【訂正】きさらぎ賞2018 ダノンマジェスティが兄に及ばない決定的な差

【訂正】
先刻、ダノンプレミアムとダノンマジェスティを取り違えてご紹介してしまいました。
今週出走するのは、ダノンマジェスティ号(牡3・音無厩舎)です。
記事内容には間違いはありませんので、あくまで一知識として、そして自戒を込めて、後ろにこのまま掲載します。

 

ダノンマジェスティと兄・アルアインとの決定的な違い

 

お詫びに、兄弟の血統的違いを少し。
一番の相違は、
▼ダノンマジェスティに、兄ほどの頑強さがないこと
である。

これは母ドバイマジェスティが、兄アルアインには生涯で最も強大な体力を授けたのに対して、その反動かのように、弟ダノンマジェスティには微々たるものしか与えなかったことに尽きる。

これなら人気を分ける、グローリーヴェイズ(牡3・尾関厩舎)の方が、本番ではおもしろい存在。
サンデー以上に母系のメジロライアンが強く、これからジワジワと力をつけていくだろう。
こちらは体力も平均以上のものを持っている。

以下、初回記事へ

 

両者は字面上同じディープ産駒ではあるが

 

さて今年のクラシック有力馬といえば、ダノンともう1頭、ワグネリアン(牡3・友道康夫厩舎)が控えているが、奇しくも両馬ともにディープインパクト産駒。

だがこれを持ってさぞかし今年は当たり年なんだろうと考えるのは早計。
実は2頭とも、ちょうどディープ自身の繁殖生活の「中休み期」にさしかかった時の種付けで、その血の活かし方が難しかった世代。

両馬の血統的違いを見ながら、以下お話ししよう。

 

ダノンプレミアムはまるまるサンデー

 

まず最初にディープインパクトは「サンデーの生涯繁殖中でもたいへん強い時期に種付けされた馬」であるのが大前提。
どのくらい強いかというと、10点満点で8点以上、これより強い種牡馬はその馬の「一世一代当たり年」をもってこなければならない、ほどである。

ところが前述したように、現3歳世代(2015年生まれ)のディープ自身は繁殖上、中の中クラスの影響力しかなかった。
その結果どうなるか。

▼その1 ディープより強い影響力の父馬が母系にいるときはディープではなく、父のサンデーの形質が出やすい

これがダノンプレミアムである。

4代前にさかのぼると、Double Formという欧州馬がいて、実はこの種牡馬の影響力が一番強い。
強いが、この馬もどうということのない程度で、以下3代デインヒル、2代インティカーブはもっと弱い年。
すべてが弱い世代の背比べだったため、さほど遠い祖先を引いてこず、2世代前までで馬の「形質を決める」親が決定的となった。
それがサンデーサイレンスだったというわけ。

今年はこのパターンでサンデーそっくりなディープ産駒をよく見かける。

 

血統表に見えるインブリードは全て無効。
Hail to Reasonはサンデーで、Northern DancerDanzigはデインヒルで切れている先祖。精神的な難しさ、敏感さはさほどない馬。

だがこの馬の一番のウィークポイントは「基礎体力の無さ」。
血統(ボトムライン)からは、一流馬にしては本当に心許ないほどの体力しか持ち合わせていないと読める。その辺の馬の平均以下と言ってもよい。

休み明けは全く心配ないが、皐月賞後のダービーやG1前にトライアルを走った時など、連戦と強い調教には要注意だ。

よって、このままきさらぎ賞から皐月賞直行なら、馬券になるとみている。

 

それじゃあワグネリアンはどうなのか

 

ワグネリアンの血統構成はこう説明できる。

▼その2 ディープと同程度の影響力しか持っていない母系種牡馬の集まりでは、どれが形質を伝えてもおかしくない

ダノンプレミアムも褒められたものではないのだが、ワグネリアンに至っては、さらに存在の薄い年の種牡馬が代々かかり、結果神さまが「うーん、じゃあ毛色はこんなんでいいや」とおっしゃったような馬になっている。

実はワグネリアンまでにつけられた種牡馬のうち、4代前Valid Appealと2代前キングカメハメハ、そしてディープは誤差の範囲で並ぶ程度の影響力。
わずかに個々の誕生日の差で一番はキンカメかな、と私は思うが、それでもディープの形で出ておかしくない。

誤解のないように付け加えておくが、血統表はあくまで種付けの年の影響力がどうだったかであり、ディープやキンカメがスゴい種牡馬であることは変わりようもない事実である。

またこのような考察は「名馬の全きょうだいがなぜ走らない」うんぬんの分析にも使える。

さてダノンで心配だった基礎体力だが、この馬はギリギリ平均値に届いている。というのも体力に関しては母ミスアンコールに因るところが大きく、この馬の体力が凡庸だったら、ワグネリアンは競走馬になれたか怪しいほど。

 

今年の3歳は粒ぞろいという話をよく聞くが、残念ながらクラシック戦線を皆勤できる馬は一握りと見ている。
早ければ皐月賞後のダービーでも、ひと夏を越せばまた新勢力が出るなど、消長の激しい戦いになるかもしれない。


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