サンデーR1歳馬の最終回は、関西中堅どころの種牡馬産駒をご紹介します。
このへんが血統表を見ていておもしろい馬たちで、隠れた適性を発見すると思わずニヤニヤしてしまいます。
リストの見方
まだこれから鍛練を積む1歳馬なので、1頭1頭詳細な血統背景ではなく、最初に全馬スピードサイクル判定による分類を行います。
・スピードサイクルOK →馬体も良ければ推奨
・スピードサイクルぎりOK
・スピードサイクルぎりBAD
・スピードサイクルBAD
・判定不能
の5つに分けます。
OKとBADはそのまま(走る走らない)の意味ですが、ぎりOKとぎりBADは
→その馬の誕生日が母のスピードサイクル境界日ギリギリに位置するので、OKがBADだった、あるいはBADがOKだったという可能性あり
の意味です。
よってどちらかといえば「ぎりOK」の方がコケて失敗する(ショックでかい)可能性が高く、逆に「ぎりBAD」が実はOKで思わぬ幸運をつかめることもあるでしょう。
馬体が良い、牧場評価高いなどの推し材料があれば、積極的に「ぎりBAD」までは狙っていけるかもしれません。
ぎりBADについては、こちらでも「狙えるぎりBADかそうでないか」を積極的にコメントしていきます。
またスピードサイクルOK判定の馬に限って、その馬の適性がわかる優先祖先と基礎体力値をご紹介します。
サンデーR1歳馬 関西中堅産駒判定結果
【スピードサイクルOK判定の馬】
175 ダークサファイアの17(牝・鹿毛)
父 キンシャサノキセキ
【優先祖先】 Nearctic(1954)
【基礎体力】 50(平均は50)
【適 性】 芝のスプリント〜
池添学厩舎 予定
キンシャサノキセキは南半球産馬なので、年回りだけ見ると3代父のStar de Naskra(1975)と同じ活性値に見えますが、キンシャサの方が半年分遅生まれで活性はわずかに低いことがわかります。
キンシャサノキセキは父フジキセキの劣性期産駒で、3代前のリファールがMAX活性にあたります。
そこをさかのぼる優先祖先のNearcticは、ご存じNorthern Dancerの父ですが、自身はスプリントに近いマイラーでした。
父がこなせそうでこなせなかった距離の壁は、このNearcticの形をストレートに継承してしまったためかもしれません(気性面もあるでしょうが)。
よって本馬にも距離の壁はありますが、5代血統表内にこれといったクロスもなく、気性面でのマイナス要素は少なめなので、父よりもう1ハロン長いところをこなす素地はあります。
ただしクロスがないといっても、4代全ての父親は遠くネアルコの血をひく同系馬ばかり。
そのうちTurn-toの2系統はネアルコゼロ活性なので弊害なしですが、血の活力という意味では全体的に新鮮さに欠けます。
競走で活躍しても、繁殖にあがってからは配合にちょっと工夫が必要な牝馬です。
そして一番残念なのは4代母がゼロ活性を伝えてしまったこと。
母ダークサファイアがMAX活性を本馬に伝えたのもこれで帳消しになり、効果がスピード面での底上げにとどまっています。
もしここに体力の恩恵があれば、本馬は相当面白い存在だったに違いありません。
【スピードサイクルぎりOK判定の馬】
179 ラテアートの17(父カレンブラックヒル・7日)
180 インダクティの17(父トーセンジョーダン・3日)
184 ダストアンドダイヤモンズの17(父Pioneerof the Nile・1日)
185 スターズアンドクラウズの17(父Siyouni・3日)
持ち込みの2頭は血統はすごくおもしろいものの、いずれもぎりOK判定で大活躍まではちょっと微妙…。
一番判定に余裕のあるラテアートの17は、爆発力こそありませんがコツコツと当てにくる牝系で、クラブ馬向きです。
【スピードサイクルぎりBAD判定の馬】
181 ヴィヴィッドカラーの17(父ワールドエース・6日)
182 サンウィルシャインの17(父カジノドライヴ・1日)
サイクル外わずか1日と、限りなくシロに近いサンウィルシャインの17は、Dewan(1965)という米系ダート血統が優先祖先。
近親にいるユートピア(G1南部杯勝ち2回など)あたりを想像してもらえばいいのですが、この牝系も難解牝系のひとつで、サイクル境界すれすれに生まれてくる仔が多いです。
カジノドライヴもワールドエースもかなりポテンシャルを秘めた種牡馬ですね。
【スピードサイクルBAD判定の馬】
174 コナブリュワーズの17
176 ムーンフェイズの17
177 ロフティーエイムの17
178 マンデラの17
【どうしても判定不能だった馬】
173 ヴァリディオルの17
183 シーズインポッシブルの17
これでサンデーR2018の1歳馬リストは全て終了です。
来年の新馬はまずサンデーR優先で馬券を検討されることをおすすめしておきます。
次回からは予告通りジーワンレーシングさんの1歳馬をみていきます。
どうぞお楽しみに。