来週火曜にはプリンスオブウェールズSの検討も行う予定です。
お楽しみに。
4連勝本命デュープロセスに迫る新星スプリンター東上
今週の重賞は函館SSとこのダート3歳戦のみで、ちまたではすっかりPOGやクラブ馬の季節に入ったなと感じさせる今日この頃。
しかし3歳ダート馬たちにとっては梅雨の大一番ジャパンダートダービーがひと月後に控えており、大本命馬クリソベリル(牡・父ゴールドアリュール)を倒すべく、最後の調整が進められている。
さてそのJDDのステップになるかは別として、今年のユニコーンSにはかなり面白いメンバーがそろった。
中でもダートの千二を連勝してきたサトノギャロス(牡・父ヘニーヒューズ)のスピードには目を引くものがあり、ここで距離延長をどう克服するか注目が集まっている。
テニスつながりのしゃれたネーミング牝系
Miss Carmie 66.2.21 2.7〜4.7
Chris Evert 71.2.14 き○ 1.28〜3.28
Tournament Star 78.4.15 き(○) 3.29〜5.29
ウインブルドンⅡ 87.4.13 き○ 3.27〜5.27
シャラポワ 03.2.5 ぐ× 1.19〜3.19
サトノギャロス 16.4.13 き(○)
1.0+1.75+★2.0+1.5=6.75 → ★78
3代母はオジサンが当時ナブラチロワより断然好みだった女子テニス選手クリス・エバートを想像させる(ロイドはロイド氏と結婚していたときのみ付けていたのか)。
クレーのストローク戦にめちゃ強くて、ポーカーフェイスというか「アイス・ドール」なんていう愛称?もあったくらい冷静で、粘り強くて、ツンツンした感じでかわいくて…。
お、オホン、そこへトーナメントスター→ウインブルドン→シャラポワとつなげて、本馬名の「ギャロス」は全仏オープンの会場・ローランギャロスから採用したのだろうから、なかなかにシャレオツな牝系である。
ごらんのように祖母ウインブルドンⅡは3代母Tournament Starの★MAX活性産駒であり、それ以外の代々の基礎体力継承もかなり高い。
またサトノギャロス自身が判定では「ぎりBAD6日」で、このままだと母の初期配合馬とみて良さそうなので、あのスピード感も妙に納得なのである。
さて肝心の距離適性は…?
サトノギャロスの毛色(鹿毛)を見てわかるとおり、本馬はいかにも適性という感じの父ヘニーヒューズ影響下にはなく、MAX活性である母父サンデーサイレンスが優先系になる。
そこを4世代さかのぼった先にあるMountain Flower(1964)は1世代下のWishing Well(1975)よりさらにマイル色が強く、本馬はこのあたりが優先候補となりそうだ。
だからといって府中のマイルも大丈夫と即答は出来ない(本馬は少し怖がりな気性も影響しているらしいので)が、その足がかりくらいにはなりそう。
いつも言うように府中のマイル戦はスプリンターこそ穴をあける怖い側面があるからね。
しかしここでもうひとつ、今年の3歳ダート路線の有力馬たちに共通する項目をお伝えしなくてはならない。
ダート戦といえども芝馬優先の強豪多数!
・デュープロセス → 母ローズロー〜ディクタット(安田記念2着)
・デアフルーグ → 父ゼロ活性 コジーン〜Wildwook(1965)
・ワイドファラオ → アグネスフローラ(桜花賞勝ち)
・ヴァニラアイス → Exceller(1973・芝ステイヤー)
・ヴァイトブリック → Machiavellian〜Raise a Native(ブログで既出)
・ダンツキャッスル → 母ダンツクインビー(桜花賞5着)
・ノーヴァレンダ → 母〜Lomond(英2000ギニー勝ち)
…
こうして並べると、今年のユニコーンS有力馬が軒並み芝馬を優先に持つ(あるいは芝馬経由で遠い祖先を呼ぶ)血統背景だということがわかる。
父似の仔がいないのも特徴的。
特にワイドファラオなどはここまでの歩みもAフローラの適性そのままで、芝の重賞を勝ちながらロイヤルスキーが強い適性を活かし、ダートに矛先を向けたクチ。
ヴァニラアイスに至ってはバリバリの芝ステイヤー適性だが、これがダート短距離を走るのはさまざまな要因が重なってのことかもしれない。
気性、脚質、持続力、ペース配分…ヴァニラアイスの薄手の体型はとてもダートスプリンターに見えないし、どちらかといえば今にも芝の三千を走れそうなシュッとした感じなのだが…。
だからこれも逆にマイルに距離延びていいかどうかは、なんともいえない。
とにもかくにも、現代のダート戦では芝をこなすほどのスピード適性が要求されるということなのかもしれない。
ましてや府中のダートマイルは芝スタート。
あってジャマになる適性でもないし。
最後に有力馬の基礎体力表を
・デュープロセス 66
・デアフルーグ 50
・ワイドファラオ 34
・ヴァニラアイス ★75
・ヴァイトブリック 50
・ダンツキャッスル 59
・ノーヴァレンダ 56
4連勝中のデュープロセスはローテさえ守られれば盤石の体力。サトノギャロスの他だとやはりヴァニラアイスの動向が気になる。
HaloやHail to Reasonのクロスはサンデーのゼロ活性で心配ないが、4代系統がそのHail to Reason3本と先日取り上げたVaguely Nobleのオリオール系という珍しさで、形だけならあのルヴァンスレーヴに似たものを感じる。
Northern Dancerの呪縛を逃れるため、あえてこのような形(非ネアルコのTurn-to系3本締め)が許されるのだとしたら、今後も注目してみたい。