ちょっと調べたいことがあったので、サンデーTCさんの2歳馬を見ていたら、図らずもかなりの数を調査することになりまして…。
ならいっそ「関東馬だけでも全頭見てしまうか」というわけで、今回はサンデーTCさんの残りの2歳関東馬編をお送りします。
キャロットCさんの関西馬編は次回お送りします。
カタログ通り父そっくりということでいいです
▼No.136 シーオブザムーン
牝2・金成貴史厩舎
父 ブラックタイド
母父 エリシオ
4月11日生まれ 青鹿毛
【診断結果】
・優先祖先 サンデーサイレンス
・馬場、距離適性 芝のマイル〜
・基礎体力値 53(平均50)
・頭脳 普通
・総合 ★★(満点は5つ)
キタサンブラックを輩出した当時(劣性期)とは違い、父ブラックタイドはここ1、2年が再び最活性期になります。
流星に右後一白はブラックタイド、そして祖父のサンデーに共通の形です。
これがもし昨年ですと、同じ配合をしても優先祖先は母父エリシオへと流れていきます。
おそらく形は鹿毛になり、持続力勝負の馬になると想像できます。
本馬は今年の共同通信杯を勝ったオウケンムーン(牡3・父オウケンブルースリ)の半弟&歳仔なので、まずはきちんと裏表の関係にあるかどうか見極めます。
2代母 アフターザサン 88年2月2日生
叔父 トキオエクセレント 94年2月16日生 ○
叔父 タガノマイバッハ 99年3月16日生 ×
母 ムーンフェイズ 01年3月9日生 (×)
兄 オウケンムーン 15年3月14日生 ○
本馬 16年4月11日生 ×
スピードサイクルの位置的には中程度ですが、サンデーが優先祖先ということで、まずは芝のマイル〜中距離を走るとみて間違いありません。
配合的な面白さはあまりないので、精神面は普通。
Northern Dancerクロスは残りますが、いつもいうようにHail to ReasonはHaloがゼロ活性なので心配ありません。
全きょうだいでも違う馬が出る理由がわかります
▼No.140 ロサデラルス
牡2・新開幸一厩舎
父 クロフネ
母父 ダンスインザダーク
3月5日生まれ 鹿毛
【診断結果】
・優先祖先 Montparnasse(1956)
・馬場、距離適性 ダートor芝のマイル〜
・基礎体力値 63(平均50)
・頭脳 普通
・総合 ★★(満点は5つ)
ちょうど8歳上にナターレ(牝10歳・芦毛)という全姉がいて、南関東で9勝、うち重賞5勝を挙げ、7千万円以上を稼いでいます。
8年ということは、ちょうど馬たちにとってもサイクル1周という扱いになり、もちろん父や母の活性値も同じ。
本馬と姉との違いは血統表上、何もないことになります。
たった2つ違いがあるとすれば、それは2頭の毛色と、母の良い発情期のどこに位置したか、だけです。
まずは毛色から。
モーリスの項でもご説明したように、種付けする父が劣性期だと、馬の形や毛色の決定権は母方に移ります。
ナターレ姉弟の場合、父クロフネがMIN期なので、母ロージーチャームが持つ毛色因子を見ると、母父ダンスインザダークの黒鹿毛系と3代前のCaro(1967)という有名な芦毛系のふたつが優性期として遺伝しています。
よって姉弟の種付け時には「鹿毛系」「芦毛系」が半々で発現する可能性があり、確率通りそれが見事に2頭に分かれたのが、この姉弟というわけです。
次に発情期(スピードサイクル)の位置。
母ロージーチャームの良い発情期は4月3日から6月3日。
姉は5月9日頃が種付け日予想でサイクルの中程度に、一方弟は4月5日頃が種付け日予想でサイクルのごく初期にあたっています。
もちろん弟の予想日はかなり「きわどい」位置にあり、あっさり「裏」馬だったというオチも考えられるので初戦が注目ですが、ごく普通に走れるようなら、良いスピードを持った可能性があります。
3代母 ノーベンバーローズ 82年2月7日生
2代母姉 エリザベスローズ 89年5月3日生 ○
・アグネスゴールド(皐月賞馬) 98年4月10日生 ○
2代母 クリスマスローズ 90年4月22日生 ×
母 ロージーチャーム 01年4月19日生 ○
姉 ナターレ 08年4月9日生 ○
本馬 16年3月5日生 ○
適性さえあれば、弟は芝さえこなしておかしくありません。
実際、姉は盛岡の芝重賞を勝っていますので。(千七1分45秒2)
とにかく初戦、初戦が大事です。
次回はちゃんとキャロットCさんの2歳関西馬編をお送りします。