春近し。心機一転、筆が動く気分の日に、また少しずつ書いていこうと思います。
よろしくお願いいたします。
わにさん、さっそくのコメントありがとうございました。
返信しておきましたので、昨日のブログにてご確認ください。
さて今年の桜花賞本番まで残すトライアルは実質あと3つ?
今週日曜阪神のフィリーズレビュー、中山のアネモネS、そして賞金的な最終切符となる来週のフラワーC。
中でも桜花賞との伝統的なリンクをわずかながらも残しているのが、このフィリーズレビュー。
チューリップ賞組には一目置くとしても、近年レーヌミノルやメイショウマンボがここから1冠目を戴冠したのは事実(しかもレーヌミノルはトライアル2着)であり、まだまだ捨て置けないローテである。
今年アネモネSの想定メンバーは相当低レベルに感じられるので、もし桜花賞本番で大穴の3着付けがあるならやはりここフィリーズレビュー組ではないかと思うのだが…。
今回は人気の一角で配合内容も優秀な1頭、ホウオウカトリーヌについて少し述べてみたい。
ホウオウカトリーヌの優先祖先
▼ホウオウカトリーヌ(牝3・2016.2.2生・鹿毛)
父 マツリダゴッホ(2003.3.15生) 活性値4
母父 Henrythenavigator(2005) 活性値6
3代父 Siphon(1991.11.2生) 活性値7
4代父 Accipiter(1971) 活性値3
父マツリダゴッホは種付け時ちょうど中性期(厳密にはわずかに劣性期のまま)にあたり、よって本馬は母似の産駒となる。
中でも一番活性値の高い祖先は3代父のSiphonで、彼はブラジル産馬ながら世界各地で活躍した名馬。
キャリア全盛の米国在厩時にはハリウッドGCやサンタアニタHなどのダート10ハロン路線G1で勝利し、97年にはドバイWCでも2着している。
父マツリダゴッホと3代父Siphonの活性値の差は7−4=3なので、ホウオウカトリーヌの優先はだいたいこの3代父Siphonと考えてよい。
なおSiphonは南半球産馬なので本来なら活性値は7−αとすべきだが、Siphonの誕生日は11月2日であり、よって種付け日は南半球では最遅時期の12月だったと予想される。
12月といえばあと2か月で北半球の繁殖シーズンにる時期。
よって南半球産馬の調整はほとんど必要なく、今回は活性値7のままとした。
(反対に同じ北半球産馬同士でも、1月生まれと7月生まれの父比較では予想活性値を調整する必要が出てくる。北、南よりもあくまでケースバイケースということ)
もとい、Siphonは戦績から一見ダートの10ハロンあたりに高い適性がある馬に見えるが、そもそもブラジル在籍時(4戦4勝)は芝の千五あたりのG1(ジュリアーノマルティンス大賞)を走るなど、芝マイラー適性も見せていた。
また米国に渡ってすぐにはダートの6ハロン重賞も走ってみせるなど、どうも馬場や距離適性にはかなりの柔軟性があったらしい。
このへんは娘のホウオウカトリーヌにも通じるものがありそうだ。
娘も今回の千四は全く問題ないし、もう少し距離延びても十分やれるだけの資質はあるだろう。(ただし父マツリダゴッホだからオークスも大丈夫というのは大きな誤り)
ホウオウカトリーヌの基礎体力
母 テルヌーヴ 0.75
2代母 Ms Louisett 1.0
3代母 Juliac 1.75
4代母 Juliet ★2.0 → 合計5.5 = ★69
ぎりぎり4代前にMAX活性の継承があり、ホウオウカトリーヌの基礎体力は★69。大変優秀だ。
しかし残念なことに、Hカトリーヌが繁殖生活に入ると、生まれた仔にはこのMAX活性は伝わらないから、なんとか自身の競走生活中に活用しておきたいところだ。
今回のフィリーズレビューの想定メンバーでは、基礎体力だけならイベリス(牝3・父ロードカナロア・角田厩舎)も72だし、ラミエル(牝3・父ジャスタウェイ・橋口厩舎)も69だ。
しかしその中にMAX活性が含まれるか否かというのは大きな分かれ道で、たとえば昨年に本ブログでイチオシした当時8番人気のリバティハイツ(牝4・父キンカメ)は基礎体力トップの75もMAX活性はなく、桜花賞後はイマイチの成績に終わっている。
ホウオウカトリーヌの相手としては2頭とも十分に考えられるが、イベリスもラミエルもHカトリーヌほど奥はなく、早熟型である可能性が低くない。
あの人気馬には要注意!?
ホウオウカトリーヌの話題はこれでひとまずおいといて、基礎体力の話が出たので、今回のメンバーでちょっと気になる「虚弱馬」の情報をそっとお教えしておこう。
お断りしておくと、基礎体力低い=即虚弱、というわけではないが、体力に欠ける馬はトライアルを勝ってさあ本番というときにケガをしたり、叩き3戦目の走り頃と思われるときに不可解なイレ込みを見せたりと、なにしろ扱いが難しい。(そのかわり休み明けは鉄板級)
そんな今回のフィリーズレビューで、メンバーを見渡してちょっと気になるのが、エイティーンガール(牝3・父ヨハネスブルグ・飯田厩舎)という馬だ。
エイティーンガールの基礎体力は
0.75+0.5+0.25+0.25=1.75 → 22
であり、これは競走馬としてはいつ何があってもおかしくない虚弱の部類に入る。
この牝系(ダイナオレンジ〜センターライジング)が内包するポテンシャルを生かしきれないのもその辺に理由があるようで、中央で3、4勝できた馬たちのほとんどが3歳春までは無理をせず、秋から古馬になってようやくポンポンと階段を駆け上がるパターンがほとんど。
アプリコットデュー、キープザフェイス、ブラッドオレンジ…みなそうだ。
競走馬にはそれぞれの旬というものがあり、エイティーンガールはまさにいま旬を迎え、そのスピードが生かされていること自体は大変幸せなことである。
ただ3歳の春まで来ると、明日が競走生活のピークとなる馬も出てくるので、エイティーンガールの今後には十分注意が必要だ。