以前試作した血統表の第2弾として、今回はキタサンブラックを書いてみました。
キタサンブラックの血統七不思議といえば、まず何といっても母父サクラバクシンオーなのに距離三千の菊花賞を勝ったことが挙げられます。
ところがこうして表をご覧頂くと、なんとその母父バクシンオーの活性が最も高く、父ブラックタイドの活性が最も低かったことがわかります。
そして父の活性が低すぎたゆえに母父バクシンオー自体は影響を与えず、バクシンオーの遠い祖先、スターロッチ系のスターハイネスという牝馬の影響を受けることになりました。
先日このスターハイネスを優先祖先に持つ新馬がデビューし、私も注目していました。
戸崎圭太騎乗で芝二千のデビュー戦4着だったミヤビソフィア(牝2・中舘厩舎)です。(最後よく脚を使っていましたが)
この馬も父ハービンジャーの活性が低すぎるので、優先祖先は母母システィーナからスターロッチの系統をたどっています。
ご存じの通りスターロッチといえば、3歳牝馬ながら有馬記念(当時は中山芝二六!)を制した女傑で、オークスの勝ち馬でもあります。
よってここまで優先祖先が届けば、キタサンブラックのように距離万能の活躍が見込めます。
また母系に目をやると、3代母テイズリーがMAX活性を与えていることがわかります。
現代競馬でG1を獲る馬の多くが、3代前までに1回は母系からMAX活性を受けています。
合算値となる基礎体力72も、春秋G1・3連戦をこなす上で大きな武器となったはずです。(ちなみにライバル・サトノダイヤモンドの基礎体力はごく平均的で、競走ピークが短い)
スピードサイクルの後半に位置しているので、爆発的なスピードこそありませんでしたが、強靱な肉体で一定のスピードを維持することに長けていたブラックの特徴がよく出ている血統表です。
さて今回はサンデーR関西所属キズナ〜エピファネイア産駒(No.168〜172)のご紹介です。
サンデーR1歳馬 関西キズナ〜エピファネイア産駒判定結果
【スピードサイクルOK判定の馬】
170 リュヌドールの17(牝・黒鹿毛)
父 ジャスタウェイ
【優先祖先】 ジャスタウェイ
【基礎体力】 〜56(平均は50)
【適 性】 芝の中距離
藤岡健一厩舎 予定
4代母の誕生日が不明で基礎体力値は推定ですが、それにしてもあまり丈夫な仔とはいえません。
2つ上の兄フィエールマン(牡3・父ディープ)もサンデーRさんの馬ですが、弟よりさらに体力低めのせいか、休み休み使われていまだキャリア3戦。
それでいながらG3ラジオNIKKEI賞を1番人気で2着ですから、もっと丈夫なら今ごろ…と会員さんが嘆きたくなるのもわかります。
17年度産の本馬は母がほぼMAX活性でこの数値なので、これはもう母系の体力蓄積自体が足らなかったとあきらめるしかない牝系です。
171 アナスタシアブルーの17(牡・黒鹿毛)
父 エピファネイア
【優先祖先】 Sadler’s Wells
【基礎体力】 72(平均は50)
【適 性】 芝のマイル〜中距離
高野友和厩舎 予定
カタログではスプリンターからマイルに適性ありと見ているようですが、私はもう少し距離をこなすと思います。
でも現場の目の方が優秀ですし、正確ですからね。
しかも「硬い芝で存分に跳ねる」とありますが、これも私は疑問です。
おそらくパワー型の洋芝タイプ、そう北海道シリーズの巴賞〜函館記念〜札幌記念がドンピシャの適性でしょう。
中京のトヨタ賞中京記念もいいチョイスです。
なおエピファネイアの仔によく見られるサンデーのクロスですが、本馬も3代母フサイチエアデール由来で4×4が発生しているように見えますが、父系のスペシャルウィークがサンデーゼロ活性の産駒なので、全く心配いりません。
そのかわりNorthern Dancerクロスは相当強く残っていますけれど。
エピファネイアの成功のカギは、自らが持つSadler’s WellsのMAX活性を牝馬側でどう回避していくか、にかかっています。
172 ルミナスハッピーの17(牝・黒鹿毛)
父 エピファネイア
【優先祖先】 Lalun(牝・1952)
【基礎体力】 41(平均は50)
【適 性】 芝orダートの中距離
高野友和厩舎 予定
本馬も基本的には171番と同様の性質を持っています。
つまり
Sadler’s Wellsが強く
サンデーのクロスは関係ないけど
Northern Dancerのクロスに手を焼く
といった感じです。
ただ明らかにこちらは基礎体力が乏しく、仕上げには苦労しそうな馬ですね。
エピファネイアを見る上で、Lalunという牝馬もキーとなる馬です。
Bold Reasonという馬はサドラーの母Fairy Bridgeの父というだけで歴史に名を刻む(失礼な!競争も一流)馬ですが、その母がLalunです。
Lalun自体は米でダート戦を走った馬ですが、その父Djeddah(1945)が欧州のビッグネーム(チャンピオンS、エクリプスSなど12勝)で、エピファの芝適性&血の多様性(いわゆるトゥルビヨン系)にも影響を及ぼしている可能性があります。
【スピードサイクルぎりBAD判定の馬】
169 マイスフォルテの17(父ノヴェリスト・1日)
天皇賞春連覇のフェノーメノや香港のインディジェナスらを近親に持つ、古めかしくてちょっと変わった感じの血統です。
そこかしこにNorthernDancerクロスが発生しており、精神面に影響を及ぼしているのは確かでしょう。
あとは高活性のノヴェリストがどのくらい頑張れるか、にかかっていますが…。
【スピードサイクルBAD判定の馬】
168 フレンチバレリーナの17
次回でサンデーRさんの1歳馬特集は終わりです。
そのあとは、ここまできたら残りのジーワンレーシングさんにもおじゃましてみようと思っています。
どうぞお楽しみに。
リュヌドールの14こと、ルヴォワールに出資していますが、こちらはどうでしょうか?
越智さん、コメントありがとうございます。
いい馬に出資されていますね。
さてリュヌドールの14ことルヴォワールですが、私のサイクルでは残念ながら「BAD判定」にあたります。
姉のLearned Friendとはサイクルが一緒なのですが、弟フィエールマンたちとは真裏の位置(年子で誕生日がほぼいっしょ)にいますので、当時も私はこの馬を選ぶことができなかったでしょう。
相馬眼、彗眼お見事です。
しかし決してBAD判定の馬が出世しないというわけではありません。
現にルヴォワールは素晴らしいデキですし、馬には早産も遅生まれもあって、一概にすべて正しいサイクルを示しているとはいえないからです。
ルヴォワール(その他きょうだいすべて)の基礎体力は低めということはもうおわかりだと思うので、ルヴォワールの優先祖先だけお伝えしておきます。
実は父ハーツクライよりも3代前のNoir et Or(1975)という馬の活性がより強く、芝の12ハロンあたりに相当な強みがあります。
Noir et Orは凱旋門賞馬ラインゴールド(1969)などの影響を強く受けていますので、時計のかかる馬場にはめっぽう強く、また東京のような広いコース向きだと思われます。
これからも、よい馬主ライフを!
なお、コメントの返信を通知するシステムがなくて申し訳ありません。
少し勉強しておきます。