▼トラストあっという間に障害で3連勝!ならばナイママの復活条件はどこにある?

岡田総帥の持ち馬たちのその後が興味深い

今年の皐月賞で10着だったナイママ(牡3・父ダノンバラード)。

夏の札幌で結果を出し、秋から中央に殴り込みをかけるところまではホッカイドウ競馬の諸先輩方と同じ道を歩んだが、結果もまたしかり。

今後は自らの適性を模索しながら、第2の馬道を歩んでいくのだろう。

と、ナイママのキャンペーン終了の陰で、2つ上の先輩が思わぬところから復活ののろしを上げてきた。

なんと障害入りしてただいま破竹の3連勝中という、トラスト(牡5・父スクリーンヒーロー)がそれだ。

今回はトラストの中で何が弾けて素質開花となったのかを調べながら、ナイママの今後についても考えてみたい。

トラストの身分を照会してみる

▼トラスト(牡5・父スクリーンヒーロー・芦毛)

【 繁殖サイクル 】

フエアリストコメツト 1958
 ソロナコメツト 65.5.1 4.15〜6.15
  ハグロタマヨリ 76.4.13 き○ 3.27〜5.27
   キヨウシンタマヨリ 86.5.17 ぐ× 5.1〜7.1
    ダイヤターン 94.4.21 ぐ(×) 4.5〜6.5
     グローリサンディ 01.4.30 き○ 4.14〜6.14
      トラスト 14.3.29 き○

【 優先祖先 】

父 スクリーンヒーロー 活性値1

母父 エイシンサンディ 活性値7
3代父 メジロテイターン 活性値7+α
4代父 ハギノカムイオー 活性値6

優先 Pan(仏・1947)

【 基礎体力 】

ハグロタマヨリ   0.25
キヨウシンタマヨリ 1.75
ダイヤターン    1.5
グローリサンディ  1.0

0.25+1.75+1.5+1.0=4.5 → 56

障害馬に最も必要とされる資質は何だろうか、と考えたときに、スタミナだったり、折り合いだったり、我慢強さだったり…決してひとつではなく、その馬が持つ最大の長所を活かした障害馬になるのだと思う。

その意味でトラストの大きな武器は、優先祖先が仏のスタミナ系に端を発することだろうか。

3代父メジロテイターンは芦毛ながらその父メジロアサマの形を継いでおらず、母であるシエリル(1971・仏オペラ賞勝ちなど)似の産駒である。

これはメジロテイターンにその他の優性期種牡馬がいないことから確定的で、よってトラストの優先はスムーズにシエリルの母父Panであると結論づけられる。

残念ながらPanがどのような種牡馬だったかは古すぎて不明だが、少なくともシエリルの(そしてメジロテイターンの)優先経路でもあることは間違いないので、欧州で軽々10ハロンを走れるスタミナ(軽い日本の芝なら12ハロンくらい?)はあるのだろう。

ただそれを日本でも同じように活かせというのは酷だったらしく、日本の障害戦のペースがちょうど欧州の長距離戦とマッチしたと言えなくもない。

ではナイママの隠された適性はどこにあるのか

▼ナイママ(牡3・父ダノンバラード・鹿毛)

【 繁殖サイクル 】

マツサリア 1952
 ラポートターフ 68.4.20 4.4〜6.4
  エリシヤ 77.4.29 き○ 4.13〜6.13
   ニシノマツサリア 84.6.5 き(○) 5.19〜7.19
    ブランドノーブル 90.3.25 ぐ× 3.8〜5.8
     ニシノプロミネンス 98.3.21 ぐ(×) 3.4〜5.4
      ニシノマドカ 07.3.18 き○ 3.1〜5.1
       ナイママ 16.3.24 き○

【 優先祖先 】

父 ダノンバラード 活性値7

母父 ジャングルポケット 活性値8(MAX)
3代父 ブライアンズタイム 活性値4
4代父 シエルシユールドール 活性値6
5代父 マグニテユード ゼロ活性

優先 母ニシノマドカ → トニービン

【 基礎体力 】

ニシノマツサリア  1.25
ブランドノーブル  1.75
ニシノプロミネンス ★2.0
ニシノマドカ    ★2.0

2.0+2.0+1.75+1.25=★★88
(前回掲載時、計算間違いをしていました。正しくは★★88であり、おわびして訂正いたします)

優先については母似からトニービンへとたどるルートが濃厚。

たしかにナイママの姿はトニービン、もっといえば母父ジャングルポケットにそっくり(流星の具合や左後肢のわずかな白の具合など。父は右後肢だがこれは移動することがあるという)なのだが、その資質が府中でまったく活かされてこなかったのはどうしたことか。

おそらくは根本的なスピードが足らないか、もしくは母似ということからここ3戦の二千という距離が多少長いのか…ふたつは相反する立場の仮定であり、彼の適性探しはトラスト兄さんよりも深く謎に包まれたままだ。

ただ現場がフレッシュチャレンジにダートの千五を選んだこと(距離は長い方がよい?)、重のダートをスイスイ走ってしまうこと(深いダートでは魅力半減?)、時計的な限界がありそうなこと(単なる芝の長距離戦はダメ?)などから、トラスト兄さん同様、障害戦での復活もあり得る(その際はトニービンが活きてこよう)話に聞こえてくる。

【 結論 】ナイママの想定復活ルートは3条件。軽いダートのマイル戦、ローカル(とくに洋芝)の芝長距離戦、そして…障害戦

ホッカイドウ競馬出身の有力馬たちがこうも同じ道をたどるのには、札幌競馬場という関門をクリアするのと、中央場所で走れる資質とに大きな相違があるからではないか、そう勘ぐりたくなる。

★★88はまだ終わっていない。

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