かなりおもしろいメンツがそろった伝統の一戦
今年はここまで古馬の長距離路線をずっと解説してこなかったので、今回初めて基礎体力値と優先祖先をはじき出してみた。
なかなかにおもしろい血統背景の馬がそろっているが(王道の馬がおらず、おもしろくていいのかなという懸念はある)、馬券としてはかなり絞り込めそうな雰囲気にある。
優先祖先込みで推奨できるのは3、4頭だけ
▼天皇賞(春)2018 基礎体力表と優先祖先名
ガンコ 72 母シングアップロック
クリンチャー 69 2代父アグネスタキオン
ピンポン 69
トーセンバジル 66 父ハービンジャー
ソールインパクト 66 Spectacular Bid(1976・ケンタッキーダービーなど30戦26勝)
トウシンモンステラ 59
ミッキーロケット 56〜 カーリアン〜ラウンドテーブル
ヤマカツライデン 56
アルバート 53 Hyperion(1930)
シュヴァルグラン 50 2代母ハルーワソング
チェスナットコート 50(平均)
スマートレイアー 47
シホウ 44
トミケンスラーヴァ 31〜
サトノクロニクル 38
レインボーライン 25
カレンミロティック 22
指数堂々トップは、前走の日経賞を勝ち一躍有力候補にのし上がったガンコ(牡5・父ナカヤマフェスタ・松元厩舎)。
計算上の優先祖先は母シングアップロック(栗毛)となるが、本馬が青鹿毛である事実から、父ナカヤマフェスタの誕生日(4月5日)に種付けされたことによる「一代遺伝」の可能性も残されている(すごく近い)。
いずれにしろ、父は凱旋門賞2着、また母の優先祖先が5代前のPrince Ippi(1969独・イタリア大賞など)であることから、スタミナの裏付けは十分。
前走をフロック扱いするのはかなり危険で、思い切って中心視してもいいクラスだ。
実質指数2位のクリンチャー(牡4・父ディープスカイ・宮本厩舎)はここへきての乗り替わりがなんとも痛い。
代役・三浦皇成でも悪くはないのだが、前走のように突然スイッチが入る難しさも秘めている馬なので、約2割の戦力減は致し方なし。
これがまだ人気するくらいなら、その下の絶好調藤原厩舎トーセンバジル(牡6・父ハービンジャー)、大穴ならこの馬一択のソールインパクト(牡6・父ディープ・戸田厩舎)あたりをそっと買う方が現実味がある。
これに、どうせ中距離馬と侮ると3着あたりに来そうなミッキーロケット(牡5・父キンカメ・音無厩舎)までが、指数から推奨できる馬たちになる。
もちろん予想1番人気のあの馬も悪くはない
シュヴァルグラン(牡6・父ハーツクライ・友道厩舎)と、アルバート(牡7・父アドマイヤドン・堀厩舎)も経験と実績は十分で、たとえ今回勝たれても不思議ない。
が、なにしろ元から手薄なこの長距離路線の一番おいしい汁を吸ってきた2頭でもあり、そろそろ後輩に道を譲ってもいいのでは…と邪推したくなる。
年齢を重ね、ちょっと良化度が遅く感じることもあり、オッズとの比較で今回は見送りとする。
ちなみにこの記事を書く前に、某専門家が競馬サイトで馬体を激賞しているのを読んだサトノクロニクル(牡4・父ハーツクライ・池江厩舎)も、優先祖先はミッキーロケットと同じく、カーリアン〜ラウンドテーブルという流れ。
皐月賞のエポカドーロ同様、調教が軽ければワンチャンあり。
また同じサイトで「つかみどころがない馬体」と疑問視されていたレインボーライン(牡5・父ステイゴールド・浅見厩舎)は、優先祖先がファーストファミリー(1962・米国)から1938年生まれのHildene(牝馬・米国)にさかのぼる可能性まであり…。
とにかくみんなが知らない時代の祖先にぶち当たる馬なので「つかみどころがなくて当然」なのである。