ここには注目のダービー馬の弟・ソルドラード(父ロードカナロア)がいるのですが、あえて推しません。
今ファミリーの力がすごいので走るとは思いますが、詳細はのちほど少し述べることにします。
今回、キャロットさんからも1頭のみの推薦となります。
良血ファミリーの力ってやっぱり偉大だ
▼スカーレットベルの16(競走名:ベルクワイア) 番号13
牝2・国枝栄厩舎予定
父 ロードカナロア
母父 エリシオ
2月23日生まれ 鹿毛
あのスカーレット一族の末えいですが、すべての源となる「ゴッドマザー」からていねいに見ていくと、興味深いことが読み取れます。
【診断結果】
・優先祖先 父 ロードカナロア
・馬場、距離適性 芝のマイル
・基礎体力値 78(平均50)
・スピード 良好
・頭脳 普通
・総合 ★★★(満点は5つ)
代を重ねてもう4代母となるのが、かのスカーレットインク(1971)。
このゴッドマザーこそ、今日の一族繁栄の源となった輸入牝馬です。
スカーレット(以下Sと略)インクは当初あまり仔出しも良くなく、競走馬の母としては最低の部類からのスタートでした。
そんな彼女の評価を一変させた種牡馬といえば、同い年のノーザンテースト。
82年のSブルー以来、事あるごとにノーザンテーストがつけられ、Sリボン、Sブーケら牝馬がバンバン走り出します。
娘たちは晩年の傑作であったため、そこからさらに…というわけにはいきませんでしたが、何しろ活躍馬が全て牝馬ですから、その後繁殖としての娘や孫の繁栄ぶりにはすさまじいものがありました。
Sインク 71年5月5日生まれ (4月19日から6月19日)
・Sリボン 85年6月4日生まれ ×
・Sローズ(3代母) 87年3月8日生まれ ×
・Sブーケ 88年4月11日生まれ ○
3代母SローズはSリボンやSブーケに挟まれる形の全きょうだいですが、母の良い発情期をWinWinの関係で享受していることがわかります。
Sローズ 87年3月8日生まれ (2月22日から4月22日)
・Sレディ(2代母) 95年5月10日生まれ ×
2代母Sレディも偶数歳に母の良い発情期を外れており、リズムをつないでいます。
ここから3代目へ繁殖リズムを正確につなぐと、G1級の名馬が誕生する土壌ができあがるといわれます。
事実2代母Sレディは、初仔のサカラート(00年)のあと、Sベル(本馬の実母・01年)を挟み、芝ダート兼用の名馬でG1を9勝したヴァーミリアン(02年)を輩出しました。
…あれ? なにかおかしくないですか?
そうなんです、本馬の実母・Sベルは、どうもこのリズムから外れているようなんです。
よって本馬ベルクワイアの実力はG1級というわけにはいかないようなのですが、
母Sベル 01年4月6日生まれ (3月20日から5月20日)
・ダノンリバティ 12年2月29日生まれ ○
・フォンターナリーリ 13年5月12日生まれ ×
・本馬・ベルクワイア 16年3月5日生まれ ○
と、OPまで出世したきょうだいたちとリズムがいっしょなので、これはこれである程度走ってくれるものと判断し、推すことにしました。
そして姉のフォンターナリーリや本馬の子孫がこのまま3代リズムを揃えられたとき、再び名馬が誕生する可能性が高くなると思われます。
ちょっと「当てにいった」感じは否めませんが、コスパも良く、早いうちから楽しめるPOG向きの素材でしょう。
ラドラーダの兄弟たちについて話そう
さて今年大注目のダービー馬の弟をあえて推さなかった理由についてですが、実は今見てきたスカーレット一族の話とよく似ています。
つまり、ダービー馬の母・ラドラーダ自身が良いサイクルを外れた牝馬であると考えるからです(ダービー馬を出しといて!)。
いつも言うように、もちろんこれには早生まれや遅生まれの影響が不明で含まれていないので、正確にはジャッジできません。
が、3代母ウインドインハーヘアから見ていくと、2代母レディブロンドやディープインパクトはもちろんサイクル内ですが、ラドラーダはこれに含まれないと考えるのが私の見方です。
むしろラドラーダよりもひとつ下の弟・ゴルトブリッツ(父スペシャルウィーク・G1帝王賞勝ち)は、きちんとサイクルに入っており、鉄板で推せるクラブ馬です。
レイデオロは母ラドラーダと同じサイクルで生まれており、これはこれでラドラーダ系として、異なる性格のファミリーを形成していくものと思われます。
そのくらい、勢いのあるファミリーというのはものすごい力を持っているということでしょう。
そしてそれが今回、ベルクワイアを推す気になった一因でもありますけどね。
次回こそはシルクさんからロードカナロア産駒をお届けしたいです!ほんとに!