いよいよ募集スタートしましたね。
各クラブのHPリストからも写真が見られるようになったので、できるだけ参考にしていきます。
※最速解説のトリセツ2019(必読)
(1)前年同様、判定はOK、ぎりBAD、ぎりOK、?の4つに分類し、かつこの順に走る可能性が高いとみる
(2)?はBAD判定に加え、難解な判定のため見送った馬を含む。よって?の全部がBADではない
(3)今年は筆者からのオススメ、5つ星付けなどは一切しない(もちろん馬の長所を褒めることはたくさんある)
(4)17年度産駒のリストもれや兄弟数の誤り等あるので、正確な情報はクラブのHP等で必ず確認のこと。あくまで18年度産駒の判定、分析を主とする
(5)現時点で筆者は実馬(動画含め)を一切目にしていない。判定は机上の計算(と写真を少し)であることをご了解いただきたい
(6)この判定に沿って読者が指名、出資されたために起きた損害等について、筆者は一切の責任を負わない。この特集を読まれた方はそれらを全て理解した上で活用されたい
◆
G1サラブレッドクラブ2019 1歳馬最速解説 関西編(1)
・募集番号
・母馬名の18(性別)
・父馬名
・判定
・直前の兄弟との誕生日差(プラスの馬を推奨)
・何番目の仔か
・17年度産駒の判定(いれば)
28 パーソナルダイアリーの18(牡)
母内クロスをうまいこと回避しているので、素直に走ってくる可能性大。
父 ディープインパクト
→OK
?
【 優先祖先 】 ディープインパクト
【 基礎体力 】 66
やっぱ写真あるといいね〜、見るからにディープの仔。
母内では3代父Tiznowの活性もディープと同年代だが、ディープはちゃんと15歳の誕生日を過ぎてから(Tiznowは誕生日前)の種付けと推測できるので、確実にディープの方が活性は高い。
クロスはどれも母内で収束しているので元々あまり気にしていないが、まず母父父Carson Cityがミスプロのゼロ活性馬なのでミスプロクロスはノーカウント。
また珍しいRelaunchクロスもTiznow由来の方が
0.5(Relaunch)×0.25(Cee’s Tizzy)×1.75(Tiznow)=0.218…<0.25
なので1世代分に欠けるし、傍系クロスの恩恵も加味すれば、そう心配なものではないと思う。
2代母Latest Scoopは3代母Society ColumnからMAX活性(★はなし)を継承しており、むろん体力には不安なし。
馬体さえ皆さんのお好みなら、いいんじゃないですか?走ってくるでしょう。
29 ワッツダチャンセズの18(牡)
こちらにはまた珍しいクロスがあるなぁ…。
ディープ由来では初めて見たかも。
父 ディープインパクト
→OK
+26日 2番仔
ワッツダチャンセズの17 →?
【 優先祖先 】 母ワッツダチャンセズ 芝マイル〜中距離
【 基礎体力 】 ★63
珍しいクロスというのは、Sir Ivor(1965)のこと。
英2000ギニー&英ダービーなど、今でいうG1を6勝した距離万能の名馬で、これがディープ由来で引っ掛かるお馬さんは初めて見た。
そのSir Ivorはもとより、本馬はNorthern Dancerの活性値(母系2本)がかなり強く残る。
またご丁寧に母ワッツダチャンセズは母父Diamond GreenのMAX活性産駒でもあるし…精神面でパーソナルダイアリー18のようにはうまくいかない?
2代母High Financeは3代母PhylellaからMAX活性(こっちは★付き)を継承しているので、とてもいい馬だとは思うが…。
ちなみに本馬は母似なのでパーソナルダイアリー18とは馬体の雰囲気も違うし、ディープ産駒特有の四肢に白もないが、母の実績から芝適性は同じように十分見込めるのではないか。
32 メーデイアの18(牡)
さぁて、父キンカメをどう評価しましょうかね。
父 キングカメハメハ
→OK
なし 2番仔
【 優先祖先 】 キングカメハメハ
【 基礎体力 】 59
優先がMAX期の父キンカメなので、馬体に白いところがなく、カタログ通り芝適性も見込めるよ、という評価でいいが、あとは17年春のキンカメがどのくらい元気だったかによると思う。
何回も言うように自分は今年の新馬戦からもうキンカメには期待しないスタンスなので評価は渋いが、父にいい夢を見させてもらったファンならいくらでも指名したいんだろうなぁ。
本馬は残念ながら母のミニマム期にあたるし、Northern Dancerも強いし、思い入れがなければ見送り。
33 フーラブライドの18(牝)
これは母のようにかなり距離をこなす素地がありそう。
父 キングカメハメハ
→OK
+9日 2番仔
フーラブライドの17 →?
【 優先祖先 】 Windmill Girl(牝・1961) 芝中距離〜
【 基礎体力 】 50
母フーラブライドは4代までに優先種牡馬がいないアドマイヤムーン的活躍馬で、こういう繁殖はどの種馬を付けても父似になるので重宝する。
ただし、母がどの祖先を継いで突然変異的に走ったのかはいまだ定かでなく、よって間違って母似の産駒ができると適性探しに迷う。
本馬はしっかり父似で、キンカメ産駒が距離をこなす由来である祖先Blakeneyの母・Windmill Girlを優先としたが、その父Hornbeam(1953)も祖父Hyperion(1930)も優性の栗毛馬なので、本馬の栗毛はそこから来ているのだろう。(もちろんfromゴールドアリュールじゃない)
また本馬は母からMAX活性(★なし)を受けることができたが、母自体は基礎体力が不足し、じっくりじっくり実力を蓄えた苦労人(馬?)なので、MAX後来年の仔たちからはちょっと鍛錬に苦労するかも。
36 オリエントチャームの18(牡)
父 ハービンジャー
→ぎりOK6日
−15日 9番仔
オリエントチャームの17 →OK
17年産との誕生日差が−15日で、初回発情で種付けされた可能性があるので見送り。
38 スカイディーバの18(牝)
父ドゥラメンテはまだ活性が低いので、今のうちはいろいろな母似馬が出ると思った方がいいだろう。
父 ドゥラメンテ
→ぎりBAD5日
+1日 6番仔
スカイディーバの17 →ぎりOK4日
【 優先祖先 】 3代母Gather The Clan(1985) 芝ダ・マイル
【 基礎体力 】 ★53
スカイディーバは4代父General Assembly(1976)がMAX活性なので、父が自身の誕生日後のガチMAX活性期種付け以外はすべて母似になる繁殖。
17年産のディープ牡馬はひとつ前の祖母Swift Girl似で、写真を見ると本馬よりはムチムチした感じが強く、もしかしたらダート…のようにも見える。
本馬はカタログ通りシュッとしたスリムな体型で、これは3代母Gather The Clanが芝の重賞ウィナーであったことをきちんと継いでいるのかもしれない。
しかし2頭ともつなぎなんかけっこう立ってるし、普通はダートデビューで良さそうだけど。
クロスはミスプロのみだが、母内の1本Unbridled経由が0.09375<0.125でクリア、父ドゥラメンテ経由も0.234…<0.25で1世代分までいかないので、弊害は最小限に抑えられそう。
祖母Swift GirlのMAX活性を継いだ母は、早熟で競走でもその資質をある程度使ったクチなので、本馬にいかほどストレートにMAX活性が継承されるかは未知数。
もし早くデビューすれば、★付き基礎体力フツー型はクラシックにピークが合うけど、その後は少し尻すぼみという傾向があるので、絶対に2歳から動いて欲しいかつ早期勝負(POGとか)を望む方にオススメ。
体がちょっと薄めなのを考慮し、じっくり乗り込んでから3歳デビューだと、今度はクラブ会員向けに長く走る良い候補となるだろう。
◆
30 ドリーフォンテインの18 →?
ドリーフォンテインの17 →ぎりBAD0日
31 トータルヒートの18 →?
初仔
34 ヴァゼムの18 →?
ヴァゼムの17 →?
35 ヴィルジニアの18 →?
ヴィルジニアの17 →?
37 ヴァリディオルの18 →?
ヴァリディオルの17 →?
39 メダリアダムールの18 →?
なし
40 セブンスセンスの18 →?
初仔
よろしければ教えてください。
ワッツダチャンセズにあるサドラーズウェルズの血はどのように理解すればいいでしょうか。いわゆる現在の日本の高速馬場に対しては、有効に働かないでしょうか?
お忙しい中お手数をおかけしますが、教えていただけますと幸いです。
ごととぐさん、初めまして。
ご質問について、以下私の私見を述べますが、おそらく答えは2通りあると思われます。
まず配合面から見たお答えを。
確かにワッツダチャンセズ内にはワッツ自身から見て3代前にサドラーの名前があります。
しかしそれは直仔のアントレプレナーを介したもので、サドラーはワッツを生産するためにつけた種牡馬ではありません。
誤解しないでいただきたいのは、ワッツ自身を生産するために実際付けられた種牡馬は4代前からTumble Wind、Persian Bold、アントレプレナー、そしてDiamond Greenの4頭のみです。(5代血統表に見えているだけで)
そしてワッツの形に影響を与えるのは、このうち最も活性値の高い種牡馬ただ1頭のみです。
ここが今までの血統論で表を見てきた方に理解していただけるかどうかの瀬戸際なのですが、4頭のうち一番活性値が高いのは直近の父であるDiamond Green(満8歳MAX活性)であり、生物の遺伝の法則から見ても、ほかの父3頭にはワッツに関与する資格がなくなります。
活性値の高い(つまり優性遺伝)馬が低い馬に凌駕されては、遺伝は成り立ちませんのでね。
つまりワッツダチャンセズ内におけるサドラーズウェルズは「議論する余地のない、なんの役目も持たない種牡馬」なのです。
(インブリードはまた話が別だけど、基本テシオはインブリードを良しとしなかった)
これが50年前にネアルコやリボーを生産した天才フェデリコ・テシオの理論です。
普段血統表をご覧になる方ほとんどすべてが「5代血統内を目を皿のようにしてキーとなる種牡馬を探す」作業に没頭されると思いますが、テシオ理論にはそれがありません。
そのかわりワッツの形をつかさどったはずの種牡馬をたった1頭、的確に探し出します。
よって今回の配合的には、ワッツダチャンセズ内にはサドラーの要素がないので産駒における影響もない、ということになります。
もうひとつのお答えは「ではテシオ理論でサドラーが優先祖先だとわかった馬は日本でどんな走りをするのか」ということです。
実は今年の新種牡馬エピファネイアの母・シーザリオは、4代の種牡馬候補のうち、ちょうどピッタリ母父サドラーズウェルズの形を受け継いだ計算になる牝馬です。(つまり父スペシャルウィークの影響などみじんもないということ)
あのクラスの名牝ですからどんな条件下でも走ってしまうように見えますが、この年のオークスが2分28秒台の決着だったこと、クラシック戦以外はほとんど先行しての僅差勝ちだったことなどがサドラーを優先祖先に持つ馬の特徴として挙げられるでしょうか。(ま、本質的に切れはないんですよね、やっぱり。アメリカンオークスでは1分59秒台で勝ってますけど、これこそ彼女の本当の実力のなせる業でしょうね)
そして逆に今まで、ごととぐさんが父であるサドラー系種牡馬の性質を持っていると思っていた馬の中にも、まったく違うところに祖先を持つ競走馬がいるということです。
ちょっと長くなりましたが、私からは以上2点をもってお答えとさせてください。
いつもご愛読ありがとうございます。
ご丁寧にありがとうございます。ダイヤモンドグリーンの影響が強いと当然ワッツダチャンセズ2018はマイルを軸とした適性がよそうされましね。
つい2週間前にあなたのブログと出会いました。これまでにない観点で馬を見ることができ新たな発見になりました。
これからも愛読致します。
(活性の理論の勉強にてまどっております。)
2週間前というと、アクセスが爆発的に増えた週ですね。
きっとこれからごととぐさんのような方との出会いが増えるだろうと思ってました。
テシオ理論の勉強に手間取るのは当たり前で、私に責任があるんです。
活性値や優先祖先の話をろくにしていないから…でもここの読者サンはどんどん付いてきてくれて嬉しい限りです。
私もそれに甘えず、少しずつわかりやすい方法で理論を広めていきたいと考えています。
今年も皆さんがいい馬と出会えますように。