なので、今年は「−2日〜+7日」を自然サイクルと見ているが、発情を早める薬剤を使わなければ全部自然サイクルと呼んでいいかというと、必ずしもそうではない現状もあって、いまだ結論は出ない。

よって、今のところブログ内ではよく飛び出すワードでも、実際に解説した私のYouTube動画はないし、また発情サイクルについては逆に畜産業界なら誰でも知っている基本であるから、畜産の教科書が文献として一番参考になるかと思う。

ちなみに中島氏の「血とコンプレックス」の中にもこの辺の記述はちゃんとある。

参考として、軽種馬育成調教センター(BTC)が出している「BTCニュース」という冊子には、たまにこの辺の最新情報が掲載される。

めちゃくちゃプロフェッショナルな内容で理解は難しいが、このうち2017年の第108号に「馬に見られる病気㉟」という論文が出ており、そこに現在の繁殖方法と薬剤との関連が事細かに書かれている。しかも獣医さんが「薬剤使用を見送る基準(=自然サイクル馬が生まれる基準)」「なぜ②回目種付けに自然派が多いのか」の理由がわかるような話までされているので、もし興味がおありの方は、ネットでPDFを拾われるといいだろう。

私もいつか、この辺の話をするつもりではいるけれど。

クラシック4競走の勝ち馬調査結果

Q 過去10年に春の牡牝クラシック4競走を勝った馬は、牝馬は自然派ばかりですが、牡馬は薬剤組も多い。自然がいいことは間違いないけれど、薬剤組にも選択の幅が広がりそうですね。

A 貴重な調査結果、ありがとうございました。私も今、20年前からのJRA重賞勝ち馬がどんなイベント持ちか、また薬剤組であってもサイクルのどこで薬剤が使われ、どこの発情を早めたものかで傾向が出ないかなど、とくに薬剤組の解析を進めている。

牝馬勝ち馬に自然派が多いというのは、なにかその後の繁殖成績にも繋がる気がして、スゴく興味深い。というのは、このところの研究で、たとえ未出走の母でも、自然サイクルで産まれた母から勝ち馬や活躍馬が多く出る(気がしている)から。

母系というのは、基礎体力同様、積み重ね、蓄積の歴史なのかもしれませんね。また調査結果待ってます。

あとがき

最近、いろいろな怪現象に耐えきれず、ついにiPadをmini6からAir4へ買い換えてしまった。だめだ、老眼にはキツい。

また詳しくは省略するが、録画環境も少し悪くなってしまい、今週からOfficeをMicrosoft365に乗り換える。つまりGoodNote5経由の画面収録映像がかっこ悪くなっちゃたので、iPadのPowerPointに乗り換えるというわけ。iPadmini6との相性か、USB-C端子との相性か、iOSとの相性か、画面の縁がきれいに消えてくれないのだ。

今回のBC動画も仕方なく、GoodNote5の操作画面が見えたままの収録に。あれ、以前はきれいに消す方法があったんですけど、iOS15.0.1あたりからできなくなっちゃって。ならばPowerPointのスライドショーをそのまま使おうと思って、365に乗り換えることにしました。もう少しでOffice2021買っちゃうところだったわ。

買い切りのOfficeじゃなくて365にしないと、Applepencil2でPowerPointへの書き込みや編集ができないんすよ。どうせこのあと新型Mac miniへの買い換えも控えているし、また結局そこで相性問題になるはずだから、いっそ365でいいやと。

試して見たけど、スライドショー、パッパッと画面変換するので気持ちいいですね。どうも最初からこれが本命だったか?

GoodNoteもいいとこあるんですよ。ほっといても線がまっすぐ引ける機能あるし、大量のPDF管理が楽だしね。でもここで一度iPadをリフレッシュする意味でも、GoodNoteは削除し、またいちからアプリ入れ直しました。

そして今ならiPadmini6の買い取りとiPadAir4中古の販売額が同じくらいというのも、背中を押したかな。miniは人気なんだけど、やっぱり人を選びますね。私もついに大きいことが正義になってしまったな。

▼質問コメントにお答えして 11.8」への3件のフィードバック

  1. 母馬が自然サイクルの名繁殖牝馬というとシーザリオ(自然②)がまず浮かびます。

    サートゥルナーリアが薬剤①ですが、仔が自然派じゃなくても関係なく有効なのかもしれないですね。

    あとは本日出走のアカイトリノムスメなんかもそうですね。自然①→自然①が一番良いんですかね。

    自然派の母馬、めちゃくちゃ気になってきました!

    そういえば以前ハーツクライの動画で触れていたコレクターアイテムも自然①でコレクターアイテムの21(メス・ブリックスアンドモルタル)も自然①なんですよね。来年の候補として良さそうなので今から検討しています。

  2. 今度はもう少し詳しく調べてみました。
    春のクラシックの1〜3着馬の種付けイベントを調べてブログにアップしていますので、もし良ければご覧下さい。

    結果的に想像以上に牡馬と牝馬で違いがありました。馬選びに確実に影響しそうです。あと薬剤は確実に近年で増えていて現代王道風という意味がようやく分かりました。

    1. お、自主研究、順調のようですね。
      それでですね、わにさん、私はその自然サイクル派の母馬から名馬が誕生しやすいんじゃないか、と見てるんです。
      フサイチパンドラ→アーモンドアイのラインとかね。
      だからジェンティルドンナやハープスターも、まだまだ見限れないと思います。
      競走を使っているから、晩年の仔がいいのかも。

      アーモンドアイの仔は、もし牝馬なら確実に自然サイクル狙いでいいですね。
      シルクさんの会員さんにただで教えているようなもの?(笑)

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