▼弥生賞2018 基礎体力の低いダノンPとワグネリアンはクラシックを獲れないのか

基礎体力が低いイコール能力減退ではない

もう一度、弥生賞の基礎体力表を掲げておく。

オブセッション    75
(ダイワギャバン   72)
(キタノコマンドール 69)
リビーリング     69
ジャンダルム     56
サンリヴァル     50(平均)
ワグネリアン     47〜(一部流動的)
ダノンプレミアム   44

馬というものは、基礎体力が低いからといって、すぐにコロコロ負けるとか馬脚を現すわけではない。
「伝説の新馬戦」でもないかぎり、2歳時から限界値までスピードを発揮する場面には遭遇しないからだ。

ダノンプレミアムワグネリアンも、幸いまだ100%の力で(あるいは仕上がりで)走ったことはなく、この弥生賞以後のサバイバル戦に体力を温存できている。

そして、弥生賞、皐月賞、日本ダービーがどんなレベルのレースになるかで、2頭にどれくらい体力が残り、どこまで我慢できるかが明らかになる。
その余力が、他の馬に比べて少ないというだけのことである。

 

基礎体力が低かった名馬たちのその後

 

ファンが思い出せる範囲で書けば、幻の3冠馬などと呼ばれながら3歳春に無敗のままターフを去った馬として、

▼フジキセキ
▼アグネスタキオン

また夏を越しながらケガをした
▼キングカメハメハ

などが挙げられる。

各馬の基礎体力を同じように表してみると、

フジキセキ 81
キンカメ 41
タキオン 38

であり、キンカメやタキオンはそもそも本気を出した瞬間にいつパンクしてもおかしくない馬だったことがわかる。

なおフジキセキについては、サンデーの初年度産駒という特殊事情があり、後継種牡馬が望まれていた背景から引退が早まったフシも。
ケガの状態如何では、現役に復帰できた可能性もあっただろう。

もっとも種牡馬としての活躍を見るにつけ、早期引退で何の問題もなかったわけだが。

 

もうひとつ例として、2013年生まれ世代のクラシック3強だった

▼ディーマジェスティ
▼マカヒキ
▼サトノダイヤモンド

たちの体力を見ると、

ディーマジェスティ 47
マカヒキ 81
サトノダイヤモンド 59

であり、なんとなくその後の身の振り方が垣間見える気がする。

つまり、ディーマジェスティは春をピークに少しずつ能力が減退し、マカヒキはその旺盛な体力にものを言わせて海外遠征へ、ジワジワと力をつけたサトノが3歳後半に爆発、という感じに。

ダメ押しで、先頃引退したキタサンブラックはというと、基礎体力は72で「やっぱりね」という名馬クラス
でなければ、G1を3連戦うち2勝などという離れ業を、何度もやってのけられる訳がないのである。

基礎体力が低い馬でも、もちろんタイトルは獲れる。
が、その代償は大きいし、拭うことのできない疲労が必ず蓄積する。
基礎体力が豊富な馬の「目覚め」に賭けてみるのも、長い目で見ればあながち無理筋ではない。

 

そして2強がともに弥生賞を選ぶわけ

 

基礎体力に自信がない2強は、本番までの間隔が最善とみてここ弥生賞を選んだ(妄想)。
当然本番までライバルと当たらずに済めばそれに越したことはないが、まずは自身の体調の方が優先事項であり、こういう馬にとって相手関係は二の次の課題なのである。

弥生賞は例年スローの上がり勝負が多く、淡泊なレース展開になりがち。そういう年はまず本番に結びつかないが、今年は前目にダノンプレミアムが位置し、よどみないペースが見込まれる。
すごいレース展開になればなるほどファンは沸くだろうが、勝ち馬が本番で連続好走できる可能性は低くなる。

そうそうたるメンバーが集まり、皐月賞でもこれ以上の馬の検討はいらないのではないか、と思うくらい(だから長くなりました)だが、最後に弥生賞の基礎体力表に比較対象として登場してもらった、キタノコマンドールダイワギャバンも、かなりの器であることを強調しておく。

ただキタノコマンドールこそディープからサンデーを受け継いだ王道血統だが、ダイワギャバンは母父Medaglia d’Oroからさらに2代前のBailjumperという米国馬の形質を継いでいる。

Bailjumperはダマスカス系で直父系としてはやや地味なので、ギャバンもいいところでいい味を出す「個性派」になる気がする。
距離は前走の外回り二二よりは緒戦の二千内回りが適し、中山記念を制したウインブライトに近いイメージだ。


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