ノルマンディーOCさんの1歳馬ご紹介は今回が最終回。
引き続き、OK判定に近い馬だけを取り上げていきます。
ノルマンディーOC1歳馬 判定結果
19 デアリングバードの17(牝・青鹿毛)
判定 【 OK 】
父・エピファネイア
【優先祖先】 Lalun(牝・1952)
【基礎体力】 44(平均は50)
【適 性】 ダートor芝の中距離
栗東・杉山晴紀厩舎 予定
満口
シリーズ初めての満額OK判定馬で、距離も十分保つ気がします。
父エピファネイアはその母シーザリオそのものというべき種牡馬で、Sadler’s WellsのMAX活性を受け継いでいます。
そのため今後も切れる脚を持った産駒は出にくいと思いますが、道悪や坂のあるコースがめっぽう得意で、ライバル種牡馬より距離が保つのも強みとなるでしょう。
もしかしたら最初のG1勝ち産駒登場は菊花賞あたりかも、と思わせます。
本馬はあっけないほど簡単にスピードサイクルを継いだファミリーと判断できるので、あとは祖母と母の名前を混同しないように気をつけるくらい(ハートとバード)。
ですが残念ながらその祖母と母はサイクル約1か月の差でゼロ活性関係にあり、よって本馬も体力的な恩恵はあまり受けていません。
重賞3勝など活躍した祖母(ハート)も本当に成績が安定したのは古馬になってから。
TCK女王杯(大井ダ1800)2着の実績もあるとおり、芝ダート兼用など本馬と適性がよく似ていると思われるので、あとは辛抱強く開花を待てる人向きの馬ですね。
23 ホクセツダンスの17(牝・栗毛)
判定 【 OK 】
父・キングカメハメハ
【優先祖先】 キングカメハメハ
【基礎体力】 ★84(平均は50)
【適 性】 芝orダートの中距離
美浦・国枝栄厩舎 予定
残口あり
栗毛馬ではありますが、計算上はまちがいなくキンカメの活性が強い牝馬です。
母系は名門フロリースカツプ系で、数ある枝系の中でもダービー馬スペシャルウィークと同じミスアシヤガワ系の出身になります。
こういう名門系は年を経るごとにBAD判定馬の数が増えるので、2000年を越えてからはいよいよ正しい繁殖牝馬の見分けが付きにくくなるものですが、本馬の場合母ホクセツダンスがOPまで行った活躍馬ゆえ、サイクルの判定が容易になっています。
しかも日にちの調整が一切なしで本馬まで順にサイクルをたどることができます。
ミスアシヤガワ 64.5.24 ぐ× 5.7〜7.7
レデイーシラオキ 78.4.3 ぐ× 3.17〜5.17
フアーストラブ 86.5.3 ぐ× 4.17〜6.17
サイレントラヴ 01.5.17 き○ 5.1〜7.1
ホクセツダンス 08.4.27 き○ 4.11〜6.11
ホクセツダンスの17 17.4.14 き○ →OK
さらに特筆すべきは、本馬が母ホクセツダンスの9歳時MAX活性を受けていること。
これにより基礎体力値は脅威の★84に跳ね上がっています。
また2代母フアーストラブの父ナイスダンサー(1969)がゼロ活性のため、Northern Dancerのクロスをうまく回避できています。(準アウトブリード)
その上で動画を見ますと、まだ体が小さいのと、前肢の出(角度?)が必ずしもスムースでない点が気になるので、ダートからデビューさせるのもありかもしれません。
もう一皮むければ、想像以上に面白い存在となりそうです。
24 マルデデルマの17(牝・芦毛)
判定 【 ぎりOK8日 】
父・クロフネ
【優先祖先】 Mountain Flower(牝・1964)
【基礎体力】 ★69(平均は50)
【適 性】 芝orダートのマイル
美浦・菊沢隆徳厩舎 予定
残口少
芦毛馬ですが、この馬も父の芦毛を継いだのではありません。
父クロフネは劣性期ゆえ、本馬の優先祖先はサンデーの母系に流れます。
サンデーの母系はどれもあまり影響力がなく、またよくよく見るとほとんどがマイラー系の馬ばかりです。
ですから「サンデーが優先」の馬の場合、スピードは認めつつも、距離延びていい因子は何ひとつないというのがサンデー系の大きな特徴です。
本馬の近親には、古くはイブキマイカグラ(父リアルシヤダイMAX期・阪神3歳S勝ち)などがいますが、どちらかといえばちょうど父も一緒のインパルスヒーロー(父クロフネ劣性期・ファルコンS勝ち)によく似たタイプと思われます。
動画を見ますと、前肢の出はわりとスムースなのに対して、トモが今ひとつついてこない感じがします。
加えて気性がおっとり型というコメントもあり、競走に行って果たしてうまく変わってくれるでしょうか。
基礎体力が豊富なので、鍛え甲斐のある牝馬ではありますが。
さてこれでノルマンディーOCさんの特集は終了です。
次回はメルボルンC2018の直前展望か、新たなクラブ発掘の旅に出かけるか、どちらかの予定です。
お楽しみに。