※これは7月20日YouTube動画の台本原稿です。
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お久しぶりです、ドルメロチャンネルです。
さて今回は、いつも気にしている片目のサラブレッド福ちゃんの近況に大きな動きがありましたので、そのあたりを1本の動画にまとめながら、福ちゃんの持つサラブレッドとしての可能性などを追ってみたいと思います。
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いちおう初めての方向けにもイントロとして紹介しますと、片目のサラブレッド福ちゃんは2024年に生まれたメスのサラブレッドなんですが、生まれつき小眼球症というハンデのため左目が見えません。
でも左目以外は健康体そのもので、むしろ脚の長さ、骨格などは同期に比べてもたいへん立派でして、ハンデに負けることなく元気に成長しています。
ただし決まり事で、片目しか見えない福ちゃんはJRAの競走馬にはなれません。
そこでオーナーのジローラモさんはじめ関係者は、なんとか地方競馬でのデビューを模索しながら、このほどついに川崎競馬で2歳の能検を受けるところまでたどり着いた、というのが私の知る現状です。
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その能検の前、福ちゃんの公式YouTubeから川崎競馬場で仲間とスクリーニングをした動画があがりました。私はそれを見たときに初めて「福ちゃん、もしかしたらなかなかイケる子かもしれないな」という印象を持ちました。
当時私のYouTubeコミュニティでもお話ししたように、3頭併せの真ん中で手応えバツグンのまま周回する姿や、併せた他の2頭より明らかに馬体面が充実していて、ひとことで言うと「一番競走馬っぽく見えた」のが福ちゃんでした。
そこで私は「彼女は能検が心配なレベルではないから安心した」とコメントしたのですが、事実このあと福ちゃんは能検でもいいところをみせてくれたんです。
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能検の模様はジローラモさん公式YouTubeでプレミアム動画としても配信されたそうですが、待ちきれなかった私は川崎競馬のYouTubeで一足お先に視聴しました笑
そこで結果を知った上であらためて公式の動画を見たのですが、いずれにしろ福ちゃんは能検を見事に先頭で走りきり、合格のお墨付きをもらいました。
当日の馬体重は465キロ、タイムは800Mで52秒5というものでした。
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ご存じのように、地方競馬の能力検査自体はそんなに難しいハードルではありません。
むしろ2歳のこの時期なら能検は仕上げ過程のいちステップとして考える陣営が多いです。着順もタイムも無理して目指すものではないので、成績はあくまで参考程度。ここから本番までに大きな変わり身を見せる馬も大勢います。
それをふまえて7月10日に行われた川崎競馬の2歳能検で、福ちゃん含め先頭で入線した馬たち数頭のデータがこちらです。
私が気になる点をいくつか挙げると、まず福ちゃんのタイムは800Mで52秒5でしたが、これは遅くも速くもなく、全部並べればちょうど真ん中あたりに位置する記録でしょう。
中には50秒を切る好タイムで合格する馬もいますから、今度はあの子といっしょに走るのかと、不安に感じたファンもいるかもしれませんね。
でもこのタイムはあまり気にしなくていいと思います。
50秒を切るようなスピード馬と福ちゃんのデビュー戦は、そもそも違うレース、違う距離条件になるかと思います。
加えて他の馬たちはレース内容が完璧でした。スタートダッシュを決め、あとは小気味よいピッチ走法でゴールまで一気に駆け抜ける。いっぽう福ちゃんはストライド走法で、出遅れを挽回するロスもありましたので、まだ荒削りで修正の余地がたくさんあります。
2つ目は、血統的に見て父が短距離馬の産駒が多かったことです。
この能検の条件がピッタリ合いそうなスプリンターが多かったですよね。
福ちゃんの父タイセイレジェンドも現役時代はダートの短距離が得意でしたが、福ちゃん自身の馬体は脚長で、とくに短距離専門という訳ではないですからね。ここはあとで血統からも解説しますが、むしろ距離はもう少しあってもいい適性のように思います。
3つ目は、福ちゃんに比べて当日馬体が小さな馬が多かったいうことです。
この時期は小柄な馬、さらに牝馬なら比較的仕上がりが早いですから、能検でもいいところをみせます。
しかし福ちゃんは馬体サイズもしっかりありますので、さらに調教を積めればここからの変わり身もたくさんあるということです。
まとめると、福ちゃんの能検そのものは無事に通過できたといっていい内容であり、まだまだ多くの面で伸びしろがありそうな印象でした。
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さて後ほど公式の別動画であらためて能検当日の裏側などを見たときに、私はタイム面以外にも福ちゃん自身の様子から気づいたことがいくつかありました。
ひとつめが、福ちゃんの落ち着き具合です。
通常この時期の2歳馬は、普段と違うことをさせるだけでもパニクって大変ですよね。
福ちゃんは最初ミストを怖がるそぶりは見せましたが、慣れたあとは周回中に足早になることもなく、落ち着いて一定のリズムで歩けていました。
1番の馬がイレ込んで鳴いたり、逆に4番の馬が引き手の方に引っ張られてイヤイヤ歩いていたのとは対照的で、競走馬としては上々の精神状態だと思います。
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ふたつめは、福ちゃんを後ろから見たときの印象です。
私はクラブの募集馬動画や週末パドックを見るのが大好きですが、その際、馬の歩く姿を後ろから見て尻尾がどのように動くか(揺れるか)に注目します。
まずお尻が上下する馬はトモに力のある馬、それに合わせて尻尾がリズムよく左右均等に揺れる馬は、全体の動きのバランスが取れている馬だと自己流wで判断しています。
馬なら皆そう歩いているかと思いきや、実はトモや尻尾の動きは千差万別です。芝馬とダート馬でも違いますし、左右の筋力の違いやどこか痛いところがある場合などにも乱れが出ます。安静時に尻尾が少し曲がっている馬もあまりよくありません。
福ちゃんの後ろ姿は、非常にバランスがとれています。
私はこういう歩様が好きですね。ジローラモさんが後ろからカメラで福ちゃんに迫るシーンはけっこうありますので、気がついたら見てみると面白いですね。
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最後にいちおう私の専門ということで、血統表でみた福ちゃんというサラブレッドの性質を解説しておきます。ここからは見たい方だけご覧ください。
福ちゃんのお母さんダートムーアはご存じダイナカール牝系の末裔で自身も活躍馬ですが、最大の特徴として、いまだ自分も女系配合(連続○代にわたる父劣性期の種付け)の真っ只中で牝馬スピードを蓄積中だということがあげられます。
ダイナカールから続く父の劣性期配合は母の代で3代連続になります。このまま次世代へスピードを継承するならまた劣性期の父を種付けして牝馬誕生を待てばいいし、逆にそろそろ溜まったマグマを爆発させて競走馬にしたいと思ったら、福ちゃんのように優性の父を付けて勝負したらいい。
そうなんです、配合的に福ちゃんは競走馬向きの血統構成なんですよね。
馬体の形の遺伝は父のタイセイレジェンドをさかのぼり、メジロ牧場の基礎繁殖であるシェリルというフランス産馬に遡ります。シェリルは現在ならG1に位置する仏オペラ賞の勝ち馬で、日本でメジロテイターン、マックイーン親子やメジロライアンの祖となった功労馬。
時計のかかる芝は鬼のように強い一族で、父タイセイレジェンドでさえ初勝利は札幌の洋芝千八で挙げていますから、こうしたシェリルの一面はちゃんと遺伝していたようです。
よって父タイセイレジェンドが根っからの米国スピードダート適性でないことは明らかで、その辺が福ちゃんの馬体にも色濃く出ているのでしょう。ダートにしても少し時計のかかる良馬場が向くので、南関の白砂なら十分適性があると思います。
ノーザンテーストのクロスはダイナカールのゼロ活性で弊害がなく、基礎体力も平均を大きく超える72と大変恵まれているので、調教から実戦という一連の基礎ルーティンをソツなくこなせる素地は十分にあります。
予定日ズレが「+7」なので完成度も早い方ですから、2歳のここまで非常に順調にこれたのも偶然ではないですね。
参考までに福ちゃんは月のサイクルも表。データ上ここまでそろうと、どこかでひとつ勝つことも十分叶う馬の1頭だと思います。
(9)(5秒ジングル)
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さてこのまま順調なら、福ちゃんは7月30日(※実際は31日にスライド)の川崎競馬新馬戦でデビューする予定と聞いています。
そのころの新馬戦には距離900Mと1400M戦があるはずで、福ちゃんはもちろん1400Mに出走します。足の速いライバルは900M戦にいくでしょうが、こちらにも何頭かは回ってくるかもしれません。
でも距離が1400Mあれば、ライバルとも十分戦えると思います。むしろ怖いのは先ほどの能検にいたホッコータルマエの産駒や、福ちゃんと同組で走った4番の馬。パドックではまったく気合いがなかったのに、福ちゃんと接戦だった4番。ああいう馬の変わり身が怖いですね。
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動画の最後に皆さんにこれだけは聞いてほしいのですが、2歳の7月に新馬デビューできる馬というのは、ひとことで言うと「怖いくらい順調に来ているラッキーな馬」でもあるんです。
サラブレッドが生育途中で頓挫することは日常茶飯事です。聞いたこともない症状、聞いたこともない箇所を痛めたりと、ここからまだ何が起こるかわからないのが若駒です。
私も2年前に大井で初夏の新馬戦を勝ってくれた馬に携わっていました。
これがその時の最終追い切りの写真。内の馬ですが、この子もかわいい牝馬でスピードがあり、ゲートがうまくて、折り合いがつき、能検は持ったままで2着、本番でも先行抜け出しと正真正銘の優等生でした。
今思うとあれって、奇跡的な順調さだったよなと思うんです。だから福ちゃんにも頑張ってほしいんだけど、私たちは過度な期待を寄せるのではなく、その成長の過程を楽しむくらいおおらかな気持ちでいたいところです。素材は悪くないですから、長い目で見守っていきましょう。
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片目のサラブレッド福ちゃんの応援動画第1弾 いかがだったでしょうか。
晴れて競走馬となった福ちゃんの馬生は始まったばかりです。
運命的にどうしても何かを背負って生きている仔ではありますが、あまり人間が背負わせすぎずに、これからも福ちゃんの精一杯の現役生活を当チャンネルは応援していきます。