▼【リクエスト解説】オークス出走ジョディーの姉 未完の大器レーツェルとはどんな馬か

サンデーR2019最速解説の準備も進んでます

休日にやることなんかどうせ競馬と決まっている(馬券はすっかり買わなくなりました)のだから、あなたの大切な出資馬を解説することなど、朝飯前でございます。

それにPOG特集と称して赤本や王道を読んでみて本当に良かった(ムック本はちょっと高いけどさ)。
参考になったし、なにより「クラブ馬を早いとこ解説していかないと、兄や姉のPOGは成り立たないんだな」ということに改めて気づかされたわけで。

ということで今はサンデーR2019最速解説の準備中。
関東馬はあらかた片づけたので来週からいよいよ判定スタートです。

そうそう、今年の2歳POGだけでいえば、シルクさんの大逆襲があるのではないかとにらんでいます。2018ではなく、2017年度産ね。
現3歳はちょっと…だったけど、現2歳はいいんじゃないでしょうか。

さあさあおしゃべりはこの辺にして、さっそくリクエストにお応えしていきましょう。お題はレーツェル(牝4・父マンハッタンカフェ・キャロット所属)です。

▼レーツェルの繁殖サイクル

Searching 1952
 Admiring 62.3.17 3.3〜5.3
  Glowing Tribute 73.3.15 き○ 2.29〜4.29
   Wild Applause 81.5.4 ぐ× 4.18〜6.18
    Eastern Echo 88.3.4 き(○)
   Glowing Honor 85.1.23 ぐ×
   Sea Hero 90.3.4 き○
   Mackie 93.4.27 ぐ× 4.11〜6.11
    シーキングザベスト 01.5.21 ぐ×
    Montfleur 02.5.24 き(○) 5.7〜7.7
     ミスティークⅡ 09.4.8 き○ 3.22〜5.22
      テミスト(サンデーR) 14.2.26 き○
      レーツェル(キャロ) 15.2.24 ぐ(×)
      ジョディー 16.2.7 き(○)
      ミスティークⅡの17(Vピサ) 17.3.24 ぐ○
      ミスティークⅡの18(カナロア) 18.4.26 き×
    Mawingo 08.4.6 ぐ×

リクエスト主さんの見立てとはリズムが反対の「き○ぐ×」になっているかもしれません。

ミスティークⅡの産駒だけを見ると「ぐ○き×」に見えますが、この牝系は4代母のGlowing Tribute(1973)が大繁栄の源で、それこそ多数の活躍馬を輩出しています。

とくに直仔のSea Hero(1990)はKダービーの勝ち馬ですし、孫のEastern Echo(1988)もフュチュリティS(G1)など3戦3勝早熟の天才で、種牡馬になっています。
(Eastern Echoは超初期配合でないとこのようなスピードを得られないのではないかという仮定から、き(○)がフィットするのではないかと考えています)

このように大物に近いところだけをあえてピックアップすると、サイクルは「き○ぐ×」と考えてもいいのではないかと思います。

このサイクル検討はやればやるほどドツボにはまりますので、いいところで引き返すことも大切です。

どのみちレーツェルは(兄のテミスト同様)サイクルの境界に近い場所にいますので、ハッキリした結論を急ぐよりは今年来年と様子を見るのが得策でしょうね。

もし母ミスティークⅡの産駒を引き続き狙っているのならば、私の立場からは「ぎりBAD4日」にあたる父Rカナロアの18年度産がよさそうで、サイクルが反対ならば17年度産がいいと言えるのでしょう。

正しさを極めるよりも、あくまで方法論として捉えていただきたいです。

▼レーツェルの優先祖先

父 マンハッタンカフェ 活性値8(MAX)

母父 Monsun 活性値2
3代父 Sadler’s Wells 活性値4
4代父 Summer Squall 活性値5

レーツェルは間違いなく父マンハッタンカフェMAX活性期産駒で、活性値の差は3ですから、父から優性の方向へ3代さかのぼったSanta Luciana(牝・1973)が優先となります。ドイツ血統ですね。

Santa Lucianaの父Luciano(1964)がMAX活性期かどうかまでは確定できませんが、母父Ticino(1939)も活性値が強いので、どのみちレーツェルの優先祖先だけは、Santa Lucianaで間違いありません。

その父Lucianoは独ダービー馬で、以後も国内では着外がなかった歴史的名馬。クラシックというよりはもうちょいステイヤー寄りの適性かもしれません。
Santa Lucianaがステイヤーかどうかはわかりませんが、距離をこなす資質があるのは間違いないでしょう。

今回私もレーツェルの実際の走りを見たところ、意外と前肢のかき込みが鋭くて、今の府中のような時計勝負だと分が悪いタイプに見えました。

小回りの福島を2回こなしているのは単に「素質の違い」というだけで、本来は3勝目の競馬こそがベストパフォーマンスですね。

▼レーツェルの基礎体力値

Glowing Tribute 0.75
Mackie ★2.0
Montfleur 1.5
ミスティークⅡ 1.25

1.25+1.5+2.0+0.75=5.5 → ★69

確かに3代母Mackieの活性値はゼロとMAXの境界上にあります。

レーツェルが(またジョディーも)虚弱だというのなら、★なしの44ということも考えられますが、ご存じのように妹ジョディーは阪神JF16着からでもめげずにこれだけ走る孝行娘だけに、姉も44はちょっと考えづらいかなぁ。

もし体調や足元に問題があるのなら、基礎体力よりもどこか他に起因するのかもしれませんね。

確かに妹の活躍がうらめしく感じられても不思議ではありません。
クラブ馬はやっぱりこうでないと、ねぇ。

▼レーツェルの残存クロスと誕生日説など

基本5代までにクロスはありませんが、祖母Montfleurは強いNorthern Dancerクロスのもと生まれた牝馬だということに今後も注意が必要です。

マンハッタンカフェや17年産のヴィクトワールピサはいいですが、18年産のロードカナロアはせっかく眠っていたはずの母系の狂気を起こしてしまいそうで、この点だけはちょっと推しづらいです。

ただレーツェルやジョディーはいわゆる「前年のきょうだいより誕生日が早い」生まれなのに対して、17年産と18年産はきょうだいより1か月も誕生日が遅い産駒なので、その点の母体保護メリットは享受できそうです。

【 結論 】母ミスティークⅡの産駒は「あちら立てればこちらが立たず」でちょうどいいバランスの仔がいない

やはり元気に出走してくれてナンボのクラブ馬。
3勝しても3回しか顔を見せてくれないのは、寂しいですよね。

以前取り上げた母リュヌドールのきょうだいもそうでした。
フィエールマンは使い込めないながらも6戦4勝、G1を2勝。
ルヴォワールもがんばって7戦3勝。

大活躍なんだけど、もっと顔が見たい。
ぜいたくな悩みと、私は思いません。

みなさんが今年も良い仔に出会えますように。

▼【リクエスト解説】オークス出走ジョディーの姉 未完の大器レーツェルとはどんな馬か」への6件のフィードバック

  1. ご丁寧にレーツェルの解説をしていただきありがとうございました!

    サイクル逆でしたか…
    「ぐ○き×」だとするとレーツェルは初期配合になるので、そうだったら嬉しいなと思っていたのですが。サイクルの境界の近くにあたる馬というのはどっちなのか見極めが難しいですね。

    基礎体力に関してですけど、レーツェルは脚元にも不安がありますし鼻出血を2度もやってるので体質が弱いのは間違いないと思います。だからこそクラブ馬になったのかもしれませんが、本音をいえば妹みたいに数多く走って欲しいというのが正直なところです。それでも2度目の鼻出血があった時に引退も覚悟したのでまだ現役で走ってくれるだけで有難いと思わないといけないのかもしれませんね。

    ミスティークⅡの18に関しては今年のセレクトセールに上場してしまうんですけど、ジョディーの活躍もあってどれくらいの値がつくのか楽しみですしミスティークⅡの産駒はどの仔も追いかけ続けたいので今後も注目しています。サイクル的にも注目ですね。

    今回はレーツェルを診断していただき本当にありがとうございました。優先祖先も分かって距離をこなせる資質があるということも知ることができて良かったです。得意のコースについては私から見ても広いコースの方が合ってるのではと思ってます。前走乗った藤岡佑介騎手も同じようなことをコメントされていました。それだけに大きな目標となるとちょっと難しくなってしまうのですが…

    今後も無事に走ってくれることを願いつつどんな走りを見せてくれるのか楽しみにしたいですね。

    1. レーツェルについて貴重な情報をいただき、ありがとうございました。

      その経緯からすると、残念ながらレーツェルとジョディーには★が継承されている可能性は少ないですね。

      となればジョディーは自身のエネルギーのほとんどをこの3歳春に燃焼しているのでしょう。
      それが幸せとか不幸とかはさておき、美しい姿であると感じます。

      1頭の馬についてこれほどたくさんの情報を得られたことがなかったので、良い経験になりました。
      あらためてお礼申し上げます。

      私も25年前の初見の衝撃を今に残したいと、勉強し直してまだ1年半の身。
      みなさんといっしょに切磋琢磨していきたいです。

  2. このようなお馬さんは、理論上評価は高いですか?

    本馬
    2018年3月16日生まれ 種付けは11ヵ月前として前年4月?

    ひとつ上のお兄ちゃん
    2017年2月17日生まれ

    父 2002年3月25日生まれ
    母 2009年3月10日生まれ
    2代父 2000年4月6日生まれ  Ghostzapper
    2代母 2000年3月22日生まれ

    重賞勝ったお兄ちゃんは優先祖先がGhostzapperさんて書かれてました。
    まだ詳しくないので9年間隔だけ見てまーす。

    1. ぴょーんさん、初めまして。

      血統を読み始めて間がないとのことですが、すでに9年間隔に着目しているのはなかなかやりますね。

      さてお尋ねの馬ですが、やはりこのままでは少し判断材料に欠けると思います。

      もちろん断片的なデータからは「祖母と母と仔の間隔がどちらも良い感じだな」とか、兄の種付け時にはGhostzapperの方が高活性だったのかなとまでは読めますが、では全体的な評価は?と問われれば、ちょっと即答できかねます。

      フェデリコ・テシオの理論では「血統表は最初は4代まであればよいが、その代わり4代全てのデータを総合して数値化する」ことになっています。

      ですからこの馬の評価はこのままではちょっと下しづらいです。ごめんなさいね。
      血統を勉強されているようで、それが何よりうれしいです。

  3. お返事ありがとうですー。

    例のお馬さんはディープとContested(米)の子供ちゃんなのです。
    生年月日が重要な理論のようなので判断の仕組みを理解したいなーと。
    そうしないとよくわかんないけどネットに良いって書いてあったよになっちゃうので。

    となると例のお馬さんは、2017年に種付けエッチして生まれたので
    そのとき2002年生まれのディープお父さんは15歳。なので活性値は7(ギンギン一歩手前)

    母Contestedは、2008年に種付けエッチして生まれたので
    そのとき2000年生まれのGhostzapperさんは8歳。なので活性値は8(もうギンギン)

    祖母Gold Vaultは、1999年に種付けエッチして生まれたので
    そのとき1995年生まれのArchさんは4歳(若いおとーさんだ)。なので活性値は4

    曾祖母Questressは、1993年に種付けエッチして生まれたので
    そのとき1985年生まれのSeeking the Goldさんは8歳。なので活性値は8(もうギンギン)

    お父さんがギンギンだらけのギンギン血統さんの場合、どのお父さんが優先になりますか?
    みんなワシじゃ、ワシじゃって譲らなさそう。

    1. 父と母の名前がわかったので、ちょっと私の方でも調べてみました。

      くわしくは、ブログをお読みいただければと思います。

      活性値8がギンギンとはよく言ったものですね。
      思わず大笑いしてしまいました。(たしかにそりゃそうだ)

      ここまでよく理解されているようなのであえてもう一言付け加えると、この理論で実際に大切なのは誕生日ではなく「種付け日」なのです。(それもわかっていらっしゃるようですが)

      しかし私たちは種付け日を知る由もなく、すべて誕生日からの逆算でごまかしています。
      だから判定にも揺らぎがでるし、不明な点もたくさん出てくる。
      これがもし現場の生産者であれば、おそらく9割以上の確率で善し悪しを判断できると思います。

      そこをご理解いただきながら、良い馬選びの一方法としてかわいがっていただければ幸いです。

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