▼セレクトセール2018 当歳馬最速診断 ゴールドシップ編(No.418)

ドゥラメンテは残念ながら推薦馬なし!

後で2頭ほど「もうすぐトップテン圏内」として挙げますが、やはりドゥラメンテ産駒は推薦までには至りませんでした。(やはりと言うからには少し理由があります)

一方ゴールドシップ産駒は3頭上場のうち1頭が推薦、1頭がもう少し、という結果でした。

ここでも「上場馬の数が少ない種牡馬の仔を狙え」というセレクトセール2018の法則が見事に成り立っています。

残る大御所新種牡馬では、モーリスリオンディーズの上場数が多いので、そちらは次回見ていきます。

現役時代かなりのやんちゃで鳴らしたゴールドシップは、もしかしたら優等生ドゥラメンテ以上にしぶとく成功する種牡馬かもしれませんね。

 

兄と本馬との毛色の関係が不思議

 

▼No.418 リトルビスケットの18

18年3月30日生まれ 牡 黒鹿毛
父 ゴールドシップ
母父 タニノギムレット

【診断結果】

・優先祖先 母父シャーディー〜Pocahontas(1955)

・馬場、距離適性 芝のマイル〜

・基礎体力値 44(平均50)

・頭脳 優秀

・総合 ★★★(満点は5つ)

ゴールドシップはまごうことなき芦毛ですが、本馬は黒鹿毛、全兄は芦毛というファミリーです。

 

全兄と本馬の違いはただ1つ。ゴールドシップの活性値です。

兄の種付け時、ゴールドシップの活性は母母父シャーディーとほぼ同じ(わずかに15日ほどの差)で、これは優先祖先がさかのぼられずにゴールドシップ自身(芦毛)になるパターンです。

ところが弟は兄からわずか2週間程度遅く生まれた(種付けされた)だけで、父のMAX活性を通り越してゼロ活性になってしまった可能性があります。

するととたんに優先祖先探しはさきほどのシャーディーをさかのぼることになり、結局Tom Rolfeの母・Pocahontas(ポカホンタス)というスプリンターの母にたどり着きます。
この馬が優先祖先で、ちょうど黒鹿毛です。

Tom Rolfe(1962・米国)はプリークネスSの勝ち馬ですが、ケンタッキーダービーもベルモントSもやや距離の壁があった様子。
その後は8ハロンあたりでバシバシ勝った(32戦16勝)名馬です。

 

実は他にも本馬が黒鹿毛になり得る可能性はあり、そのひとつが「ちょうど母の誕生日に種付けされた」というものです。

これは一も二もなく母が優先祖先となり、もちろん黒鹿毛で、距離もあまりもたないスプリンター〜マイラー(母は千二の特別を連勝して引退)に出やすいです。

いずれにしろ、本馬は距離はマイルくらいがよく、またスピードのサイクルも前半に位置しているので、父の面影よりはずっとスピード寄りの産駒です。

4代母 ルージョン 68年3月22日生
3代母 タニノターゲット 86年5月26日生 ×
2代母 タニノマウナケア 94年5月15日生 ×
母 リトルビスケット 05年5月2日生 ○
本馬 18年3月30日生 ○

 

頭脳面でも4代父タニノフエバリツトはゼロ活性、3代父シャーディーDanzigのゼロ活性、母父タニノギムレットTurn‐toがネアルコ0ですから、すごくスッキリしています。

加えてHail to ReasonのクロスはサンデーがHaloのゼロ活性、珍しいトライバルチーフのクロスもタニノフエバリツトがゼロ活性で、全く心配ありません。

代々の父たちの活性値が全て異なるのも良い材料。
頭脳だけなら、セールでも1、2を争う優れものです。

 

ただ惜しいかな、体力には恵まれませんでしたので、そのあたりを克服できるかで出世の具合が変わってきそうです。
天はなかなか二物を与えませんね。

 

もうすぐトップテン圏内の馬たち

 

ゴールドシップ産駒では

▼No.341 エルーセラの18 牝 芦毛

もいいと思います。

こちらはスピードが中位、距離適性が中距離からクラシックと、父そっくりの娘になりそうです。

 

また肝心のドゥラメンテ産駒では、

▼No.321 ヒッピーの18 牝 黒鹿毛

ドゥラメンテはサンデーの母Wishing Wellの影響が強く、芝の中距離馬を多く出しそうですが、それにしてもこの馬はもう少しスピードがほしいです。

また基礎体力に不安があるものの

▼No.387 メーヴェの18 牡 鹿毛

もスピードはサイクル通りです。

 

ドゥラメンテは父系母系ともに、現代日本競馬の主役を一堂に集めた「結晶」であり、現役時は鬼のような強さを発揮しましたが、こと血統的背景でみると、ゴールドシップあたりと比較して面白みが1枚も2枚も足りません

スタリオンでもその辺は重々承知されていて、今回見た産駒も欧州や南米から導入した聞いたこともない系統の牝馬を母に迎えた馬が圧倒的に多いです。

つまり日本土着の優秀な繁殖につけるには、ドゥラメンテはあまりにも「普通すぎる」し、「クロスの弊害」も気になる種牡馬なのです。

 

引退直後に自分は、あるサイトにそんなちっぽけな心配事を記事にまとめました。

今でも杞憂であってくれればいいな、と心から思いますし、もしかしたらドゥラメンテこそ、欧州や米国で活躍すべき日本産シャトル種牡馬の草分け候補なのかもしれません。

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