▼根岸S2019 すい星のごとく現れたダートスプリンター・コパノキッキングの不思議な距離適性

府中の千四は間違いなく彼?の試金石

本番と同じ舞台で行われるもうひとつのトライアル、根岸Sで人気になりそうなのが(外)コパノキッキング(セン4・父Spring At Last)。

前走カペラSの剛脚はお見事の一言。中山だとハマる一瞬の切れ味は最高に近いものがあり、あれが府中に行ってどのくらい持続するのかが課題となりそう。

しかも距離千四にあまりいい実績がなく、彼(セン馬だけどいちおうここでは彼、扱いでいく)の適性上限一杯いっぱいと見る向きもある。

そんな彼の距離適性と気性の元はどこからやってきたものか、さっそく調べることにしよう。

 

スプリンターになりそうな血統的影響はどこにもない

Areola 1968
 Chalon 79.5.5 4.19〜6.19
  クリエイター 86.6.1 き×
  シャルナ 95.5.17 ぐ○ 5.1〜7.1
   Celadon 07.4.5 ぐ○ 3.19〜5.19
    コパノキッキング 15.3.7 ぐ○ →OK(初期)

3代母Chalonは現役時代にコロネイションSなど重賞3勝、繁殖入り後にクリエイター(仏ダービー)を出した名牝で、その後の子孫たちのスピードサイクルも極めてきれいに収まっている。

ただ日本にはあまり定着していない牝系で、昨年も芝に2頭の新馬がデビューしたがパッとしない感じ。

コパノキッキングの下2頭もインド産!ということなので、すでにこの牝系を追いかけることは難しそうだ。

 

▼コパノキッキングの優先祖先

父 Spring At Last 活性値3

2代父 ゴールドヘイロー 活性値1
3代父 Darshaan 活性値5
4代父 Habitat 活性値4

コパノキッキングは父が劣性期の産駒で、残念ながら彼のダート適性や距離適性は父のものではない。

そこで優先は欧州でも名うてのスタミナ血統であるDarshaanの方向へとさかのぼる。

が、父Spring At Lastと3代父Darshaanの活性差は5−3=2でわずかに2世代差なので、優先は2代母のシャルナどまりということになる。

シャルナにも競走経験(3戦1勝)はあるものの、いまひとつ詳細な適性がハッキリしないので、今度はシャルナ自身の優先を調べると、

父 Darshaan 活性値5
2代父 Habitat 活性値4
3代父 Kythnos 活性値2
4代父 Never Say Die 活性値3

ということで2代母シャルナはなんとなんとDarshaan自身が優先ということになる。

いやはや、これだから競馬は面白い。

 

ダルシャーンでスプリンターのワケ

コパノキッキングの毛色が黒鹿毛であることと、シャルナ〜Darshaanが黒鹿毛一族であることに矛盾はないので、この予想もあらかた間違ってはいないのだろう。

しかし今のコパノキッキングの主戦場はダートのスプリント
どこをどうしたらそんな適性になるというのか。

 

過去数戦のコパノキッキングの映像を見たところ、彼の走りの良さは他のライバルに比べて「前肢が高く上がり力強く前に踏み出される」フットワークの形にあるとわかった。

つまり小脚を使う、完歩が小さい、前脚の出が悪い、体形が弾丸型…といった従来のスプリンターではなく、もっと他に要因がありそうな「隠れ」スプリンターの可能性が高い。

その可能性のひとつが気性である。

 

ここではコパノキッキングがセン馬となったいきさつまでは調べないが、もし彼の去勢理由が体質の強化に加えて「気性の矯正」にもあったとしたら、元馬がどうであろうと、これは単なるスプリンターに変化しておかしくない。

彼は今でも出遅れ以外にテンのスピードを抑える術がない感じなので、おそらく必要以上のスピードで走っている距離が長すぎるのだろう。

馬はある一定の速さを超えて走ると、最後の脚にてきめんに影響が出る生き物。
そのある速度がコパノキッキングの場合もっと遅いはずなのに、レースでは自然と高速で走ってしまうのかもしれない。

 

気性の成長に伴い、将来コパノキッキングが距離自体をこなす可能性はあると思うが、反面そのときにはもう「競走馬としてやや陰りを見せている」危険もあるはず。

そのくらい、気性難とレースでの勝負根性の釣り合いはかなり難しいと思う。

コパノキッキングは有り余るスピードを持続するためにスタミナを使う馬であり、なんとなくロードカナロアに似たタイプかな?

カナロアの心臓もまるでステイヤーのようだったという話があるくらいだから、両馬ともスタミナ=距離適性ではない、という好例なのだろう。

 

最後にその気性難の原因は…

気性難の先天的原因としてまず浮かぶのが、クロスの弊害

 

コパノキッキングの5代血統表には主に3本のクロスがあり、そのうち今も生きているのは、Northern Dancer

Spring At LastNorthern Dancerから4代経た種牡馬だが、Northern Dancerそのものの活性値は、

1.25×0.75×1.25×0.25=0.292…

であり、あまり強くない。
(※蛇足ながらさらに0.125以下の活性値になると無視できる)

しかし母系の母父ゴールドヘイロー内のNorthern Dancerは相当に強く、活性値にして1.75

よって、Northern Dancerクロスの弊害はあってしかるべき

 

残りのHail to Reasonはサンデーで途切れるため、弊害なし。
またミスプロのクロスも父方Silver Deputyの母・Silver Valley(栗毛)がミスプロのゼロ活性馬であるため、これも弊害なし。

現代の競走馬の配合としては、これでもクロスの弊害を最小限にしている方で、もしコパノキッキングの気性面がNorthern Dancerクロスの弊害だとしたら、大変に惜しい気がする。

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